鳴海唯が語る“ライバル”とは
――お芝居には勝ち負けはないと思いますが、鳴海さんにとってライバルと感じる存在はいますか?
ライバルとはまた違うかもしれませんが、上京した際、養成所に通っていた時に、そこに同じ夢を持って頑張っている仲間たちがたくさんいました。その後、お仕事をスタートさせて私も7年くらいになります。これは仕方のないことではあるし、それぞれの選択があるわけですが、同じステージで戦い続けている仲間が、年々、少なくなっています。だからこそ、今も同じ場所にいる仲間を見ると、それだけで胸が熱くなります。実際に一緒にいるわけではないけれど、一緒に頑張っている気がして。それだけで、「彼ら、彼女たちも頑張っている。私もまだまだ負けてられないぞ。やってやるぞ」という気持ちになります。
――ステキなお話です。
「俳優は向いていないんじゃないか」とか、「やめたい」などと思ってしまうときもどうしてもありますが、そうした存在が自分を鼓舞してくれます。特定の人というより、当時の仲間や、当時の自分自身、俳優仲間や、制作側のお友達もいます。制作側のお友達とは、よく一緒にご飯を食べにいって、熱い話をしたりします。私、語り合うのも好きなんです(笑)。決して多いわけではありませんが、そうした存在がいます。
俳優として成長し続けるために
――ドラマに映画にと、現在、引っ張りだこです。周囲やご自身に何か変化を感じていますか?
周りの環境はそんなに変わっていないと思いますが、自分の考え方はどんどん変わっていると思います。作品の中で担う役割、役がどんどん大きくなっているので、今まで以上に、役と向き合う時間を増やさないと現場に立てないと感じています。よくも悪くも、年々、慎重になっている気がしますね。
――最初の頃は、カメラの前に立ってセリフを言えるだけでうれしかったときもありましたか?
セリフを覚えて言うだけで大変でした。それがいろんな経験をさせていただく中で、それ以外のことがいかに大事なのかを、先輩方の背中を見て学ばせてもらっています。私はどうしても怠惰な人間なので、自分に甘くなってしまいそうになりますが、作品に挑む際、限られた時間のなかで、どれだけの準備ができるかがとても大事だと感じています。準備期間って、孤独だし、試練です。でも、そこをいかに怠けずにやれるか。
――なるほど。
そこに向き合えば向き合うだけ、現場で役として自由にいられると感じてます。なので、それこそお芝居に勝ち負けはありませんが、自分自身に打ち勝つために、どれだけ役と向き合う時間を取れるか、毎回戦っていますし、その思いが強くなっています。ただ、これも先輩方みなさん歩んでいる道だと思いますし、そうした姿勢は大切にしながら、できる限り焦らずに、いつも通り、着実に一歩一歩進んでいこうと自分に言い聞かせています。
――ありがとうございます。これからも期待しています。最後に、由奈を演じた鳴海さんから、『MISS KING / ミス・キング』のおススメポイントを教えてください。
飛鳥の復讐劇と、対局の場面はもちろん見どころです。加えて、私がこの作品を通じて感じたのは、女性の強さやパワーについてです。由奈もそうですが、社会で生きていくことへの葛藤を抱えている人ばかりが登場しますので、ぜひご自身を投影して見ていただくと、より深く感じられるかなと。将棋のルールを知らない方でも、自分事のように捉えていただける作品になっていると思います。
鳴海唯
1998年5月16日生まれ、兵庫県出身。2019年にNHK連続テレビ小説『なつぞら』でドラマ初出演を果たす。2021年には『偽りのないhappy end』で映画初主演を務めた。近年の主な出演作に、2作目の出演となったNHK連続テレビ小説『あんぱん』、NHK大河ドラマ『どうする家康』、映画『熱のあとに』(24)、『赤羽骨子のボディガード』(24)など。現在、NHKドラマを劇場版に再編集した映画『アフター・ザ・クエイク』が公開中。また、ABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』、ドラマ『シナントロープ』(テレビ東京系)が放送中。






