JR東日本は、利用の少ない線区に関する2024年度分の経営情報を開示した。災害等でバス代行輸送を実施している線区を除き、営業係数の最も大きかった線区は飯山線戸狩野沢温泉~津南間の「10,460」、次いで花輪線荒屋新町~鹿角花輪間の「10,080」となった。

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    飯山線を走る普通列車

同社は利用の少ない線区に関して、「地域の方々に現状をご理解いただくとともに、持続可能な交通体系について建設的な議論をさせていただくため」として、2019年度分から経営情報(収支、営業係数、収支率など)を開示している。2024年度分は平均通過人員2,000人/日の線区(36路線、71区間)に加え、平均通過人員2,000人/日を上回った羽越本線羽後本荘~秋田間も、継続的な情報開示の観点から経営情報を開示した。

開示した経営情報のうち、営業係数は「各線区の営業費用を運輸収入で割り、100をかけた値」とされ、「100円の運輸収入を得るのに要した営業費用を表す指標」となる。営業係数「100」未満は黒字だが、「100」を超えると赤字となり、数字が大きくなるほど鉄道としての維持が困難になるという。2024年度分の営業係数が最も大きかった線区は、陸羽東線鳴子温泉~最上間の「22,360」だが、この区間は豪雨災害の影響で2024年8月から2025年4月までバス代行輸送を実施していた。営業係数「10,649」だった津軽線中小国~三厩間も、2022年8月の豪雨災害以降、バス等による代行輸送が続いている。

長期間の列車運休がなかった線区で最も赤字の大きかった飯山線戸狩野沢温泉~津南間、次いで営業係数の大きかった花輪線荒屋新町~鹿角花輪間はいずれも県境を走り、両線区ともここ数年、営業係数「10,000」を上回る状況が続いている。花輪線荒屋新町~鹿角花輪間は平均通過人員も68人で、バス代行輸送等の線区を除き最少となった。

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    久留里線を走る普通列車

一方、2023年度分の営業係数「13,580」で最も赤字だった久留里線久留里~上総亀山間は、2024年度分の営業係数「6,694」に。内訳を見ると、依然として利用の少ない線区であることに変わりはないものの、平均通過人員と運輸収入が増加しており、営業費用が減少したこともあって赤字が小さくなっているようだった。

なお、2024年度分の収支(各線区の運輸収入から営業費用を引いた値)において、ワーストだった線区は羽越本線村上~鶴岡間でマイナス55億1,400万円。特急列車が走る線区においても、厳しい経営状況であることをうかがわせる結果となった。