放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は21日、日本テレビのバラエティ番組『月曜から夜ふかし』について、放送倫理違反の決定を公表した。
今年3月24日に放送された同番組の街頭インタビューで、中国出身の人の声を紹介したが、放送後に当人から実際に話した内容とは違うという指摘があった。日テレは、制作スタッフの意図的な編集で当初の発言の趣旨とは全く異なる内容となっていたことを認め、番組ウェブサイトと社長会見で事実を公表して謝罪し、その後番組内でMCが謝罪のうえお詫びコメントを表示した。
委員会は同年4月、放送倫理違反の疑いがあり、取材から放送に至る制作プロセスを検証する必要があるとして審議入りし、日テレや制作会社の関係者を対象にヒアリングを実施。街頭インタビューを担当したディレクターが、オチが付き面白い内容になると考えて、中国出身の人が別の文脈で発言した言葉を恣意的につぎはぎする音声の編集を単独で行ったこと、発言していない内容を発言したかのように放送した結果、取材対象者がソーシャルメディア上で誹謗中傷にさらされる事態に至ったことを確認した。
さらに委員会は、制作幹部が恣意的な編集に気づかず、事案の発生を防げなかった背景を検証。その結果、▼放送内容の正確性を担保し、番組の制作過程に不正がないかどうか疑念を持つ意識が制作幹部に希薄だったこと、▼取材対象者に放送内容の真正性を確認する場が放送を許諾するよう仕向ける場となっていたり、番組の制作過程で生じた疑念を制作陣全体に共有する仕組みがなかったり、不正抑止のための仕組みが機能不全を起こしていたこと、▼制作陣が、取材対象者は自主的にオチのある発言をし、視聴者はそれを冗談だと受け止めると一方的に期待して、笑いやオチを優先させるなかで、不正リスクの軽視につながった組織風土が醸成されたことに問題があったと認めた。
また、他国への偏見とはいえないまでも、他国の人々の感情を尊重する姿勢が不十分であったと付言した。
これを踏まえ、恣意的な編集によって事実に基づかない虚偽の内容を放送し、取材対象者がSNS上で想定外の誹謗中傷にさらされる事態を招き、民放連の放送基準、日テレの取材・放送規範の各項目に反しているとして、放送倫理違反があったと判断した。
