阪神タイガース、福岡ソフトバンクホークス(写真:産経新聞社)

 今季のセ・パ両リーグは、阪神タイガースと福岡ソフトバンクホークスがそれぞれ優勝した。しかし、阪神が史上最速優勝を決めてからすでに1ヶ月が経過しており、ファンの間では”間延び”が問題提起されている。一方、MLBでは間延びどころか、より一層盛り上がる仕組みが構築されている。(文・八木遊)

すでに間延びの声も…?阪神の優勝から1ヶ月

 

 野球界にとって最も盛り上がる時期の一つが10月だ。メジャーリーグは約1か月に及ぶポストシーズンの真っ只中で、日本ファンの注目度も高い。

 

 一方、国内のプロ野球は今月5日に全日程を終え、今週末の11日からクライマックスシリーズ(CS)がスタートする。つまり6日から10日の5日間は、プロ野球の試合が全く行われない。

 

 

 しかも、リーグ制覇を果たした阪神とソフトバンクは、15日に始まるCSファイナルまでさらに間隔が空く。阪神は史上最速リーグVを決めてからすでに1か月以上が経過。シーズン最終戦からCSファイナルの初戦まで実に12日間にわたって試合がない状況だ。

 

 ポストシーズンに進むセ・パ6球団の中には、主力選手をフェニックス・リーグに参加させるケースもある。例えば、横浜DeNAベイスターズは藤浪晋太郎や山崎康晃、牧秀悟らを同リーグに派遣。CSに向けた調整も簡単ではない。

 

 ファンの間では、以前から公式戦終了後に発生するこの“間延び”は問題提起されていた。SNSでも「日本のCSは10日も空いて、ようやくファーストステージ」「MLBはシーズン最終戦に全チーム、同日同時間に試合が組まれている。2日後にはポストシーズンが始まり、間延びがない」など、MLBとNPBを比較する声も多々あり、そのほとんどがメジャー式を支持するものだ。

 

 

 

間髪入れず…ファンが楽しめる”メジャー式”

 

 この問題は、ファンの熱量にも大きく関わってくる。

 

 例えば、メジャーリーグの地区優勝は、あくまでも世界一への挑戦権を獲得したという扱い。優勝決定時のセレブレーションなども実にあっさりしている。

 

 しかし、ポストシーズンでは様相が変わり、ワールドシリーズに近づくにつれて、セレブレーションも派手になっていく。レギュラーシーズンから間髪入れずポストシーズンが行われるだけでなく、ワールドシリーズに向けてより一層盛り上がる仕組みが出来上がっているというわけだ。

 

 メジャーリーグの工夫はそれだけではない。ポストシーズンでは他の試合と開始時間が被らないように調整されている。最大4試合が行われる日であっても、現地の昼過ぎから深夜まで丸1日楽しめるようになっている。

 

 一方で、プロ野球のCSはセ・パともに同じ日のほぼ同時刻に開始する。つまりリアルタイムでじっくり観戦できるのはどちらか1試合だけである。せめて週末だけでもデーゲームとナイターに分けるべきだという声は根強いが、なかなか実現に至っていない。

 

 またCSは2~3位のチームが日本シリーズ進出を決めても、リーグ優勝とはみなされないため、どうしても敗者復活の色合いが濃くなっている。“下克上”ともてはやす言葉もあるが、どこかしっくりこないファンも多いだろう。

 

 NPBは公式戦後の“間延び問題”以外に、ポストシーズンの在り方にも改善の余地はまだあるはず。10月をより熱くするためにも、抜本的な改革を考える時期に来ている。

 

 

【了】