青山商事は10月3日、Z世代向けにデジタル技術を駆使した店舗「AO+(アオヤマプラス)」の1号店を高円寺駅北口にグランドオープンした。前日となる2日にメディア向けの内覧会が行われ、「AO+」の特徴などが説明された。
「スーツの青山」から「ビジネスウェアの青山」へ
青山商事株式会社にて、OMOリテール副本部長を務める緑川暁生氏は、コロナ禍以降、仕事着に対する概念が変わり、軽装化の意識が高まったことを受け、「スーツの青山」から「ビジネスウェアの青山」へとイメージを変えるために取り組んできたという。ただ、ビジネスカジュアルやレディースの強化を進めてはきたものの、従来型の店舗形態からの大きな変革は挑戦できず、若年層や新規客の来店数が伸び悩んでいた状況を振り返る。
そして、デジタルツールを駆使した便利かつ簡単な買い物と、従来通りの対面の接客に重きを置いた買い物の二通りの方法を選択できる、若年層をターゲットにした店舗として「AO+」を今回オープンすることになったと説明した。
高円寺に一号店、その狙いは?
緑川氏は高円寺に出展した背景として、「駅前のロータリーに面する非常に視認性の良い場所で、ふらっと気軽に入店できる」「基幹店舗となる新宿西口店を筆頭に、中央線沿いに今7店舗を有しており、サテライト店舗としての機能の検証に適している」と説明する。
また、今後については「拡大の可否については判断しながらになりますが、私どもとしてはなるべく早く新規出店を含め、50店舗程度はぜひとも出展を目指していきたいと考えています」と意気込みを語った。
買い物の効率化をアシスト
ここからは「AO+」の目玉サービスを紹介する。
まず入店してすぐのところに設置された「デジタル採寸」から。性別、年齢、身長、体重を入力した後、正面と側面の2ショットを撮影することにより、自身の体格に合ったサイズを測ってくれる。
「マイサイズ」ではワイシャツやジャケットなどにおけるオススメのサイズを提示し、「診断結果」では肩幅やバストなどの長さを採寸してくれる。また、「マイサイズ」や「診断結果」を記した紙を発行でき、その紙を見ながら商品を選ぶことが可能。スタッフの説明によれば、「デジタル採寸」の正確さは9割にものぼるという。正確な数字を短時間で知れるため、効率的に買い物ができるだろう。
AIによるコーディネート
次に「AIスタイル診断」。「骨格診断」や「パーソナルカラー診断」といった、服を決める際の指標となる診断もできるが、一番の特徴はAI顔診断によって似合う服を紹介してくれることだ。
「シーズン」や「職種」などを入力した後、モニターに取り付けられたカメラで顔を撮影することにより、AIが顔タイプを診断・分類。それらの情報をベースに、顔タイプにマッチしたコーディネートをスタッフスナップから提案してくれる。
また、試着室内には大きなモニターが設置されており、商品のバーコードを専用のスキャナーで読み取ると、モニターにスタッフスナップを映し出してくれる。その商品のコーディネートをチェックできるため、購入後に自身がその商品を身に着けた時のイメージを膨らませられる。
デジタル化により、「痒い所に手が届くようになった」と感じる瞬間は多い。新しい買い物体験を味わえるため、ふらっと立ち寄る人は多いかもしれない。






