クレカリは9月17日、「若年層の生活費・固定費の支払い」に関する調査の結果を発表した。調査は2025年9月1日~9月3日、都内で一人暮らしをしている20~30代1,013人を対象にインターネットで行われた。
給料日前の金銭的焦りを経験したことがある人は約6割
「給料日前に『お金がギリギリになる(お金が足りなくなる)かも!』と焦った経験はあるか」と尋ねたところ、約6割が「とてもある(28.6%)」「ややある(30.2%)」と回答した。
約6割が、給料日前の「焦り」を実感したことがあると回答したことから、若年単身者の収支の不安定な状態が浮き彫りになった。
特に、「とてもある」と回答した人が約3割いることから、一過性の不安ではなく、頻発する懸念と考えられる。
前の質問で「とてもある」「ややある」と回答した人に、給料日前の金銭的焦りについて具体的に尋ねた。
「支払いが予想より多くてお金がギリギリになってしまった」(20代/男性)、「風邪をひいてバイトに行けなかったとき」(20代/女性)、「カードの返済額が多く口座に家賃分が残らなかった」(30代/男性)、「予定外の出費で給料日まで生活費が足りない」(30代/男性)といった回答が寄せられた。
給料日前に金銭的な焦りを感じた理由としては、「予想外の支出」や「収入の変動」による家計の乱れが目立った。体調不良でのアルバイトの欠勤や予定外の出費、クレジットカードの返済などが影響しており、安定した収入を得ていない若年層は、突発的な出来事が生活の不安定化につながることがうかがえる。
「どの程度の頻度で『金欠だ』と実感することがあるか」について尋ねたところ、「ほとんどない」と回答した人が最多となったが、「ほぼ毎週」金欠を感じている人も約2割いることが示された。
約半数が「月に1回以上」の頻度と回答し、毎月金欠を実感していた。収入が安定していても、支出のタイミングや量によって一時的に支払いが難しくなる可能性も考えられ、支払いの調整機能の必要性が浮き彫りとなった。
過去1年以内で家賃支払いの遅延経験がある人は約2割
「支払いの時期を自分で調整できるとしたら、どのような費用でそうしたいか」について尋ねたところ、「家賃(53.3%)」と回答した人が最も多く、「水道光熱費(38.2%)」「通信費(35.1%)」となった。
支払いの時期を調整したい費用として「家賃」が約半数となり、毎月の中でも特に負担感の大きい出費であることを示している。次いで「水道光熱費」「通信費」と、生活インフラに関わる固定費が上位を占めたことから、支出の柔軟性を求めるニーズが生活基盤全体に及んでいることがうかがえる。
では、どのような理由で「家賃」の支払い時期を調整したいと思うのか。前の質問で「家賃」と回答した人に詳しく聞いたところ、「クレジットカードの支払い時期と同じなので苦しい」(20代/女性)、「支払う額が多いから」(30代/男性)、「支払えるタイミングを都度自分で決めたいから」(30代/男性)、「他の固定費の支払いと調整したいから」(30代/女性)といった回答が集まった。
家賃の支払い時期を調整したい理由として、「金額の大きさ」や「他の支払いとの重複」による負担感が目立った。特に、クレジットカードや他の固定費と時期が重なり、支払いが集中しやすい点が課題となっているようだ。
家賃の支払い時期を調整したいという声が多く挙がったが、実際にどのくらいの家賃を支払っているのだろうか。
「現在の家賃」について尋ねたところ、「7~10万円未満」と回答した人が約4割を占め、次いで「5~7万円未満」が約3割となった。
全体として、都内で一人暮らしをする若年層の家賃は「5~10万円」が約7割を占めることがわかったが、過去1年以内に家賃の支払いが遅れたことがある人はどの程度いるのだろうか。
「過去1年以内に家賃の支払いが遅れたことはあるか」について尋ねたところ、「ある(17.4%)」「ない(82.6%)」という回答結果になった。家賃の支払いが遅れた経験が「ある」と回答した人は約2割にとどまったが、一定の割合で支払いの遅延が発生している点は見過ごせない。また、多くの人が遅れずに支払っているが、収支のタイミングがずれることで支払いが困難になるケースもあると考えられる。
クレカ払いで家賃が支払えるなら、そうしたい?
「クレジットカード払いで家賃を支払えるなら、そうしたいと思うか」について尋ねたところ、約7割が「とても思う(44.2%)」「やや思う(24.6%)」と回答した。
家賃をクレジットカードで支払いたいと思う人は全体の約7割にのぼり、「すでにクレジットカードで支払っている」という人も含めると、クレジットカード払いへの関心は非常に高いことがわかる。
「家賃のクレジットカード払いが普及すると、どのような変化があると思うか」についても尋ねたところ、「ポイントやマイルが貯まってお得になる(65.5%)」と回答した人が最も多く、「家計管理がしやすくなる(34.5%)」「振り込みの手間がかからなくなる(22.5%)」となった。
家賃のクレジットカード払いの普及によって「ポイントやマイルによるお得さ」や「家計管理の容易さ」や「手間の軽減」といった変化があると思う人が多いようだ。また、「精神的余裕」や「支払い遅延の減少」への期待も見られた。
最後に、クレジットカード払いにおいて最も魅力を感じる点について尋ねた。
「クレジットカード払いについて、最も魅力を感じる点」について尋ねたところ、「ポイントやマイルが貯まる(54.4%)」と回答した人が最も多く、「現金を用意しなくていい(15.6%)」「明細が残るので管理しやすい(11.5%)」となった。




