日本コンタクトレンズ協会は9月1日、「アイフレイル」と「コンタクトレンズ」に関する調査の結果を発表した。アイフレイルの実態調査は2025年2月26日~2月28日、40歳~64歳の男女1,000名を対象に。コンタクトレンズについての調査は2025年1月10日~1月20日、15歳~59歳の男女3,600名を対象に、いずれもインターネットで行われた。

アイフレイル、7割は「言葉すら知らない」状況と明らかに

「アイフレイル」という言葉を知っているかを聞いたところ、「言葉の意味をよく知っている」と答えた人はわずか3.1%だった。「意味をだいたい知っている」(9.6%)、「言葉のみ知っている」(16.9%)を含めても29.6%にとどまり、約7割(70.4%)は 「アイフレイル」という言葉自体を知らない状況であることが明らかになった。

加齢に伴って目が衰えてきたうえに、様々な外的ストレスが加わることによって目の機能が低下した状態、また、そのリスクが高い状態を「アイフレイル」という。代表的な症状が老視(老眼)で、多くの人が40代から経験する。未矯正のまま放置すると、仕事や日常生活の質が下がるだけでなく、心身の健康にも影響を及ぼす可能性も。老視の対策として、現時点で第一選択となるのは眼鏡や遠近両用コンタクトレンズとなる。

  • アイフレイルの認知

    アイフレイルの認知

1年以内の眼科受診率は?

直近の眼科受診について聞いたところ、「半年以内」が18.9%、「1年以内」が12.4%で、1年以内に受診した人は合わせて約3割にとどまった。一方で「3年よりも前」が37.6%と最も多く、「忘れた/覚えていない/受診していない」と答えた人も19.3%に上り、定期的な受診が十分に行われていない実態が明らかになった。

受診理由については、「眼鏡やコンタクトレンズの処方・調整」が34.1%と最も多く、次いで「視力の低下や見えにくさを感じた」が12.6%だった。健康診断や人間ドックでの検査は8.4%にとどまり、また充血・かゆみ・乾燥感などの症状をきっかけとする受診も一定数見られた。

一方で、「新聞やテレビなどで目の健康の重要性を知り、予防的に受診した」と答えた人はわずか0.7%にとどまり、必要に迫られてから受診する人が大半であること、予防や早期発見目的の受診が浸透していない状況が浮き彫りとなった。

  • 直近の眼科受診時期

    直近の眼科受診時期

  • 直近の眼科受診理由

    直近の眼科受診理由

見え方の不満点

見え方の不満点については、遠くの見え方では「ぼやけて見える」(34.4%)が最も多く、次いで「夜間や暗い場所で見えにくい」(22.7%)だった。近くの見え方では「小さな文字が読みにくい」(51.5%)が半数を超えて最多で、「ピントが合わせづらい」(38.4%)、「スマートフォンやパソコンの画面が見づらい」(26.7%)なども高い割合を占めた。

特に近くが見えにくいという自覚があるが視力矯正を行っていない人では、「小さな文字が読みにくい」が65.7%と、全体より10ポイント以上高い結果となった。不満を抱えながらも、対策を取らずに過ごしている実態が明らかになった。

  • 見え方の不満点

    見え方の不満点

さらに、見え方の満足度を比較すると、近くが見えにくいという自覚があるが視力矯正を行っていない人では、遠くに比べて近くの見え方の満足度が極めて低く、実に9割の人が「不満」を抱えていた。一方で、遠近両用コンタクトレンズ使用者では、遠くの見え方で54.5%、近くの見え方で49.0%が「満足」と回答しており、矯正により見え方に一定の改善が得られていることがうかがえる。

  • 見え方の満足度

    見え方の満足度

「遠近両用CL」の認知は6割

遠近両用CLについては、全体では「知っている」と答えた人が60.4%にとどまり、約4割はまだ認知していない状況だった。一方、「アイフレイル」を認知している層では67.9%が「知っている」と回答しており、全体よりも7ポイント高い結果となった。アイフレイルの認知が広がることで、遠近両用コンタクトレンズの理解や利用拡大にもつながる可能性が示唆された。

  • 遠近両用コンタクトレンズの認知

    遠近両用コンタクトレンズの認知

目の異常とCLの使用コンプライアンスについて、使い方が原因で発症し、1ヶ月以上通院、または入院した経験の有無を聞いたところ、男女ともに増加傾向が続いており、女性ユーザーで6.1%、男性ユーザーでは14.1%と、男性の方が女性に比べ高い結果となった。この傾向は過去4年間変わらず続いており、背景には使用コンプライアンスの差があると考えられる。

使用コンプライアンスについて聞いたところ、「2枚重ねで装用」、「レンズの貸し借り」、「専用洗浄剤ではないものでの洗浄」、「水道水での洗浄」、「水道水での保存」の5項目で、男性ユーザーが女性ユーザーを大きく上回った。男性は不適切な使用が顕著だが、女性においてもほぼすべての項目で前年より上昇しており、全体としてコンプライアンスの低下が見られる。

  • 目の異常(重症)有無

    目の異常(重症)有無

  • 使用コンプライアンス実態

    使用コンプライアンス実態

「目に対する不安の有無」を尋ねたところ、「不安を感じている」と答えた人は35%と、全体の3割を超える結果となった。理由としては「視力の低下を感じたから」(46.2%)が最も多く、続いて「スマホやPCの長時間使用で目が心配だから」が43.3%だった。特に10代と35歳以上にこの2つの不安傾向が強くでた。

一方で、CL購入時に眼科を受診しない理由を年代別にみると、30歳以上で「目に不具合や不都合を感じていないから」という回答が高くなっている。漠然とした不安は加齢とともに増えるものの、不具合を感じていないことから受診の優先度が下がっていると推測される。

  • 目に対する不安

    目に対する不安

  • 購入時の眼科非受診理由

    購入時の眼科非受診理由