1995年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第19作『超力戦隊オーレンジャー』の放送開始30周年を記念し、2025年8月3日、東京・一ツ橋ホールにて「『超力戦隊オーレンジャー』放送開始30周年記念! オレたち、永遠のオーレンジャー!」が開催された。ステージにはオーレンジャーを演じた5人の俳優が結集を果たし、長い年月を経て大人に成長したファンの声援に、昔と変わらない輝かしい笑顔で応えた。

  • 左から、合田雅史、麻生あゆみ、宍戸マサル、さとう珠緒、正岡邦夫

『超力戦隊オーレンジャー』は、U・A(国際空軍)の三浦参謀長が長年研究していた、6億年前の超古代文明が遺した神秘のエネルギー「超力」で戦う5人の戦士の活躍を描く物語。彼らは、地球侵略を企む「マシン帝国バラノイア」が送り込む邪悪なマシン獣に対抗するべく、超力モビルや巨大ロボット・オーレンジャーロボを操縦する。

満席の一ツ橋ホールが静まり返る中、暗闇から「30年の時を超えて、いま俺たちが帰ってきた!」というオーレッド/星野吾郎隊長の力強い声が響き、やがてゆっくりと幕が上がっていった。ステージに並んでいるのは、オーレンジャーの隊員服に身を包んだ5人(宍戸マサル、正岡邦夫、合田雅史、麻生あゆみ、さとう珠緒)。その姿を見たファンから、割れんばかりの拍手と歓声が飛んだ。

  • 30年の時を越え、ふたたび5人結集した超力戦隊オーレンジャー

大勢のファンが注目する中、5人は「超力変身」ポーズを取り、両手のパワーブレスを構えた。

  • パワーブレスを構えて「超力変身」!

変身ポーズの直後、5人はそれぞれの「個人名乗り」ポーズ、そして「全員名乗り」ポーズを見事に決めてみせた。

  • オーレッド!

  • オーグリーン!

  • オーブルー!

  • オーイエロー!

  • オーピンク!

  • 超力戦隊オーレンジャー!

  • オーレッド/星野吾郎(ゴロウ)を演じる宍戸マサルさん

  • オーグリーン/四日市昌平(ショウヘイ)を演じる正岡邦夫さん

  • オーブルー/三田裕司(ユウジ)を演じる合田雅史さん

  • オーイエロー/二条樹里(ジュリ)を演じる麻生あゆみさん

  • オーピンク/丸尾桃(モモ)を演じるさとう珠緒さん

トークコーナーではスクリーンに、30年前に宍戸が三浦参謀長役・宮内洋と記念撮影した一枚の写真が映し出された。かつて宮内の主演した『仮面ライダーV3』(1973年)など数々の特撮ヒーローを見て育った宍戸は、宮内との共演について「僕らの子どものころのヒーローでしたから、宮内さんがいらっしゃると現場の空気がピリッとひきしまりました」と、当時から緊張していたことを明かした。

  • 宮内洋さんと撮った記念写真を見ながら思い出を話す宍戸さん

これを受けてさとうが「宮内さんにはランチのとき、ピラフをごちそうになりました」と面倒見のよい先輩の思い出を語ると、正岡は「俺はカツカレーをいただきました」、合田は「俺もピラフだった」と、食事をごちそうになった話題へと発展。宍戸も「俺は焼肉だった記憶が……」とその話に乗る場面も見られた。また、撮影のときに誰からも「怒られたことがない」とさとうが打ち明けると、宍戸が「モモが何かやらかすと、俺が怒られるんです。隊長は大変だよ」と、仲間をまとめる「隊長」の辛い立場を苦笑まじりに語った。

  • 合田さんと麻生さん

合田は思い出深いエピソードとして、ユウジ主役編の第15話「友よ 熱く眠れ!!」を挙げ、「ヒーロー(オーブルー)が敵(バラリベンジャー)と握手して一緒に戦おうなんていう話は珍しく、印象に残っている」と語った。そして、バラリベンジャーの声を演じた大塚明夫とは30年の歳月を経て今年、舞台で共演することが決まったことを明かし、ニッコリとほほえんだ。

麻生は「りんどう湖」ロケを行った第17話「強奪 変身ブレス」第18話「父の異常な愛情」を好きなエピソードに挙げ「私(ジュリ)とモモがぐるぐる巻かれたり、吊るされたり」と苦労したシーンと共に、広大なロケ地をめぐった楽しい思い出をふりかえった。

  • さとうさんと正岡さん

正岡は、現在の「東京ドームシティ シアターGロッソ」の前身である「後楽園ゆうえんち野外劇場」のオーレンジャーショー出演時の写真を見つつ「これは当時ファンの方が撮ってくれた写真。みんなで映っているスナップ写真とかはたくさんあるけど、気持ちを込めて演技をしているときの写真って意外と少なくて、これはとても気に入っている一枚です」と懐かしそうに語った。

さとうもショーの思い出として「ショーの最後に子どもたちと握手をする時間があって、そのときのあの子たちのキラキラした目が忘れられません。大事な宝物です」と話し、まぶしい笑顔をのぞかせた。

  • 竹本昇監督登場

ここで『超力戦隊オーレンジャー』でチーフ助監督を務め、春の劇場版以外すべてのエピソードについた竹本昇監督が登壇。「オーレンジャーはアクションがすごいと今でも言われますけど、あれはアクション監督の山岡淳二さんがしばらく『メタルヒーロー』シリーズをやっていて、オーレンジャーで久しぶりに『戦隊』へ戻って、すごく気合が入っていたから」と、いきなりハードアクションの連続となった第1話の裏話を明かした。宍戸はそんな過酷な撮影現場でも「竹本さんがチーフ助監督としていつもそばにいてくれて、安心感があった」と、キャスト・スタッフ間によいチームワークが存在していたことを打ち明けた。

  • キングレンジャー/リキを演じる山口将司さん登場

続いてのゲストは、第26話「6億年少年戦士」から登場した超古代の戦士・キングレンジャー/リキ役の山口将司。当時リキを演じていたころの山口は、みずみずしさに満ちた13歳の少年だった。あれから30年、現在の山口を見た宍戸は「大きくなったねえ」としみじみ語り、優しい笑顔をのぞかせた。山口は撮影当時をふりかえり「撮影を始める前、朝の準備体操を隊長(宍戸)やさとうさんと一緒にやっていたのを思いだします。よく遊んでもらったのもお2人でした」と、宍戸とさとうと過ごした時間の鮮烈な記憶について語った。また「火炎の出るナパーム爆発を駆け抜ける、みたいなシーンがたくさんありました。中学1年生であれだけのナパームを浴びた人はいない」と、スーパー戦隊につきものの「爆発」で非常に苦労したことを打ち明けた。

ナパーム爆発が多かったことについて宍戸は「これだけのナパームじゃ少ないから、俺ちょっと言ってくるって、参謀長(宮内)がスタッフにかけあって爆発を増やすんです(笑)」と、派手な爆発があってこそヒーローのカッコよさが際立つとの信念を持つ宮内の提言により、ナパームの爆発シーンが増えたことを匂わせ、観客の爆笑を誘った。竹本監督も「山岡アクション監督は、あの『科学戦隊ダイナマン』(1983年)を作った人だから、われわれ(助監督)では止められなかった」と、派手な爆発に次ぐ爆発がセールスポイントだった『ダイナマン』と同じノリで『オーレンジャー』の爆発が多くなったことを打ち明けた。

また、山口は撮影時のエピソードとして、第27話「キング颯爽登場」で初めて変身するシーンの直前、バッカスフンドに向って「ドリンには指一本触れさせないぞ!」と叫んで構えるシーンで山口の演技になかなかOKが出ず、32回もNGを出していたことを明かした。そして、現場でカメラを乗せた「移動車」を32回押していた竹本監督に「あのときは、ありがとうございました」と恐縮する場面が見られた。

  • 宮内洋さんの映像メッセージ

やがて、スクリーンには三浦参謀長役・宮内洋の映像メッセージが映し出された。宮内は『秘密戦隊ゴレンジャー』50周年記念イベント開催時の、アオレンジャー/新命明の衣装で画面に映り「オーレンジャー諸君も50周年目指してがんばってもらいたい!」と隊員たちにエールを送り、最後には『快傑ズバット』(1977年)早川健を思わせるキザな投げキッスのサービスまで行った。

そして、『オーレンジャー』でマシン帝国バラノイアの皇子ブルドント、カイザーブルドントの声を演じた関智一からの音声メッセージも届いた。

関は30年前の若手声優時代をふりかえり「あのころのアフレコルームは土間みたいなところで、夏はクーラーが効かず、大きな『氷柱』を持ち込んで、僕ら若手がウチワであおいで先輩たちに冷気を送っていました(笑)」と苦労話を語りつつ「カイザーブルドントは劇中で『地球征服』を実現しているんです。まあ、オーレンジャーに地球を奪還されたのは残念でしたが、悪としては偉業を成し遂げた存在ですよね」と、オーレンジャー不在の半年間「バラノイア帝国」が地球を制圧していた第47話「立て輝け甦れ!!」でのエピソードを回想していた。

続いてステージには歌手の速水けんたろうが登場し、オープニングテーマ「オーレ!オーレンジャー」とエンディングテーマ「緊急発進!!オーレンジャー」を熱く歌いあげるライブコーナーへと突入した。「オーレ!オーレンジャー」のサビ部分では、客席から絶妙なテイミングで何度も「オーレ!」コールが響き、その熱気は速水のテンションを大いに高める役割を担った。

  • 速水けんたろうさん熱唱

速水は「昨日はファミリーコンサートに出演し、歌のおにいさんをやってきました。小さな子どもたちと触れ合った次の日、今日は180度違って『大きなおともだち』がいっぱいですね!」と笑顔で語り、オーレンジャー主題歌を一緒に歌ったかつての子どもたちが30年を経て大人になり、ふたたび自分の歌を聴いて盛り上がってくれることへの感謝と感動を伝えた。

  • オーレンジャーの5人と速水さんが「虹色クリスタルスカイ」を歌う

「緊急発進!!オーレンジャー」歌唱後、速水のもとにオーレンジャーキャストがかけつけ、熱い抱擁や握手を交わしたのち、挿入歌「虹色クリスタルスカイ」をみんなで歌うことに。新番組予告や本編中でインストゥルメンタルが使われ、人気の高い楽曲であるだけに、客席のファンも一緒に大きな声で歌い上げ、会場がひとつになって大盛り上がりを見せた。

  • 「オーレ!」の決めポーズ

イベントの最後に、オーレンジャー5人からファンに向け、ひとことメッセージが寄せられた。

  • 合田さんからのメッセージ

合田は「去年の春、ゴロウ(宍戸)とモモ(さとう)に久しぶりに会い、30周年に何かやろうという話でが膨らんで、このようなイベントへ発展していきました。今日はこれだけ大勢の人たちが来てくださって、一緒に『虹色クリスタルスカイ』を歌ってくれて……初めはこれで最後かなと思っていましたが、またイベントをやりたいです!」と、オーレンジャーを愛するファンのために企画したイベントが盛り上がったことにより、またオーレンジャーとして姿を現したいという意欲に燃えたコメントを残した。

  • さとうさんからのメッセージ

さとうは「もう胸がいっぱいで……。当時はポンコツだったのですが、周りのみんなやスタッフのみなさんのおかげで1年間の撮影を走り切ることができました。今日は奇跡のような瞬間を迎えられました。またいつの日にか、みんな笑顔で会える日を楽しみにしています」と話し、オーレンジャーの大切な仲間たちとの再会と、充実した本イベントのことをかみしめていた。

  • 麻生さんからのメッセージ

麻生は「芸能界をやめてしばらく経つので、体力的にイベントを乗り切れるか心配でしたけれど、みなさんの熱い声援のおかげで無事完走することができました。超力戦隊オーレンジャーのオーイエロー=ジュリを演じたことを、ずっと誇りに思っています!」と元気いっぱいに語り、自分を元気づけてくれた大勢のファンに感謝を示した。

  • 正岡さんからのメッセージ

正岡は「毎年、新しいヒーローが出てきて、もうオーレンジャーのことなんて忘れ去られていると思っていましたが、今日は30年前の作品のイベントにこれだけたくさんの人たちが集まってくださり、ありがたく思っています。今日はみなさんと『ハイタッチ会』ができるのを楽しみにしていました!」と語り、今もなおオーレンジャーのファンでいてくれる人たちとのふれあいの場があることに、心から嬉しそうな表情を浮かべた。

  • 宍戸さんからのメッセージ

宍戸は「このようなイベントが実現できたのも、オーレンジャーをずっとずっと愛してくれたみなさんのおかげです。ほんとうに、ありがとうございます!」と、30年間『超力戦隊オーレンジャー』という作品を大事に思ってきたファンの人たちへの深い感謝の思いを伝え、かけがえのない仲間と久しぶりに濃密な時間を過ごせたことを共に喜んだ。

  • オーレンジャーは永遠です!

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