2024年放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』で主人公の紫式部/まひろ役を好演した女優の吉高由里子が、自身の誕生日である7月22日に書籍『しらふ』(ワニブックス)を発売。「喰」「演」「夢」「恋」など、漢字1文字から繰り広げられる“ひとりごと”計54篇から成り、吉高の頭の中を覗ける一冊に。ニュージーランドで撮り下ろした写真も見どころとなっている。そんな同書について吉高に話を聞いた。
ワニブックスの編集者が、吉高の感性が伝わる本を作りたいと提案したことから動き出した同企画。吉高は「小学生の時に作文だと思って書いたものを『詩になってしまっている』と言われたり、Xの投稿を書籍化したいと言われたことがあったり、受け入れたくないけど書き方が人と違うみたいで。そこを面白いと思ったらしく提案してくれました。書き物を残すというのは自分としてはあまりやりたくないんですけど、長年知っている編集の方だったので、やりますかということに(笑)」とオファーを受けたときの心境を明かす。
書籍のタイトル『しらふ』は担当編集が提案したもので、「一瞬で決まった」という。「素のまんまというテーマに一番近い題名になったかなと思います。しゃべっている時は本当にしらふですけど、挿絵を描いているときはお酒が入っています」と笑った。
漢字1文字をお題にした54篇の文章から成る同書。「その場で漢字1文字が発表されるので、家で考える時間はなく、その1文字について最初に思いついたことから話していきました。誰に向けてというのは考えていなくて、その時に思いついたことからしゃべるという感じでした」と振り返る。
大河ドラマ『光る君へ』で、『源氏物語』の作者・紫式部を演じた吉高。本を作るという意味で紫式部と重なる経験をしたわけだが、「これは人に見て読んでほしいと思って作ってないので」と明確な違いを述べる。
そして、素をさらけ出していることに「『買わないでくれ!』ってプロモーションしたいぐらい(笑)。『お願い買わないで!』って思うぐらい恥ずかしいことになっている」と照れ、「人に伝えるために発信している言葉ではないので、ただ単に私の独り言だったり小言を覗き見しているような感覚で、興味がある人は覗いてみてくださいという感じです」と話した。
2011年にTwitter(現X)を始め、自身の言葉で出演作品のことや日々の出来事などについて発信している吉高。Xの投稿に関して「知りたいから発信しているのかもしれません」と語る。
「14年ぐらい経ちますが、始めたきっかけももう覚えてないぐらい。食べ物の話が多いんですけど、みんなが思いのほかレシピを返してくれたりして。つながりたいからとかではなく、知りたいからという思いが強い気がしますが、リアルタイムで共有できるのは面白いですよね」
X歴は長いがInstagramは開設していない。
「2個ってどうしたらいいのかなって。えこひいきになるのは嫌じゃないですか。Instagramは毎回写真を載せなきゃいけないプレッシャーがありますが、Xは載せたり載せなかったり選べる。プレッシャーが嫌なんです」