マツダおまえもか!新型CX-5に見た激変ポイント

ついにベールを脱いだマツダの新型CX-5。エクステリアデザインは既報のとおり、ずばり「正常進化」させたもので、兄貴分のCX-60やCX-80のデザインエッセンスを取り入れながら、新たな要素を取り込んでいる。

【画像】新型CX-5は、むしろインテリアの進化に期待が膨らむ!?

しかし、インテリアに目を向けると、気になるポイントがある。

公開されたインテリアの写真をよく見ると、インストルメントパネル中央に大型のセンターディスプレイが鎮座し、その周辺にあった物理スイッチが姿を消しているではないか。

はたしてこれがマツダのいう新しいヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の入り口ということなのだろうか。

そもそもマツダはマツダコネクト導入以降、センターディスプレイのサイズに苦心してきた。その最大の理由が前方の視界を妨げないよう、ディスプレイ上端の高さを極力抑える、というこだわりを持っていたから。ゆえにこれまで大型化を試みてもそれは横方向に広げるという手法で、高さ方向の拡大を自ら制限してきた。

この横長の画面、地図画面はお世辞にも大きいとは言えず、ナビ画面で表示される情報文字も小さめで、使い勝手や見やすさに不満の声も聞く。

それが一気に縦方向に広がった。その方策がエアコン系操作スイッチのディスプレイ内への移設にありそうだ。ホーム画面やナビ、オーディオ操作へのアクセスもソフトウェアキー(静電タッチ式か)としてフルフラットディスプレイの画面下部に配置されてるもよう。

センターのエアコン吹き出し部はこれまでよりも位置が下がり、ここにハザードランプと前後のデフロスタースイッチを唯一物理スイッチとして残している。

ディスプレイがこれまでよりも手前に配置されているところにも注目したい。従来、センターディスプレイは視線移動を極力減らすという考え方で奥方向に配置(これも画面を縦方向に拡大できなかった理由の1つと目される)。そうすると、画面のタッチ操作がしづらくなり、また画面のタッチ操作による乗車姿勢の乱れを嫌って、センターコンソールに設けたロータリーコマンダーを含むスイッチでの操作に集約。これを使ってディスプレイには階層に分けられた各機能が表示され、順を追って希望の機能設定にアクセスする仕組みを構築していた。モデルによってはロータリースイッチ上部にタッチパッド機能を備える。

新型CX-5に搭載されるセンターディスプレイはタッチスクリーンを採用することで、指が届くように画面をより手前に配置する必要がある。手が届く位置ならば余計な操作スイッチはいらなくなり、ロータリースイッチの採用が見送られているようだ。

 センターコンソールにはスペース的な余裕が生まれ、別の角度の写真も組み合わせて見てみると、前方から小物入れ、ドリンクホルダー、シフトセレクター(その横にドライブモードスイッチ、電動パーキングスイッチ)、そしてスマホのワイヤレス充電トレイ(らしきスペース)、アームレスト付き収納ボックスが配置されていることがわかる。

これらを総合すると、ほかの自動車ブランドでも大勢を占める大画面ディスプレイ化へのニーズや、コネクティッド化による利便性の向上、統合コックピットによるデジタル化などが反映されていると推測できる。

これまでのCX-5ユーザーをはじめ、マツダ車ユーザーにしてみれば、確かに新たなHMIの導入は今までにない進化ポイントで、期待も膨らむことだろう。

でもこの大画面のタッチ式ディスプレイには気になる点も。デジタルコックピット化を推し進めてきたフォルクスワーゲンでは、静電タッチ式フルスクリーンディスプレイのタッチ操作が不評だったらしく、ゴルフはマイナーチェンジで、エアコンの温度調整やオーディオの音量調節に物理キーが復活している。

実際のところはどのように進化しているのか。マツダからの今後の情報公開を待ちたい。

〈文=ドライバーWeb編集部〉