
三菱自動車(以下、三菱)は2025年7月2日、欧州市場向けの新型コンパクトSUV「グランディス」を、2025年内に欧州で順次販売を開始すると発表した。生産はアライアンスパートナーであるルノーのスペイン、バリャドリード工場にて行われる。
13年ぶりの復活となるグランディスは、2023年に欧州で販売を開始したコンパクトSUV「ASX」やコンパクトハッチバック「コルト」と同じく、ルノーからOEM供給を受ける。ベースとなるのは2024年にルノーから登場した「Symbioz(シンビオズ)」で、前後の意匠などに三菱独自の要素を取り入れる。採用されるプラットフォームはルノー アルカナや日産 ノートと同じ「CMF-B」。マイルドハイブリッド(MHEV)モデルとハイブリッドEV(HEV)モデルをラインアップしている。4410mmの短い全長ながら、広々とした利便性の高い室内空間を実現した。
■三菱らしさを押し出す洗練されたエクステリア
グランディスは、「大きい」「雄大な」を意味するラテン語に由来し、広々とした室内と力強いエクステリアデザインが特徴。フロントフェイスには三菱おなじみの「ダイナミックシールド」を採用し、サテンシルバーのアクセントをあしらった光沢のあるブラックグリルがパフォーマンスの高さ、上質さを演出している。ルーフラインが後方まで流れるようなサイドシルエットはダイナミックさと広い室内空間を両立し、新設計の19インチアルミホイールが大胆かつプレミアムな印象を与える。リヤには、「スカルプチュアル ヘキサゴン」という六角形モチーフのデザインアイデンティティを採用し、力強さとモダンな印象を表現した。
■使い勝手に優れるインテリア
2列5人乗りのシートレイアウトを採用し、使い勝手と積載性にこだわった。後席は最大160mmのスライドが可能で、荷室容量は434Lから、後席を一番前にスライドさせた状態で566L、後席の背もたれを倒すと最大1455Lまで拡大できる。テールゲートはハンズフリー機能付き電動テールゲートを採用し、リヤバンパー下に足をかざすだけで開閉が可能。さらに、グレード別で調光機能付きパノラマガラスルーフも搭載し、全面の透過もしくは調光機能に加え、フロント透過/リヤ調光、フロント調光/リヤ透過といった前後で異なる調光も可能だ。
■2種類のパワートレーンを設定
パワートレーンは、6速MTまたは7速DCTを組み合わせる1.3Lガソリンターボエンジンを搭載するMHEVと、1.8L直4ガソリン自然吸気エンジンにモーターを合わせるHEVを用意。HEVシステムは、リアルタイムで走行状況を解析し、パワートレーンの状態や電力使用量に応じてエンジンとモーターの最適な動力配分を自動で制御する。走行モードはモーターの力のみで走るEVモード、モーターとエンジンの出力を生かしたハイブリッドモード、減速時に回生ブレーキによって減速エネルギーを回収して電力変換し、駆動用バッテリーに蓄電する回生モードの3つが用意され、走行状況に応じて最適な走行モードが自動で選択される。
さらにドライバーが任意で選択可能な「Eセーブ」モードを搭載。駆動用バッテリーの残量を40%以上に維持することで、EV走行をしたい場面や登坂路などのモーターによるエンジンアシストが必要な場面に備えて、電力を確保しておくことができる。
■利便性を高めるコネクティッド機能
縦型の10.4インチスマートフォン連携ディスプレイオーディオを採用し、Google搭載車として先進的なコネクティッドサービスを提供。Google アシスタントによる音声操作やGoogle マップ、スマートフォンのように音楽やゲーム、ビデオストリーミングなどの100以上のアプリが使えるGoogle Playが利用できる。スマホと連携したい場合はApple CarPlayやAndroid Autoがワイヤレスで接続可能。さらに「Mitsubishi Motors」アプリで、スマートフォンから駐車位置の確認ができるカーファインダーや遠隔で車両を操作できるデジタルキーなどでコネクティッド機能を強化し、日常の利便性を向上させた。
■最新の安全機能を搭載
超音波センサーやカメラ、前方レーダーにより車両周辺の状況をモニタリングし、衝突被害軽減ブレーキシステムや車線逸脱警報システムはもちろん、高速道路同一車線運転支援機能(マイパイロット)など、ドライバーの運転をサポートする機能が充実している。
〈文=ドライバーWeb編集部〉