――ドラマのタイトル『ロンダリング』には“洗濯”や“洗浄”などの意味があります。菅井さんが今、ロンダリングしたいことは?

“自分のイメージ”かな。みなさんが私に持ってくださってるイメージをどんどん壊して、新しい姿を見せていけるといいなと思ってます。バラエティ番組とかに出るとき、私のキャラクターを“お嬢様”とご紹介いただくことが多いんですね。それがみなさんに覚えていただけるきっかけにもなっているし、とてもありがたいんですけれど、自分ではお嬢様だと思っていなくて…。

――ジレンマがある?

そうですね。お嬢様だとちょっとツッコみづらいとか思わせちゃうんじゃないかなと心配になったり…。本当はそうじゃないし、「どんどんイジっていただいていいんです!」ってことを分かっていただきたいなと(笑)。お嬢様ではない私の“じゃじゃ馬”な部分を、いろんな場所でちょっとずつ出していけたらいいなって思っています。

誰かの明日を変えられるような役者になりたい

――『ロンダリング』の夏凜もそうですが、昨年の映画『女神降臨』ではヒロインを陥れる意地悪なヒール役、ドラマ『チェイサーゲームW』シリーズではドロドロ愛憎劇を演じたりと、お嬢様とはまったくイメージの違うチャレンジングな役が続きますね。

そういう役に出会えることが、すごくうれしいんです。普段の自分だったら、なかなか選ばない言葉とか行動を演じるのが楽しくて。夏凜の「ちっ!」って舌打ちしちゃうようなやさぐれた行動も、やってみるとすごく気持ちよかったりもしますし(笑)。「こんな自分もあったんだ!」って驚いたり、新鮮に思ったりするのは本当に刺激になるので、そんな機会をもっともっと頂けるように、これからも一作品一作品を大事に、120%の力で挑んでいきたいなと思いますね。

――来年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』での前田利家の正室・まつ役も楽しみです。

ありがとうございます! まつを演じるにあたっては、ひとりの女性として共感できる部分がたくさんあります。もちろん共感だけではまったく及ばない部分も時代劇なのでたくさんあって…。たくさん勉強して、しっかり準備をして撮影に臨みたいと思っています。

――“こんな役者になりたい”という未来像はありますか?

私自身、ドラマや映画を観るのが好きで、自分の人生を重ねて元気になったり、涙したりした経験に支えられて生きてきたんです。そんなふうに、いろんな人の人生に寄り添えたり、背中を押すことができたりするのが役者の仕事で素敵なところだと思うんです。このお仕事をさせていただいているからには、誰かの明日を生きる力になれるような、誰かの明日を変えられるような役者になりたいですね。これまでの人生で私が経験した楽しいことも、挫折や悲しいこともすべて力に変えられるような表現を目指してがんばっていきたいです!

●菅井友香
1995年11月29日生まれ、東京都出身。2015年、欅坂46(現・櫻坂46)のオーディションに合格し、1期生として加入。17年1月より初代キャプテンを務め、22年11月に同グループを卒業。俳優業を中心に活動の幅を広げる。出演作は、映画『怪獣ヤロウ!』、『女神降臨』、テレビドラマ『チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ』、『チェイサーゲームW2 美しき天女たち』(テレビ東京)、『ビジネス婚-好きになったら離婚します』(MBS)など。26年大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)への出演も控える。『競馬BEAT』(カンテレ)、『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京)でMCを務めるなどバラエティ番組でも活躍中。