徳島県徳島市の阿波おどり会館で6月24日、協賛企業を集めた記者発表会が開催された。市内で8月に開催する「2025阿波おどり」で演舞場のネーミングライツ・パートナーを務めるのは7社。電脳交通と共に新町橋演舞場を運営するUber Japanの村上浩氏は「阿波おどりを通じて日本の伝統文化を世界に発信するとともに、移動の足としてUber Taxiを利用いただくことで地域経済・観光振興を支援していけたら」と意気込む。
阿波おどりを盛り上げる
400年を超える長い歴史のある、徳島の阿波おどり。今年は8月11日から15日まで開催予定で、国内外から100万人を超える観光客が訪れることが見込まれている。
2025阿波おどりでは、7つのネーミングライツ権が用意された。協賛企業名と演舞場の名称は、以下の通り。
Sansanが協賛する「Sansan藍場浜演舞場」、阿波銀行が協賛する「あわぎん南内町演舞場」、バルが協賛する「紺屋町 株式会社バル演舞場」、ローソンが協賛する「ローソンでハピろー! 両国本町演舞場」、Uber Japanおよび電脳交通が協賛する「新町橋 Uber|電脳交通 演舞場」、レッドブルが協賛する「レッドブル 新町橋東おどり広場 & レッドブル 両国橋南おどり広場」。
記者発表会の冒頭、主催者である阿波おどり未来へつなぐ実行委員会から庄野浩司委員長が挨拶。「私たちは阿波おどりの文化を大切に維持しながら、発展させていきたいと考えています」と話す。
「これまで長い歴史を紡いできた阿波おどりですが、まだ無形文化財にはなっていません。これは、まだまだ発展する余地がある、ということだと思っております。今後、新しい踊りもどんどん生まれて良いと思いますし、運営の仕組みも新しくしていきたい。スタッフ一同、これからも頑張っていきます」と庄野氏。
続いて、各協賛企業の代表者が挨拶。Sansanの小池亮介氏は、徳島県神山町に2010年よりサテライトオフィス神山ラボを構えて以来、地元との交流が続いていると紹介する。「2021年には神山まるごと高専の開校に向けた支援を開始し、2023年には徳島大学初のAIベンチャーである言語理解研究所をグループに迎え入れました。徳島は画像解析におけるAIに秀でた研究者がたくさんおります。名刺、請求書を画像認識してデータ化するサービスを提供している当社としても、このパートナーシップに期待しています」と小池氏。
そのうえで「阿波おどりは、地域の人、企業、そして県外の人々を繋ぐ大きな可能性を秘めています。この阿波おどりの熱気で、社会、ビジネスなど様々なものを元気にしていきたい」と話した。
阿波銀行の橋本勝彦氏は、様々な活動を通じて地元徳島の活性化、豊かな地域社会の実現を目指してきた同行のこれまでの取り組みを紹介。その一環としてネーミングライツの取得に至りました、と話す。「伝統行事である阿波おどりには、阿波銀連として1951年から70年以上も参加しております。今年も2日間、総勢150名で参加予定です。単なる広告宣伝目的ではなく、行員の1人ひとりに地域との結びつきを実感し、地元で働くことに誇りを感じてもらえるきっかけになると考えております」(橋本氏)。
1日貸駐車場「デイパーク」や、時間貸駐車場「ミニッツパーク24h」などを運営しているバルは、徳島県徳島市紺屋町で1984年に設立した、今年で41年となる地元企業。同社の中田一生社長は「創業から今日まで、ずっと徳島市に本社を構えてきました。当たり前のことですが、駐車場ってその地域が活性化してなんぼの世界。徳島が盛り上がらないと意味がありません。当社としても徳島を盛り上げたい一心で、阿波おどりをはじめ地元の皆さんが大切にしているイベントや団体を応援しています。地域への恩返しという意味でも、阿波おどりという伝統文化を守り、次世代につないでいきたいと考えております」と語った。
ローソン 中四国カンパニーの文本優子氏は「当社の企業理念は"私たちはみんなと暮らすマチを幸せにします。"です。私たちも徳島の代表として、皆さんと暮らす徳島を盛り上げていきたいと願っています」と話す。ローソン創業50周年にあたる今年。ローソンでハピろー! 両国本町演舞場では、コーポレートカラーにちなんだ青白のちょうちんを用意し、マチのハッピー大作戦のエアバルーンを飾り、すだちポン酢(徳島県産すだち)を使用したからあげクンなども発売する。またローソン連として、通算4回目となる阿波おどりに参加。過去最大規模の約200名の大所帯で踊りを披露するという。
Uber Japanの村上浩氏は「徳島に本社を構える電脳交通様とは、2025年2月より提携がスタートしました。Uber Taxiについては47都道府県・約2万台のタクシーが利用するDSを介して、Uberアプリから送客が可能になっています」とアピールする。
そのうえで「阿波おどりは、国内外から数多くの観光客が訪れるイベントです。またUberの強みのひとつは、海外での認知度の高さにあります。2025阿波おどりでは、海外から観光でいらっしゃったお客様が、日々慣れ親しんだUberアプリを用いて移動いただくことが可能になる、そんな機会を提供できると考えております。世界中から観光客が集まるこの機会に、日本の伝統を発信し、また移動の足としてUberタクシーをご利用いただくことで地域交通の支援・観光振興、そして地域経済の活性化に貢献したいと考えております」とした。
電脳交通の北島昇氏は「創業者の近藤洋祐の祖父は、ここ徳島で吉野川タクシーを経営していました。祖父の残した僅か9台のタクシーを引き継ぎ、自身もドライバーとして働きながら経営再建を目指した近藤は、10年前に地域交通の課題解決を掲げて電脳交通を立ち上げます。そんな生まれも育ちも徳島の私たちが、地域への感謝という思いから阿波おどりの演舞場のネーミングライツを取得することになりました。交通領域において、ささやかながらお力添えできれば。生活者の皆さまの足、観光のお客様の足、ビジネス利用の方々の足として、皆さんの移動体験をより良いものにすることで、徳島の町の価値を上げ、より住みやすく、何度でも訪れたくなる場所にしていくことに少しでも貢献できたらという思いでおります」と力を込めた。2025阿波おどり開催までに、徳島市内のタクシー車両の60%でUberアプリが利用可能な状態にするという。