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プロ野球の世界では、環境の変化によって苦しんでいた選手が復活、覚醒した例も少なくない。野村克也監督が選手を復活させた際には、「野村再生工場」という言葉が使われた。他にも、投手力に強みを持つ阪神タイガースでは、数々の選手が復活、覚醒を果たしてきた。今回は、阪神に移籍したことで成績を大きく飛躍させた投手を紹介する。
大竹耕太郎
投打:左投左打
身長/体重:184cm/86kg
生年月日:1995年6月29日
ドラフト:2017年育成選手ドラフト4位
現在は阪神タイガースの先発ローテーションに欠かせない存在となっている大竹耕太郎。阪神移籍後に成績を伸ばした選手の一人だ。
早稲田大時代はエースとして躍動し、2017年ドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスから育成4巡目指名を受け入団。
ルーキーイヤーに支配下登録を勝ち取り、一軍初先発、初勝利を記録。同年は11試合に登板し3勝2敗、防御率3.88の成績を残した。
翌2019年には5勝をマークしたが、その後は一軍で目立った成績を残せないシーズンが続くと、2022年オフに行われた現役ドラフトで阪神への移籍が決まった。
移籍1年目となる2023年は開幕からローテーションを守り抜き、21試合の先発登板で12勝2敗、防御率2.26と自己最高の成績をマーク。チームのリーグ優勝、日本一にも貢献する飛躍の年となった。
昨季もローテーションを守り、自身初の規定投球回に到達。24試合の登板で11勝7敗、防御率2.80の好成績を収め、2年連続の2桁勝利をマークした。
今季は身体の張りで開幕には出遅れたものの、5月に戦線復帰。ここまで防御率2点台と先発投手として役割を果たしており、2年ぶりの優勝へ欠かせないピースとなっている。
ジェイソン・スタンリッジ
投打:右投右打
身長/体重:191cm/110kg
生年月日:1978年11月9日
NPBで計3球団に在籍し、通算75勝を挙げたジェイソン・スタンリッジ。福岡ソフトバンクホークスで一定の活躍を見せたが、阪神タイガースでも存在感を発揮した。
MLBドラフト1巡目でタンパベイ・デビルレイズ(現:レイズ)に入団。その後、複数のメジャー球団を渡り歩き、2007年途中にソフトバンクの一員となった。
同年はシーズン途中加入ながら7勝を記録する活躍を見せたが、翌2008年は打ち込まれるケースが目立ち、同年限りで戦力外通告を受けた。
その後はマイナーリーグでのプレーを経て2010年に阪神に入団すると、同年は23試合の登板で11勝5敗、防御率3.49の好成績を収め、自身初となる2桁勝利を達成した。
翌年以降も先発ローテーションを守り抜き、3年連続で防御率2点台と安定したピッチングを披露。
2014年からは古巣ソフトバンクに復帰し、2年連続で2桁勝利をマーク。2016年から千葉ロッテマリーンズでプレーし、2018年に引退を表明した。
加治屋蓮
投打:右投右打
身長/体重:185cm/90kg
生年月日:1991年11月25日
ドラフト:2013年ドラフト1位
戦略外通告を受けながらも阪神タイガースで再び輝きを放った加治屋蓮。3球団目となる東北楽天ゴールデンイーグルスでも躍動している。
JR九州から2013年ドラフト1位で福岡ソフトバンクホークスへ入団。入団後数年間はプロの壁に阻まれたが、プロ5年目の2018年に大ブレイク。
同年は72試合に登板し4勝3敗、31ホールド、防御率3.38の好成績をマーク。しかし、翌年は30試合登板で防御率6.00に終わると、翌年以降は出場機会が減少。
2020年に戦力外通告を受け、阪神が獲得を発表。移籍1年目は不本意な成績で終わったが、2023年は51試合の登板で防御率2.56の好成績を収め、リーグ優勝、日本一に貢献。
しかし、昨季は13試合の登板で防御率4.50の成績に終わり、オフに2度目の戦力外通告。2025年からは楽天の一員としてプレーすることを決断した。
新天地で迎えた今季は、徐々に調子を上げ、移籍後初セーブも記録。楽天リリーフ陣の中で存在感を示している。
桑原謙太朗
投打:右投右打
身長/体重:184cm/86kg
生年月日:1985年10月29日
ドラフト:2007年大学生・社会人ドラフト3巡目
オリックス・バファローズでは後がない状況となっていた桑原謙太朗。阪神タイガース移籍を機に大きな飛躍を遂げた。
奈良産業大から2007年ドラフト3巡目で横浜ベイスターズに入団。ルーキーイヤーから先発、リリーフの両方でフル回転し、30試合に登板。
翌年は11試合の登板ながら防御率1.76を記録し飛躍を予感させたが、2010年は防御率6.12と不振に。同年11月にトレードでオリックス・バファローズへ移籍した。
しかし、オリックス移籍後も一軍で結果を残せず。4シーズンで通算22試合の登板にとどまると、2014年に白仁田寛和とのトレードで阪神へ移籍した。
阪神移籍3年目となった2017年、キャリアハイを大幅に更新する67試合に登板し、39ホールド、防御率1.51という好成績を記録。最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。
翌2018年も62試合の登板で32ホールド、防御率2.68と安定した成績を残したが、2019年以降は故障に苦しみ、2021年限りでユニフォームを脱いだ。
ロベルト・スアレス
投打:右投右打
身長/体重:188cm/95kg
生年月日:1991年3月1日
阪神タイガースの絶対的守護神として君臨し、チームに大きく貢献した助っ人選手がロベルト・スアレスだ。
メキシカンリーグで好成績を収めていたスアレスは、2016年に福岡ソフトバンクホークスに加入。入団1年目から58試合に登板し、2勝6敗、26ホールド、防御率3.19の成績を残した。
しかし、2017年にトミー・ジョン手術を受け、シーズンを全休。2018年に復帰を果たしたが、精彩を欠く投球が続き2019年オフに戦力外通告を受けた。
2020年から阪神に入団。シーズン途中から抑えを任されると、豪速球を武器にセーブを量産。51試合登板、25セーブ、防御率2.24の好成績を収め、同年のセーブ王に輝いた。
翌2021年も62試合登板、42セーブ、防御率1.16と圧巻のピッチングを披露。2年連続のセーブ王を獲得した右腕は、翌年からメジャーリーグのサンディエゴ・パドレスへ移籍した。
2024年にはクローザーとして起用され、65試合登板で9勝、36セーブ、防御率2.77の好成績を残すなど日米で一流クローザーとして名を馳せている。
加藤康介
投打:左投左打
身長/体重:182cm/85kg
生年月日:1978年7月2日
ドラフト:2000年ドラフト2位
阪神タイガースが4球団目のチームとなった加藤康介も、阪神在籍時に驚異的な活躍を見せた一人だ。
清水商業高から日本大に進学し、2000年ドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団。ルーキーイヤーは34試合に登板、防御率は4点台だったが、9勝をマークした。
翌年にも32 試合の登板で11勝を挙げたが、2003年からは持病、故障に苦しみ一軍では結果を残せず。2007年に金銭トレードでオリックス・バファローズへ移籍。
オリックスで2シーズンを過ごしたのち、2009年から横浜ベイスターズに移籍。2010年に戦力外通告を受け、翌年から阪神に加入した。
阪神での2年目を迎えた2012年、41試合の登板で防御率0.83という驚異的な成績を残すと、翌2013年には自己最多の61試合登板、防御率1.97と安定した投球を披露。
2014年以降は故障に苦しみ、2015年に自身3度目の戦力外通告を受けた。その後は独立リーグでのプレーを経て、2017年限りで現役引退を表明した。
【了】