現在放送中の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で柳井家の女中・宇戸しん(おしん)を演じている瞳水ひまりにインタビュー。地元・高知を舞台にした本作で朝ドラ初出演を果たした喜びを聞いた。

  • 瞳水ひまり

    瞳水ひまり 撮影:蔦野裕

112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛けている。

――柳井家を献身的に支える“おしん”こと宇戸しんを演じられていますが、『あんぱん』出演が決まったときの心境をお聞かせください。

最初は「信じられない。現実かな?」という感じでしたが、『あんぱん』のオーディションを受けた時、自分の地元・高知が舞台の作品なので、両親や祖父母に私が活躍している姿をテレビで見てほしいという思いがあったので、両親や祖父母に恩返しができるなと。それがすごくうれしくて、涙があふれて止まらなかったです。

――朝ドラのオーディションを受けたのは初めてでしたか?

初めてです。初めての朝ドラオーディションが、地元・高知が舞台の作品で、自分の中ですごく思いが強かったです。

――朝ドラに抱いていた思いを教えてください。

同じく高知が舞台の『らんまん』を見ていた時から、朝ドラに対する思いがすごく強くなりました。(高知出身の植物学者・牧野富太郎さんを主人公のモデルにした『らんまん』で)高知にはこんなにも素晴らしい人がいるんだと。もともと存在は知っていましたが詳しく知らなかったので、植物の名前の話とか、今自分たちが当たり前にある生活は昔の人たちのおかげなんだと知れる朝ドラは、ものすごく意味のある作品だと感じ、自分もその一員になりたいと強く思うようになりました。

好きな土佐弁は「たっすい」「たまるかー!」

――宇戸しんは高知の女性ということで土佐弁ですが、瞳水さんは上京されている今も土佐弁を使うことはありますか?

家族や高知の友達と話す時は、今でもバリバリ土佐弁で話しています。

――となると、土佐弁で苦労することはなかったですか?

標準語でお芝居するよりも、言葉の細かいニュアンスがわかるので、演じやすかったです。でも、たまに標準語のイントネーションになってしまう時があって、共演者の皆さんに「東京寄りじゃない?」「高知捨てたの?」といじられることがありました(笑)

――好きな土佐弁を教えてください。

「たっすい」とか。あと、『あんぱん』を通して「たまるかー!」が好きになりました。

  • 瞳水ひまり

――「たまるかー!」は普段から使いますか?

私も使いますが、祖父母だったり年配の方がすごく使う印象があります。今で言う「マジ!?」みたいな感じで、驚いたり喜んだり、いろんなことに使えます。

――「たっすい」はどういう時に使っていますか?

高知ではビールのフレーズで「たっすいがは、いかん!」というのがあるんですけど、パンチが効いていないのはダメだよねって。そういう風に「へなちょこ」「情けない」という意味で、「たっすいねー」「たっすいがはいかんで」と使います。両親から、しっかりしなさいみたいな感じでよく言われていました。