
『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。1989年BMW 320iコンバーチブルの異音に悩まされていたグレンだが、原因が究明できたようだ。
【画像】バックランプの不具合は正規品の電球に交換して(1個たったの2ポンド)修理完了(写真3点)
妻の誕生日の前夜、テンプルトン・ガレージからBMWを引き取ってきた。素晴らしい天候に恵まれ、週末の準備は万端。サフォークの海岸までクロスカントリーに出かける予定だ。行き先はオールドバラで、フィッシュアンドチップスやアイスクリームを楽しみながら、太陽の下でビーチを散策する、というプランだ。私が住む海のないノーサンプトンシャーからは、往復220マイルの道のりだ。前半は二車線道路を楽々と走り、バリー・セント・エドマンズを過ぎて曲がりくねった起伏の多いA1120に入り、フラムリンガムを経由する。そこを過ぎると風景が少し平坦になり、空気に海の匂いが混じり始める。
出発時、ギアレバー近くのトレイに駐車場のチケットがあるのに気づいた。それは昨年の夏の終わりに同じビーチへ行ったときのもので、それ以来、このBMWで遠出をしていない。冬の間もBMWのエンジンを時々かけてはいた。しかし、昨年夏の旅の途中、以前から気になっていたノイズが、無視できないほど大きくなっていることに気づいたのだ。それもかなりの騒音状態だった。
運転中はどこから音がしているのかわからなかったので、原因を特定するのは難しかった。でもこの音は、エンジン回転数ではなく、走行速度に比例してピッチが上下するタイプのものだった。E30は、もともとトランスミッション周りでうなり声やヒスノイズが少々出ることがあるが、これは明らかに普通ではなかった。デフに問題があるのだろうか、とも思った。
今回の旅では、ありがたいことにずっと静かだった。というより、静かな状態に驚く自分がいて、自分がどれほどあの異音に慣れてしまっていたのかを思い知らされた。
冬の車検は特に問題もなく無事に通過した。幸いにも、事前にすべてのランプ類をチェックしていて、バックランプが1つ点かないことに気づいていた。でも、これは簡単に直せたし(トランクから手を伸ばせばランプユニットは簡単に着脱できる)、しかも正規品の電球でも1個たったの2ポンドで、いつもの業者ですぐに手に入った。
ただ、そのとき解決できなかったことがひとつだけあった。それがあの異音だったのだ。しかし、スチュアート・テンプルトンが原因をその突き止めてくれていた。運転席側のリアホイールのベアリングだった。部品を注文後、修理のために再び引き取られていったのだ。それが我が家に戻ってきて、今回の週末旅行に出かけたという次第。
フィッシュアンドチップスとアイスクリームを頬張りながら、ふと気づいた。ドライブそのものが私たちの日常の大いなる一部である、ということに。ルーフを開けて走ると、景色の中に自分も溶け込んでいくような感覚になり、音や匂いも一緒に楽しめる。そしてこのBMWは、長距離でもとても穏やかで快適だ。助手席には心地よさを、運転席には楽しさを与えてくれる。そう、BMWライフをもっと満喫するべきだ。さて、さっそく次の旅の計画を練らなくては。
文:Glen Waddington