キリンホールディングスはこのほど、「フレイル」と「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞 以下pDC)活性」に関係性があることを世界で初めて確認。6月13日~15日に開催される「日本抗加齢医学会総会」にて、当研究成果を発表するという。

フレイルとは、活動的な生活(健常)と要介護状態の間に位置する状態を指し、この段階では、身体の予備能力が低下しており、些細なきっかけで体力が大きく損なわれ、要介護状態に移行するリスクが高くなると言われている。

近年、インフルエンザなどのウイルス感染症に罹りやすく重症化につながるなど、フレイルと免疫の関連性が注目されているが、このほど、老化やフレイルの研究に長年取り組んでいる国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターと、免疫領域での研究を35年以上続けてきたキリンとの共同研究によって、世界で初めて「フレイル」と「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞 以下pDC)活性」に関係性があることが確認された。

研究ではまず、2023年9月に大規模コホート研究NCGG-SGSに参加している65歳以上の高齢者141名を対象に特定健診を実施。国立長寿研がフレイル診断を実施し、キリンが血液中のpDC活性に関するデータを測定した。なお、pDC活性については、全被験者の中央値である2.78%を基準とし、2.78%以下の人をpDC活性が低値の人、2.78%より多い人をpDC活性が高値の人とした。

その結果、健常な高齢者と比べたときに、プレフレイルの方では、pDC活性が高値であるオッズ比が約半分(0.52)(p < 0.1)、フレイルの方では、pDC活性が高値であるオッズ比が約1/5(0.21)(p < 0.05)に。

フレイルの人では、健常な高齢者に比べてpDC活性が低いことが、世界で初めて明らかとなり、このことから、フレイルの方は免疫機能をケアすることが重要である可能性があると言える結果となった。