アイドルグループ・乃木坂46の五百城茉央が主演するドラマ『MADDER その事件、ワタシが犯人です』(カンテレ・フジテレビ)の最終話が、12日に放送。SNSでは、絶賛と混乱の声が上がった。
依原(五百城茉央)は、茜(水野響心)のノートを使い、茜の犯罪を追体験したことを明かす。それは創立以来初となる入試全教科満点で超エリート校の清爛学園に入学し、黒川(山村隆太)に心酔して学園内で次々と小さな事件を起こした挙げ句、身元不明だった殺人事件の被害者を黒川の元恋人だと突きとめたこと。さらに、黒川が容疑者として逮捕された6年前の連続殺人事件で、最初の被害者・浦田遼子(佐藤みゆき)を殺したのは自分だと自供する。
母親に女手ひとつで育てられた依原は「勉強して、まっとうな人になってほしい」という母の願いどおり、小学生のころから清爛を目指して勉強一筋。しかし、いつしか自分より学力が低い人を見下したり、清爛合格後も、決して恵まれているとはいえない自身の家庭環境を卑下して、パート勤めの母親を学校から遠ざけたりするようになった。
それは、清爛という特殊な環境で生き残るための彼女なりの武装だったが、母はそんな娘の変貌ぶりに激しく落胆。親子は言い争いになり、依原は意図せず母を階段から突き落として死なせてしまったという。そして翌朝、母の遺体は公園で左腕が切断された状態で見つかり…。
X(Twitter)では、ついに最終回を迎え、「これは面白すぎた。マジ深夜帯のクオリティじゃない」といった絶賛の声と「全話見てたのに内容まだ理解できないけど良かった」といった混乱の声で真っ二つに。ただ共通しているのは、双方とも「面白かった」というコメントが多数派を占めたことだ。
昨今はSNSの発達で一般のドラママニアたちが批評や考察、時には強い批判で炎上することもあり(主にコンプライアンスだが)、攻めた構成や展開の作品が減少。ある意味、無難という枠の中での面白さを追求するドラマが多数を占めていたが、本作は、映像作品での叙述トリック、視聴者を騙してやろうという意気込みなど、最後まで攻めに攻めた上にラストでうまく回収した。結果、「理解が追いつかない」などのコメントもある。
しかし、視聴者の「面白かった」の声から見るに“あらゆる意味で良質なドラマ”の制作を基本とするカンテレの面目躍如となった感が強い。
さらに、ドラマ初主演となる五百城の演技に「初主演と思えない」「演技がうますぎる」とファン以外のコメントもあり、今後も楽しみ。ちなみに「MADDER」とは、五百城が演じたキャラの一人、「アカネ」を意味する。「アカネ」とは赤い根を持つハーブで、伝統的な医学に用いられたり、工芸品や衣料の染料にも使われたりと、文化や芸術において高い価値が認められるものだ。
ドラマ界に“今の時代でも攻めた作品を作れる”という野心も感じられた『MADDER その事件、ワタシが犯人です』。これまでのストーリーは、FODで配信されている。
(C)カンテレ