野村総合研究所は6月9日、決済・ポイント実態調査の結果を発表した。調査は2024年9月~11月、全国の18~79歳の男女8,000人を対象に「訪問留置方式」で行われた。
クレジットカード・コード決済・電子マネーの利用実態は?
クレジットカードは接触型で約7割、非接触型で約5割の人が利用。「QUICPay」や「iD」等の非接触・非クレカ型決済の利用率は、2割前後にとどまる。
日常的に利用している人の割合は、「楽天カード」(21%)が群を抜いて高い。
コード決済は全体の約半数に利用されており、4人に1人は日常的に利用している。
コード決済において利用率が顕著に高いのは「PayPay」であり、約半数が利用している。
電子マネーは、カード型・モバイル型問わず、全体の半数弱に利用されている。
各種決済サービスの申込理由としては、無料や特典、ポイントといった経済的利得に加えて、スマートフォンアプリの利便性を重視する消費者が多い。
90%超の人が、決済サービスに申し込まない理由として「現金や他の決済手段で満足しているから」と回答している。
決済方法を使い分ける理由
消費者は決済自体のスムーズさや、付与されるポイントの利便性・還元率によって、利用する決済サービスを使い分ける傾向がある。
現金の支払いは、迅速性や管理容易性が、その利用の主な理由として挙げられている。
ポイントやマイルをためる・つかう頻度は?
日常的に利用されやすい店舗・サービスでは、毎回ポイントをためる・つかう人の割合が多い。
各主要共通ポイントは、日本の生活者の約半数から、会員であると認識されている。但し、日常的に利用している人の規模には、12%~27%といった差が生じている。
訪問留置式と異なり、WEBアンケートではより多くの人が、それぞれのポイントを「(日常的に・たまに)利用している」と回答している。
会員規模(マインドアクティブユーザー比率)が大きいほど、より積極的な利用意向者の比率(マインドロイヤルユーザー比率)は高い傾向にある。
過半数の人がポイントを積極的に利用し、店舗・商品選択時にも影響を受けている。「5%程度のプレミアが付くならば現金よりポイントを選ぶ」という人も、43%存在している。
各種店舗・サービス利用者の20%~38%は、周囲にポイントがたまる店舗・サービスがあれば切り替えると回答。
マルチポイント対応店では、約70%の人がいつもメインでつかっているポイントを選ぶ。一方で20%弱の人は、還元率・額の高いポイントを選んでいる。
「なんらかのポイ活を行っている」は半数
約半数の人が、なんらかのポイ活を行っている。最も多くの人にほぼ毎日行われているポイ活は、散歩・移動(9%)である。
ほとんどの人は、ポイントやマイルを店頭やオンラインサービスでの支払いに使っている。ポイント投資や金融商品への交換に使っている人は、10%に満たない。
40%前後の人は、「ポイントがたまった(を獲得した)」「失効期限が近づいた」タイミングで、その使用を意識。残高や有効期限に関する事業者からの案内で意識する人も、10%以上いる。
ポイントの利便性・使いみちや還元率・額、取り扱っている店の数・種類に関するものが、主な入会理由の上位となっている。
休眠・退会の主な理由は、利用機会の少なさや利便性の低さ、そしてその結果とも言える失効である。
ポイントカード利用者の過半数には、カード廃止・アプリのみ利用可能となった場合でも、アプリへと移行してサービス利用を継続する意向がある。
日本の生活者の85%はキャッシュレス利用者であり、その60%以上はポイントやマイルを積極的にためて、つかっている。
主要な共通ポイントの加盟店では、そのポイント会員の44%~61%の人が、同じポイントがたまる決済手段を選ぶ。
主要な共通ポイント・キャッシュレス経済圏のメインユーザー規模
ポイントとしてのメインユーザーが多いほど、決済手段としてのメインユーザーも多い傾向にある。また、両方をメインのポイント・決済手段として利用する人の規模も多くなる。