「人を羨ましがるのをやめたい…」このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。人を羨ましがる気持ちは何かを頑張るバネになることもある一方で、自己肯定感が下がり、毎日が苦しくなってしまうことも。
この記事では、人を羨ましがる心理とその対処法、自分自身に意識を向けるためのヒントを紹介します。
羨ましいと思ってしまうのはどんな相手?
まずは、どんな人を羨ましいと感じやすいのかを振り返ってみましょう。
経済的に余裕がある
高級な車、ブランド品、頻繁な海外旅行…。こうしたライフスタイルは、経済力の象徴として多くの人が憧れを抱きます。自分の収入や生活水準に不満があると、豊かな暮らしを送っている人を見るたびに、自分の生活との違いを感じて落ち込みがちです。
経済的な余裕は精神面の余裕にもつながるので、経済力が乏しい人ほど裕福な人に対して「羨ましい」と思う気持ちがあふれてきてしまうのでしょう。
毎日が充実している
SNSなどで仕事もプライベートも充実している内容の投稿を見かけると、つい羨ましい気持ちになるものです。趣味を楽しんだり、目標に向かって努力していたり、毎日を前向きに過ごしている人はどこかキラキラと輝いて見えます。
日常に刺激がなく退屈な日々を過ごしている人にとって、「自分もそんなふうに生きてみたい」と感じる対象になるのでしょう。
交友関係が広い
人間関係に恵まれている人も、羨望の的になりやすい存在です。多くの人に囲まれ、信頼されている人の姿を見ると、「あの人は周りから求められていて幸せそうなのに、その一方で自分は誰からも求められていない…」と比較して、自己肯定感が下がってしまうことがあります。
容姿が整っている人
外見が美しい人、スタイルがよくセンスもある人は、周囲の視線を集めやすく、自然と羨ましさを感じてしまいますよね。外見はすべてではありませんが、自信を持って堂々と生きる姿に惹かれる人は多いものです。
人を羨ましがってしまう心理・理由
人を羨ましがる心理には、いくつかの共通した背景があります。
自分の生活に満足していない
毎日の生活に楽しさや生きがいを感じていないと、つい他人の充実した様子に目がいき羨ましいと感じやすくなります。SNSなどで友人の結婚報告や昇進報告といったキラキラした側面を見るたびに、心がモヤモヤする…という経験はありませんか?
これは、自分の生活に対する不満の表れともいえます。特に、自分のやりたいことが後回しになっていると、「あの人は自由に生きているな」と感じやすくなるのです。
過去の選択に後悔がある
「もしあのときちがう選択をしていたら…」という後悔の気持ちも、他人への嫉妬の感情を生みやすい要因のひとつです。進学や就職、結婚など、人生の岐路における選択を振り返ったとき、今の自分の状況と他人の成功を比較して落ち込んでしまうことがあります。
特に、自分が選ばなかった道で成功している人を見ると「自分もあちらを選んでいれば」と後悔する気持ちが増して、羨ましいと思う気持ちが大きくなってしまいます。
他人の評価を気にしすぎる
周囲の目に敏感な人は、つねに他人と自分を比べがちです。たとえば、同僚が上司に褒められているのを見て「自分は評価されていない」と落ち込むことも。自分軸で考える習慣がないと、他人の存在に振り回されてしまいます。
比較癖がある
「この人より自分は上か下か」という物差しで人間関係をとらえる人も、「自分より上だ」と感じた人に対して羨ましく思う気持ちを抱きやすいです。常に自分と相手を比較する癖がついていて、「この人に比べたら自分の方が幸せだ」「この人は自分よりもいい生活を送っている」と無意識に決めつけて一喜一憂してしまうのでしょう。
しかし、人生のペースは人それぞれ。誰かの成功と自分の幸せは、そもそも比べる対象ではありません。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低い人は、自分の価値を自分で認められないので他人の成功や幸せがまぶしく見えてしまいます。そして、「自分には無理」「自分には価値がない」とネガティブな感情を抱きがちです。
他人の幸せと自分の幸せは別物であるはずですが、自己肯定感が低いと、他人の幸せが自分の不幸であるかのように感じてしまうのでしょう。
人を羨ましがるのをやめたいと思ったときの対処法
人を羨ましいと思う感情は誰にでもあります。しかし、その感情が大きすぎると自分自身を見失ってしまうことにもつながります。ここでは、人のことを羨ましいと思う感情に支配されないための対処法を紹介します。
SNSから距離をおく
SNSで、他人の楽しそうな日常、華やかな生活、充実した人間関係を見ているうちに「自分だけがうまくいっていない」と感じてしまうことがあります。
しかし、SNSは他人の「見せたい部分」だけが切り取られた世界です。見る時間を減らしたり、一時的にアプリを休止したりして、他人の華やかな生活をチェックすることから離れてみるのもおすすめです。
自分を見つめ直す
他人の生き方に目を奪われてしまうときは、自分自身が本当に望んでいるものが曖昧になっていることが多いです。「何に幸せを感じるか」「どんなときに満たされるか」など、自分に問いかけることで、他人軸から自分軸に意識を切り替えられます。
ポジティブな視点をもつ
ネガティブな思考にとらわれると、どうしても「自分には無理」「どうせかなわない」と諦めがちになります。そんなときこそ「自分にもできることがある」「これから成長してできるようになればいい」とポジティブな視点をもつことが大切です。
こうした思考ができるようになると気持ちも前向きになり、羨ましいと思う気持ちではなく、意欲的に挑戦していけるようなモチベーションが湧いてくるでしょう。
十分な休息をとる
心に余裕がないときほど、人の幸せがまぶしく見えて羨ましく感じるものです。疲れているときやうまくいかないときは、しっかり休むことを意識しましょう。
睡眠をとる、おいしいものを食べる、好きな音楽を聴くなど、自分を癒す時間を意識的につくることで心の余裕が戻り、他人と比較する気持ちも次第に落ち着いていきます。
感謝の気持ちを忘れない
「自分には何もない」と感じるときこそ、当たり前になっている日常に目を向けてみましょう。住む場所があること、健康でいられること、支えてくれる人がいること…。感謝の気持ちは、自分がすでに多くのものを持っていることに気づかせてくれます。
人を羨ましがるのをやめたいなら、まずは自分自身に目を向けましょう
羨ましさは、決して悪い感情ではありません。「自分もこうなりたい」という、向上心の表れでもあります。ただし、その感情に飲み込まれてしまうと、自分の人生を見失ってしまう危険も。
少しずつでも「自分なりの幸せ」に気づけるようになれば、他人と比べる必要などなくなっていきます。他人のようになる必要はありません。あなた自身のままで、幸せを感じられる生き方を見つけていきましょう。