――仕事の幅が広がったとのことですが、ほかにも純悪の活動が役者人生に与えた影響がありましたら教えてください。
山根:僕は、役者としての生き方が変わってきています。出演する以外の、作る側の楽しさも知った中で、ただオファーを受けて仕事にしていくだけではなく、SNSでの俳優の生き方を模索していて、例えば事務所を辞めたり、生き方自体が変わりました。
――2023年4月に事務所を辞めて独立されましたが、自分で仕掛けていきたいという思いが強くなったということでしょうか。
山根:そうです。事務所が必要ない役者もいるなという中で、自分が事務所に入っていたら説得力がないので、辞めてみようと。事務所に不満があったわけではないですが、辞めたらどうなるのか。例えば、地上波に出られなくなっても、SNSに出ていたら役者として成立するのかなとか。そういう中で 思いもよらず朝ドラと大河に出られて、僕も「なんだこれは!」という感じです(笑)
――地上波に出られなくなったとしても、SNSで活動する道があるのではないかと。
山根:昔だったら、簡単に自分の芝居を載せられる場所がなかったと思うので、無理だったと思いますが、今はSNS時代になって、そういうことができるように。新しいことをして可能性を広げていけたら面白いなと思いました。
――自分に魅力がないと悩んだ時期もあったそうですが、純悪として活動したことによってそこも変わっていきましたか?
山根:役者は仕事がないと自分を否定するしかないんです。自分に魅力がないと。営業で商品があれば商品のせいにできますが、役者は自分たちが商品なので、どうしても厳しいメンタルになる時がありますが、SNSというところにアプローチを変えただけで、評価がめちゃくちゃもらえて。なので、自分に自信がなかったけど、自分自身は間違ってなかったというか、ただ単に見せられてなかっただけなんだなと思いました。
――純悪によって大きな変化があり、この先の人生はどう思い描いていますか?
山根:昔は役者として生きなければならないという思いが強かったですが、今は役者としてやる時はそこに100%の力を注ぐけれど、山根和馬としての人生の時間も楽しんでいるという感じです。目標などはあまり考えていませんが、何年後かにアクション映画を撮りたいと思っていて、5年かけて筋トレをしています。筋肉を作るのは時間がかかるので。