女優の杉咲花が、第62回ギャラクシー賞(主催:放送批評懇談会)でテレビ部門個人賞を受賞。2日、都内ホテルで行われた贈賞式に登壇し、喜びを語った
“神は細部に宿る”を信じてやってきた日々
『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ)、『海に眠るダイヤモンド』(TBS)での演技が評価された杉咲。「こんな素敵な賞を頂けるなんて思ってもみなかったので、びっくりしましたが、“神は細部に宿る”ということを信じてやってきた日々は間違ってなかったんだと思うと、ホッとしています。そんな志をともに高め合えるような、純粋に良いものを作りたいという気持ちで集まった大切な仲間たちと出会えたことが何よりの財産だなと思います」と挨拶。
続けて、「この2つの作品をお受けするにあたって、すごく力強く背中を押してくださった(所属)事務所の社長に何より感謝を伝えたいなと思います」と笑顔を見せた。
『アンメット』では記憶が毎日リセットされるという役を演じたが、リアリティを持たせるために「自分たちの生活とドラマの中が地続きであってほしいという気持ちがあったので、一番そこを意識していたかなと思います。セリフの“てにをは”一つとっても、毎シーン、毎カット皆さんと細かな精査を繰り返していけるような現場で、本当に心と力の限りを尽くすプロフェッショナルたちが集まっていました」と取り組めたのだそう。
一方の『海に眠るダイヤモンド』で心がけたことを聞かれると、「ただこの世に産み落とされた朝子という人が、社会の仕組みとか格差とか、本人の責任の取りようがないような理不尽なことを受けて、純粋な疑問を抱きながら、自分の尊厳を守るために力強く歩んでいく活力のようなものを大切に演じられたらと思っていました」と明かした。
今後演じてみたい役柄は、「幼稚園か小学校の先生」とのこと。「本当に素晴らしい感性とか、学ばせていただくことがきっとあるんだろうなと思って、ぜひやってみたいなと思います」と意欲を示した。
プロデューサーが印象深い15分の長回しシーン
お祝いゲストとして、『アンメット』のカンテレ米田孝プロデューサーが登場。特に印象に残るシーンを聞かれ、「第9話のラストで、ミヤビ(杉咲)と三瓶先生(若葉竜也)が語り合うシーンで、15分ほどの長回しにチャレンジしたんですけど、どうしたらこの2人がこのシーンで語るべき対話にたどり着けるのかということを、杉咲さんとも会話を重ねて作り上げていきました。杉咲さんのお芝居は、川内ミヤビという人が本当にそこにいて、脚本が分かっているはずの我々が“2人はこの後何を話すんだろう?”と思ってしまうようでした」と振り返った。