葛飾区は東京都の北東に位置し、西は足立区と墨田区、南は江戸川区、東は千葉県松戸市、北は埼玉県の八潮市・三郷市と接している。今回はマイナビニュース会員610人を対象に、葛飾区の好きな駅について質問。その結果をランキング形式で紹介する。

  • 東京都葛飾区の「好きな駅」について、マイナビニュース会員にアンケートを実施

葛飾区は、映画『男はつらいよ』シリーズ、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』といった人気作品の舞台としても知られる、下町情緒あふれる地域。町工場や工房規模の工場が多いほか、川に囲まれた水の豊かな土地であるため、近郊農業も行われている。

鉄道はJR東日本の常磐線・総武線をはじめ、京成電鉄の本線・押上線・金町線、北総鉄道の北総線という3社6路線が通り、駅は全路線合わせて12駅ある。なお、世田谷区と同様、葛飾区も地下鉄が通っていない区となっている。

東京都葛飾区「好きな駅」ランキング

  • 1位 : 柴又駅 [京成金町線] (28.0%)
  • 2位 : 亀有駅 [JR常磐線] (22.8%)
  • 3位 : 新小岩駅 [JR総武線] (19.0%)
  • 4位 : お花茶屋駅 {京成本線} (6.3%)
  • 5位 : 金町駅 [JR常磐線] (3.8%)
  • 6位 : 堀切菖蒲園駅 {京成本線} (3.3%)
  • 7位 : 京成高砂駅 {京成本線・金町線、北総線} (3.1%)
  • 7位 : 京成立石駅 {京成押上線} (3.1%)
  • 9位 : 新柴又駅 {北総線} (2.9%)
  • 10位 : 青砥駅 {京成本線・押上線} (2.7%)
  • 11位 : 京成金町駅 {京成金町線} (2.5%)
  • 11位 : 四ツ木駅 {京成押上線} (2.5%)

続いて、上位にランクインした駅の概要と、アンケート回答者のコメントを一部紹介する。

1位 : 柴又駅 (28.0%)

柴又駅は京成金町線の駅。金町線は京成高砂駅(京成本線、北総線と接続)、柴又駅、京成金町駅(JR常磐線と接続)の3駅がない2.5kmの路線で、都内では珍しい全線単線となっている。中間にある柴又駅は、「柴又帝釈天」「葛飾柴又寅さん記念館」「矢切の渡し」などの最寄り駅で、地元住民はもちろん、観光客や参拝者の利用も多い。

  • 葛飾区の「好きな駅」1位は柴又駅(提供 : 写真AC)

駅舎はレトロなデザインで、駅前も下町情緒あふれる街並みで昭和の雰囲気が残る。駅前に大きな商業施設は存在しないものの、焼き鳥や団子など下町グルメを楽しめる店が軒を連ねている。少し足を伸ばすと江戸川の河川敷が広がり、公園の自然を楽しむ人々、サッカー・野球といったスポーツを楽しむ人々の姿も見られる。

柴又駅を好きな理由としては、「駅周辺に観光地があるから」(80人)が最も多く、次いで「駅周辺エリアのイメージが良い・雰囲気が好きだから」(50人)、「仕事や旅行などで利用したことがある駅だから」(25人)となった。「柴又帝釈天」「葛飾柴又寅さん記念館」などに訪れる観光客や、下町の雰囲気を楽しむ人々に支持されているようだった。

ユーザーコメント

  • 「寅さんのロケ地だから。柴又に行くと自然と寅さん気分になり、テンションが上がります。下町風情が残った都内有数の観光地だと思います」(男性・53歳)
  • 「映画『男がつらいよ』のファンで、その影響が大きいです。もう続編が作られることは無くなりましたが、たまに見返しては『やっぱり何度見ても面白い』となります。本当はまだ行ったことが無いので、聖地巡礼として行きたいからです」(男性・62歳)
  • 「寅さんの本拠地…というイメージがものすごく強い駅だと思っている。観光スポットとしても有名だし何となく下町情緒が凝縮された町並みに思えるので柴又が好きです」(男性・63歳)
  • 「雰囲気がとても良くて、大好きな街。時間があれば行って街を散策している」(男性・54歳)
  • 「下町の雰囲気を残しており、ローカル感があって良い」(男性・58歳)
  • 「柴又帝釈天に参拝する為に利用している」(男性・78歳)

2位 : 亀有駅 (22.8%)

亀有駅はJR常磐線(各駅停車)の駅。柴又駅が『寅さん』の駅であるなら、亀有駅は『こち亀』の駅として親しまれ、駅の近くに「こち亀記念館」や数多くの「両さん像」がある。下町の風情が残る地域だが、駅前に「アリオ亀有」「リリオ亀有」「ビーンズ亀有」といった大型商業施設と商店街があり、買い物と食事を楽しめる街でもある。

亀有駅を好きな理由としては、「駅周辺エリアのイメージが良い・雰囲気が好きだから」(40人)が最も多く、次いで「駅周辺に観光地があるから」(36人)、「仕事や旅行などで利用したことがある駅だから」(16人)となった。

自由回答で具体的な理由を聞いた質問では、「『こち亀』の聖地なので」「『こち亀』の舞台だから」など、『こち亀』を理由とした回答が圧倒的に多かった。

ユーザーコメント

  • 「仕事の出張を利用して行ったのですが、私が今でも好きな漫画である『こちら葛飾区亀有公園前派出所』がモデルになっている場所であり、とても雰囲気が良くまた行きたいと思えるからです」(男性・55歳)
  • 「『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両津勘吉の大ファンなので、駅前や周辺の銅像を何度も見に行って、お気に入りの駅舎だから」(男性・75歳)
  • 「『こち亀』が好きで銅像があり街や駅がバックアップして盛り上げている雰囲気が好きだから」(男性・52歳)
  • 「下町の雰囲気を残した落ち着いた街並みも魅力のひとつ」(男性・61歳)
  • 「町全体がレトロな雰囲気、商店街も魅力的」(男性・48歳)

3位 : 新小岩駅 (19.0%)

新小岩駅はJR総武線の駅。快速・各駅停車ともに停車し、東京駅、秋葉原駅、新宿駅、横浜駅、千葉駅、成田空港駅など各方面へ乗換えなし行ける利便性の高さが魅力といえる。駅周辺にアーケード商店街と大型商業施設、スーパー等があり、ショッピングやグルメも楽しめる。

  • 葛飾区の「好きな駅」3位は新小岩駅(2018年12月の取材時に撮影)

駅の西側には新小岩公園、東側には2024年9月にオープンしたばかりの東新小岩運動場があり、レジャーを楽しみたい人にとっても魅力的な街となっている。マンションや住宅も多く、住みやすい街として人気が高い。

新小岩駅を好きな理由としては、「交通の便が良く、乗換えが便利な駅だから」(30人)が最も多く、次いで「仕事や旅行などで利用したことがある駅だから」(29人)、「駅周辺エリアのイメージが良い・雰囲気が好きだから」(26人)となった。駅および駅周辺の利便性などが評価されているようだった。

ユーザーコメント

  • 「東京の新しい文化と長く残っている伝統がよく融合している駅だと思います。駅や駅周辺から時代の変化を感じ取ることができると同時に東京の過去をしることもできる。文化的なことに興味がある私としては、ただの交通機関でなく、一目置いている場所です。若い頃に近くに住んでいた時期があります、その分想いも強いです」(男性・37歳)
  • 「新小岩駅は最近、駅ビルが建てられたり再開発が進んで駅前がキレイになってて住みやすそうだなと感じたからです」(男性・41歳)
  • 「駅前のルミエール商店街がいいですね。立地、使い勝手良く新小岩の住みやすさの中心的存在ですね」(男性・56歳)
  • 「昔ながらのお店が残っていたり、千葉や横浜にも交通アクセスが便利なので」(男性・54歳)
  • 「古いもの、新しいものが混在していて印象に残る地域」(男性・66歳)

4位 : お花茶屋駅 (6.3%)

お花茶屋駅は京成本線の駅。ホームは地上にあるが、駅舎や改札口は橋上に設置されている。西に荒川、東と南に中川が流れ、三方を大きな川に囲まれた立地となっている。駅名(地名)の由来は、江戸時代、八代将軍徳川吉宗が鷹狩りに興じていた際に腹痛を起こし、「お花」という名の茶屋の娘が看病したという言い伝えによるものだという(京成電鉄のサイトより)。

駅の周囲に大型の商業施設は存在しないが、スーパーマーケットやディスカウントストア、ドラッグストア、コンビニエンスストアなどは充実しており、日々の買い物には困らないだろう。住宅地の多い地区で、駅の近くにお花茶屋公園や曳舟川親水公園もあり、住みやすい街として人気がある。

お花茶屋駅を好きな理由としては、「仕事や旅行などで利用したことがある駅だから」(8人)と「駅周辺エリアのイメージが良い・雰囲気が好きだから」(8人)が同票で1位となり、次いで「駅周辺に観光地があるから」(4人)となった。

ユーザーコメント

  • 「周辺エリアが風情があり、日常使いに便利だから」(男性・47歳)
  • 「駅周辺のレトロな雰囲気が好き」(男性・75歳)
  • 「友達と行った時にランチがコスパ良かった」(女性・47歳)
  • 「友人が近くに住んでいて良く行っていたので」(男性・55歳)
  • 「なじみがあり、よく利用していたから」(男性・70歳)

5位 : 金町駅 (3.8%)

金町駅はJR常磐線(各駅停車)の駅。駅を出てすぐの場所に京成電鉄の京成金町駅があり、徒歩で乗り換えられる。鉄道ファンならJR貨物の新金貨物線が乗り入れる駅としても知られているだろう。駅前には、マンションと商業施設を兼ねる「ヴィナシス金町」や「ベルトーレ金町」といった施設のほか、スーパーマーケットもいくつかあり、買い物やグルメを楽しめる。

西に中川、東に江戸川が流れ、2つの川の間にある小合溜に沿ってつくられた都立水元公園は、東京23区において最大規模の公園となっている。

金町駅を好きな理由としては、「駅前の商業施設やレジャー施設などが充実しているから」(7人)が最も多く、次いで「日常的に利用している(利用していた)駅だから」(6人)、「駅周辺エリアのイメージが良い・雰囲気が好きだから」(6人)となった。

ユーザーコメント

  • 「都内中心地から埼玉、千葉県内への乗換駅として非常に便利、再開発も進んでおり駅前施設が大きくなり、さらに今後の発展が期待され明るい楽しい街になってきた。バスですぐに足立区へ入り、足立区も変化しつつあり、東京都埼玉県東部や千葉県西部への雰囲気が混合し、下町風情も残っており居住に適していると思う」(女性・70歳)
  • 「都内最大の水元公園へのアクセスがよいです!」(女性・49歳)
  • 「とても住みよい街で大好きです」(男性・40歳)
  • 「自分にとって、一番馴染みがあるので」(男性・49歳)

その他 (6位以降)

6位以降は、堀切菖蒲園駅(3.3%)、京成高砂駅(3.1%)、京成立石駅(3.1%)、新柴又駅(2.9%)、青砥駅(2.7%)と続いた。各駅に対して、堀切菖蒲園駅は「菖蒲園は勝負の季節がとてもきれいで、見事な咲きっぷりに感激しました」、京成高砂駅は「乗り換えのついでに駅周辺を散策できる」、京成立石駅は「下町感たっぷりの飲み屋がたくさんあります」、新柴又駅は「街の商店街など雰囲気が好き」、青砥駅は「取引先があるのでよく利用しています。都会らしくないので落ち着いた印象があります」といったコメントが寄せられた。

東京都葛飾区「好きな駅」ランキングまとめ

葛飾区の駅前に広がる街は、いずれも下町情緒を感じる地域として支持されており、中でも『寅さん』の柴又駅と『こち亀』の亀有駅が人気を二分する結果に。観光だけでなく、それぞれの作品の「聖地巡礼」を楽しめる街でもあり、多くの票を集めたようだった。

  • 調査時期 : 2025年5月16日
  • 調査対象 : マイナビニュース会員
  • 調査数 : 男女合計610人
  • 調査方法 : インターネットログイン式アンケート