タイガースの歴史が変わる…?阪神、交流戦初優勝へのキーマンとなる選手6人

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 セ・リーグ、パ・リーグの全球団が総当たりで激突する交流戦。2005年から開始以降、過去に8球団が栄冠を掴んでいるが、阪神タイガースは優勝経験がない。ただ、近年は充実した戦力を誇り、初優勝を狙えるチームと言っても過言ではない。今回は、阪神の交流戦初優勝へのキーマンを紹介する。(文・シモ/成績は6月1日終了時点)

大山悠輔

・投打:右投右打

・身長/体重:181cm/95kg

・生年月日:1994年12月19日

・経歴:つくば秀英高 - 白鴎大

・ドラフト:2016年ドラフト1位

 

 交流戦の優勝には、阪神タイガースの酸いも甘いも知る大山悠輔の活躍が欠かせない。

 

 今季は藤川球児監督の方針で5番に座るが、3月は打率.182、4月は打率.241と序盤は調子が上がらなかった。

 

 

 バットを擦るような感じでチャンスに内野ゴロゲッツーか、フライというケースが多いように見受けられた。

 

 しかし、復調の気配が徐々に見えている。

 

 5月16日の広島戦の第3打席では、無死一塁からヒットでつなぎ、チャンスメイク。翌17日の広島戦の2-0とリードした場面では、1死二、三塁からダメ押しの2点適時二塁打を放ち、勝利に貢献した。

 

 また、同20日、21日の巨人戦では2試合連続で猛打賞を記録。本来の姿を取り戻しつつある。



 

 「夏の大山」が、暖かい季節とともに上り調子になってくれば、3番・森下翔太、4番・佐藤輝明のあとを打つ脅威の5番打者として、交流戦優勝も見えてくるだろう。


 

 2022年の交流戦では、日本ハム戦で1試合3本塁打を打つなど、打率.313、7本塁打、21打点の活躍で交流戦2冠に輝いた。

 

 今季の交流戦はその日本ハム戦から始まるが、猛打爆発に期待だ。

村上頌樹

・投打:右投左打

・身長/体重:175cm/83kg

・生年月日:1998年6月25日

・経歴:智弁学園高 - 東洋大

・ドラフト:2020年ドラフト5位

 

 交流戦の投手の柱は、間違いなく村上頌樹だ。


 

 もう一人のエース・才木浩人が序盤は苦しんでいた中、今季の投手陣は村上が牽引。まさに無双とも言える活躍を見せている。


 

 

 昨季は25試合の登板で7勝11敗、防御率2.58と成績を落とした。それでも、今季はすでに7勝1敗、防御率1.63をマークしており、2度の完封勝利も挙げている。リリーフ陣に負担のかかる時期に完投してくれる村上の活躍は、チームとして貴重だ。


 

 昨季との違いは、伸びのあるストレートが戻ったことだろう。ストレートが復活したことにより、スライダーやカーブなどの変化球も生きていると感じる。

 

 この調子を続ければ、パ・リーグの各チームの強打者たちも圧倒できそうだ。


 

 村上の交流戦の成績は、優勝した2023年は1勝2敗、防御率2.25、完投1。昨季も、0勝1敗ながらも防御率2.37、完投1と決して悪い成績ではない。

 

 打線の援護さえあれば、交流戦の活躍は間違いない。

佐藤輝明

・投打:右投左打

・身長/体重:187cm/95kg

・生年月日:1999年3月13日

・経歴:仁川学院高 - 近畿大

・ドラフト:2020年ドラフト1位

 

 今季の交流戦で最も注目したいのは、4番に座っている佐藤輝明だろう。

 

 昨季までは内角のまっすぐを意識させられ、ボールゾーンの変化球で空振りといったケースが多かったが、今季は違う。

 

 

 追い込まれてからの強引なバッティングが影を潜め、センターからレフト方向へのコンパクトなバッティングが多く見られるようになった。

 

 例えば、4月3日のDeNA戦の8回裏に打った同点ホームラン。相手左腕・坂本裕哉のストレートを、逆らうことなくレフト方向へ運んだのである。

 

 この打席のように、強引に引っ張らずともコンパクトな打撃で逆方向にスタンドインするようになったのが、今季の佐藤輝の特徴だ。

 

 ここまで50試合の出場で、打率.290、13本塁打、37打点の打撃二冠は、立派のひと言である。昨季、23失策した三塁守備も、今季はわずか2失策のみだ。

 

 例年、調子の波が激しい佐藤輝であるが、ここまで調子を大きく落とすことなく順調に試合を積み重ねている。

 

 新人時代の交流戦個人成績は、6本塁打、12打点だった。当時より進化した打撃で迎える今季の交流戦では、その成績を上回ることができるのだろうか。

 

 否が応でも、今季の佐藤輝には期待が高まる。

湯浅京己

・投打:右投右打

・身長/体重:183cm/82kg

・生年月日:1999年7月17日

・経歴:聖光学院高 - BC・富山

・ドラフト:2018年ドラフト6位

 

 今季は復活の気配を見せている湯浅京己。”一瞬で試合の流れを変える男”の活躍も、交流戦初優勝に欠かせない。


 

 2022年には59試合の登板で45ホールドポイント(2勝3敗43ホールド)、防御率1.09の成績を残し、最優秀中継ぎ賞に選ばれた湯浅。

 

 

 阪神タイガースがリーグ優勝・日本一を達成した翌2023年には抑えを期待されながら、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)出場の疲労や左脇腹のケガが原因で二軍調整を余儀なくされた。

 

 その結果、同年は15試合の一軍登板で0勝2敗8セーブ、防御率4.40と成績が下降。しかし、同年の日本シリーズの40人枠になんとか入り込んだ湯浅に、ハイライトが訪れる。

 

 オリックス・バファローズとの日本シリーズ第4戦の8回表、3対3の同点で迎えた2死一、三塁の場面。相手打者・中川圭太をわずか1球で二飛に抑えたのである。


 

 この成功体験を経て、2024年には抑え候補として復活を期待されたが、ここでまた湯浅は試練にさらされることになる。

 

 国指定の難病・黄色靭帯骨化症と診断され、1年間リハビリに費やすことになったのである。そのため、同年の一軍登板は0に終わってしまった。

 

 それでも、懸命のリハビリを経て、今季は再び復活。13試合の登板で8ホールドポイント(2勝0敗6ホールド)、防御率0.00の成績を残している。

 

 一昨年の日本シリーズのようなしびれる場面で登板し、交流戦優勝の分岐点となるような投球を期待したい。

木浪聖也

・投打:右投左打

・身長/体重:179cm/81kg

・生年月日:1994年6月15日

・経歴:青森山田高 - 亜細亜大 - ホンダ

・ドラフト:2018年ドラフト3位

 

 2023年、恐怖の8番バッターとして活躍した木浪聖也にも期待したい。

 

 阪神タイガースの満塁男といえば木浪。一昨年、昨季は満塁の場面で幾度となくヒットを放ち、チームに貢献した。今季も4月4日の巨人戦で走者一掃の適時二塁打を放つなど、満塁男ぶりは健在だ。

 

 

 そんな木浪だが、4月19日の広島戦で名手らしからぬ1試合3失策を記録すると、スタメン落ちを経験した。

 

 それでも、5月15日のDeNA戦に「7番・遊撃」として20試合ぶりにスタメン復帰すると、第一打席でヒットを放った。

 

 翌16日の広島戦では、1対2の場面で同点となるタイムリーヒットを放ち、復活ののろしを上げた。

 

 さらに、翌17日の広島戦では、4回裏に2死一、三塁から先制のタイムリーヒットを打って勝利に貢献している。


 

 守備も「失策のことは忘れた」とばかりに、今まで通り堅実なプレーを続けている木浪。

 

 この調子で徐々に調子を上げ、交流戦優勝に貢献してもらいたいところだ。パ・リーグの主催試合のDHとして、手薄な代打陣の切り札として使ってみても面白いかもしれない。

及川雅貴

・投打:左投左打

・身長/体重:184cm/84kg

・生年月日:2001年4月18日

・経歴:横浜高

・ドラフト:2019年ドラフト3位

 

 今季の交流戦は、及川雅貴のリリーフもみどころである。

 

 今季は抜群の安定感を発揮し、開幕から17試合連続無失点をマーク。昨季は先発5試合を含む9試合の登板で1勝3敗、防御率2.76の成績だったが、この目覚ましい成長はどこから来るのだろうか。

 

 

 まず、ストレートの質が上がったことで、スライダーなどの変化球をより活かせるようになったのが大きい。制球力が安定したのも、飛躍した要因の一つだろう。その結果、ピンチに動じずに投げられている。

 

 残念ながら、無失点記録は15日のDeNA戦で途切れてしまった。それでも、ここまで22試合の登板で、14ホールドポイント(3勝1敗11ホールド)、防御率0.82の成績を残しており、リリーフ左腕として欠かせない存在となっている。

 

 交流戦でも安定感のある及川の投球が見られると思うと、楽しみで仕方ない。

 

 

【了】