フジテレビは30日、一連の問題を受けた組織改革の進捗状況を公表。編成局傘下にあるアナウンス室を「アナウンス局」として独立・格上げする。

  • フジテレビ本社=東京・台場

清水賢治社長は、5月に2回にわたり、アナウンサーに対してスモールミーティングを実施し、編成局からの独立について説明。番組との調整役となる「コーディネーター」を新設することについても、質問に応じて考え方を説明したという。

清水社長は4月30日に取材に応じた際、「例えば、制作側から“この人を起用したい”と言われても、アナウンス室で“この人はこういう方針で育てるので”と断るといったようなことが行われるのではないかと想像しています」と運用のイメージを語っていた。

また、編成局とバラエティ制作局を解体・再編するにあたり、清水社長が5月に3回にわたり、バラエティ制作者に対してスモールミーティングを実施。放送の公共的役割を踏まえつつ、企画・IPを自ら創出し、多様な展開で持続可能な収益を実現する「コンテンツカンパニー」への進化に向けた意識改革を議論したという。

このほか、コンプライアンス推進室を「コンプライアンス局」に格上げ。相談件数が大幅に増加していることから、人員・予算を増強する。

放送や社員の違反、不祥事、災害など日常的に発生するリスクを評価し、未然に危機を防ぐ「リスク評価・対応チーム」も新設。緊急時には、チーム中心に「リスク対応コントロールセンター」を立ち上げ、迅速・的確な初動対応が取れる体制を構築するとしている。

これに伴う局室長人事では、若手の抜てきを推進。27人中7人に女性を登用し、従来の10%台から26%に上昇した。1年以内には、女性管理職の比率を3割以上に引き上げることを目指す。