フジテレビ系オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』の35周年を記念した初のファンイベントが23日、東京・台場の同局で行われ、レジェンドスタッフたちが制作秘話などを語った。

  • (左から)高丸雅隆氏、小椋久雄氏、鈴木雅之氏、蓜島邦明氏

    (左から)高丸雅隆氏、小椋久雄氏、鈴木雅之氏、蓜島邦明氏

「監督とタモリさんのおかげで命が助かった」

このイベントには、演出やプロデューサーを務めてきた鈴木雅之氏、小椋久雄氏、高丸雅隆氏に、テーマ曲「ガラモン・ソング」を作曲した蓜島邦明氏も登壇。高丸氏は、木村拓哉主演の「トイレの落書き」(95年)での撮影の際のエピソードを披露した。

撮影の数日前、監督がタモリが現場に来てストーリーテラーのシーンを撮ってほしいと要望し、この調整をした結果、撮影開始が予定より1時間遅れることになった。撮影現場が東京駅だったため、高丸氏は地下鉄に乗って向かっていたところ、「霞が関駅で乗り換えをさせてもらえないんです。次の駅まで行って表に出たらものすごい騒ぎになっていたんです」という。その騒ぎは、地下鉄サリン事件によるものだった。

高丸氏は「その監督が希望してなかったら1時間前に向かっているので、サリンに直撃していたかもしれない。監督とタモリさんのおかげで命が助かったと思います」と振り返った。

『世にも』『奇妙』『よにきみょ』…ついに公式略称決定

このイベントでは、会場に駆けつけた『世にも奇妙な物語』ファンからの質問が寄せられ、番組の略称について『世にも』と『奇妙』に分かれているため、公式で統一してほしいという希望が。会場にアンケートを取ると、『よきみょ』『よにきみょ』『よにき』と少数派も乱立していることが判明した。

高丸氏の見解によると、『奇妙』の略称は、前身番組のタイトルが『奇妙な出来事』だったことからベテラン陣に定着しているようで、21世紀世代は『世にも』が多数派の模様。小椋氏は「これからは新しく『よにき』にしましょう(笑)」と提案したが、鈴木氏は「今日をもって『世にも』にしましょう!」と採択し、会場から賛同の拍手が上がった。

「バラモン・ソング」35年で2回目のピアノ生演奏

蓜島氏はテーマ曲のオファーを受け、「当時19曲くらい作りました」といい、その中から「ガラモン・ソング」が選ばれた。決めたのは、当時フジテレビ編成部で、『世にも』を制作する共同テレビ社長に先日内定した石原隆氏だったそうで、「タリラリラン♪が良いって言ってました」という。

「ガラモン」は、ウルトラ怪獣・ガラモンのぶら下がった手で演奏するような旋律だったことから命名。小椋氏によると「誰かが(蓜島氏が)ガラモンに似てるからと言ってた」とのことだが、その説は否定された。

そんな蓜島氏による「ガラモン・ソング」の生演奏も。35年前に作曲してピアノで披露するのはこれが2回目だそうで、「どうやって弾いてたっけ? 下手だよ~。でも作った人が弾くんで、勘弁してくれ(笑)」と謙そんしていたが、即興パートを含む5分半にわたる熱演を見せ、会場は大きな拍手に包まれた。

31日(21:00~)には、『世にも奇妙な物語35周年SP~伝説の名作 一夜限りの復活編~』を放送。『BLACK ROOM』(01年、主演:木村拓哉)、『夜汽車の男』(02年、主演:大杉漣)、『ロッカー』(90年、主演:織田裕二)、『美女缶』(05年、主演:妻夫木聡)、『恋の記憶、止まらないで』(19年、主演:斉藤由貴)がラインナップされている。