
お金を銀行やカーディーラーに借り、車の購入費用にあてるマイカーローンは、利息が発生します。この利息の割合である金利は、マイカーローンによって固定金利か変動金利か、異なることをご存じでしょうか。マイカーローンを組む際には、それぞれの違いやメリットについて理解し、自分に合ったほうを選びたいところです。
この記事では、マイカーローンの固定金利と変動金利、それぞれの違いとメリットのほか、注意点を解説します。また、人によってはどちらがお得なのかについても見ていきましょう。
マイカーローンとは?
マイカーローンとは、車を購入する際に信販会社や銀行などからお金を借りるローンのことです。
マイカーローンは主に、銀行・信用金庫などの金融機関が提供する「銀行系」と、カーディーラーの提携する信販会社・クレジットカード会社などが提供する「ディーラー系」の2種類に分けられます。
銀行系は金利が低いのが特徴ですが審査は厳しい傾向があり、ディーラー系は金利が高いものの、審査には通りやすいといった違いがあります。
いずれのマイカーローンも、借りたお金に対して金利が発生しますが、金利には固定金利と変動金利の2種類があります。
固定金利のマイカーローンのメリットと注意点
固定金利のマイカーローンは、文字どおり金利が固定されています。ここでは、固定金利のマイカーローンの、メリットと注意点について見ていきましょう。
計画的な返済ができる
固定金利のマイカーローンのメリットとしては、返済期間中に金利が変わらないことが挙げられます。
固定金利では市場金利の動向にかかわらず、契約時の利率が適用され、完済まで変わることがありません。そのおかげで返済金額も完済まで変わらず、計画的かつ安定的な返済ができるのです。
これにより、ほかの生活費や投資計画を立てやすくなり、返済金額の予期せぬ増加によりストレスを感じることもありません。金融市場が不安定で、市場金利の上昇が予測される環境では、価値が高いといえます。
変動金利より金利が高い
固定金利のマイカーローンの注意点は、変動金利よりも金利が高い傾向があることです。固定金利は一般的に、同じ条件の変動金利よりも金利が高く設定されています。これは、将来の市場金利の変動リスクに対する、保険の役割のためです。
また、市場金利が下降傾向にあっても、固定金利ローンではその恩恵を受けられません。結果として、変動金利よりも多くの利息を支払う可能性があります。
変動金利のマイカーローンのメリットと注意点
固定金利に対し、市場金利の動向に応じて金利が変わるのが変動金利です。続いては、変動金利のマイカーローンのメリットと注意点について解説します。
低金利時には返済金額が抑えられる
変動金利は、市場の動向に合わせて一定期間ごと(通常は半年ごと)に見直されます。そのため、市場の金利が低いときは、それに伴って利率が低くなる傾向があります。これにより、毎月の返済金額や返済総額が減少するのがメリットです。
また、変動金利のマイカーローンは、固定金利と比較して借入時の金利が低く設定されています。この低い初期金利により、ローン返済開始時から返済負担は低くなるため、短期間でローンを完済する予定であれば大きなメリットとなるでしょう。
金利上昇により返済金額が急に上がる場合がある
変動金利のマイカーローンは、経済状況の変化により、金利が急激に上がるリスクもあることに注意が必要です。例えば、インフレ対策として中央銀行が政策金利を引き上げる「利上げ」を行った場合、変動金利ローンの金利も上昇します。急激な金利上昇は、毎月の返済金額を増加させ、家計に大きな負担をかける可能性があるのです。
金利は常に変動する可能性があり、いつ、どのようなタイミングで上がるのかは、誰にも予測できません。支払いを終えるまで返済総額は確定しないため、返済計画を立てにくいのも、変動金利の注意点です。
マイカーローンの固定金利と変動金利は、どういう人に向いている?
マイカーローンで、固定金利と変動金利のいずれかを選ぶ場合、それぞれどういう人が向いているのか気になるところです。ここでは、固定金利に向いている人と変動金利に向いている人の特徴について解説します。
固定金利が向いている人
マイカーローンにおける固定金利は、下記のような人に適しています。
<固定金利が向いている人>
将来の支出を正確に把握し、計画を立てたい人
金利上昇を懸念し、リスクを回避したい人
長期間(5年以上)のローンを組む予定の人
貯蓄に余裕がなく、返済金額の急な増加に対応できない人
固定金利は毎月の返済金額が変わらないため、長期的な家計管理がしやすく、予算の見通しが立てやすいのが特徴です。言い換えれば、金融商品の金利変動に不安を感じたり、将来の不確実性を減らしたりしたいと考える人には、固定金利が向いています。
また、返済期間が長い長期ローンを組んでいる人ほど、市場金利の変動の影響を受ける可能性が高まるため、変動金利ではリスクがあります。その点、固定金利の安定性は魅力といえるでしょう。
さらに、収入が安定していても貯蓄にあまり余裕がない場合は、返済金額の急騰リスクに対応できなくなるおそれがあるので、固定金利がおすすめです。
変動金利が向いている人
マイカーローンの変動金利には、次のような人が向いているといえるでしょう。
<変動金利が向いている人>
短期間(2~3年)でマイカーローン全額を完済予定の人
一部、繰り上げ返済できる人
貯蓄に余裕があり、返済金額が上がっても対応できる人
返済期間が短いと、仮に市場金利が変動しても影響を受ける期間が短くなるので、リスクは比較的小さいといえます。また、低金利トレンドが続く状況では、変動金利により恩恵を受けられる可能性のほうが大きいといえるのです。
さらに、市場金利が上昇しても、一部繰り上げ返済するといった柔軟な対応できたり、返済金額が上がっても貯蓄で対応できたりする人は、初期金利が低いメリットがある変動金利が向いているといえるかもしれません。
マイカーローンを組む際の注意点
固定金利・変動金利のどちらを選ぶかにかかわらず、マイカーローンを組む際には気をつけたいポイントがあります。最後に、マイカーローンを組む際の注意点について解説します。
変動金利の支払総額は、予測できない将来の景気で変わる
マイカーローンを組む際、特に変動金利を選択した場合は、支払総額が将来の経済状況に大きく左右されることを理解しておく必要があります。
例えば、景気拡大期には物価が上昇してインフレになり、一般的に金利が上昇傾向になるため、変動金利の場合は返済負担が増す点に注意してください。
一方で、景気後退期には中央銀行の金融緩和政策により金利が引き下げられることが多く、変動金利ローンは毎月の返済金額や支払総額が減少する傾向があります。
ただし、経済状況の予測は専門家でも難しく、5年や7年といったマイカーローン返済期間中の市場金利の動向を、正確に予測することはほぼ不可能です。ですから、最悪のシナリオも想定した返済計画を立てるようにしましょう。
複数の見積もりを取って、比較・検討する
マイカーローンは、金融機関や信販会社などによって条件が大きく異なるため、複数の見積もりを取り、比較・検討する必要があります。この際、大手銀行や地方銀行、信用金庫、ネットバンクなど、さまざまなタイプの金融機関から見積もりを取るようにしてください。
また、表面上の金利が低くても、事務手数料や保証料がかかる場合もあります。見積もりの際には、事務手数料や保証料についても十分な確認が必要です。
ローンの返済金額以外の維持費も考慮する
マイカーローンで車を購入した場合、支出としてはローンの返済金額だけではなく、さまざまな維持費がかかります。下記のような維持費が発生することを考慮しておきましょう。
<車の維持費の例>
車検費用
自動車税種別割
自動車重量税
自賠責保険料
自動車保険料
燃料代
12ヶ月点検費用
駐車場代
例えば、環境性能の高いエコカーを購入すれば、燃料代が安くなるだけでなく、税金の優遇措置を受けられたり、自動車保険のエコカー割引が適用されたりするなど、トータルの維持費を抑えることも可能です。
マイカーローンを組む際には、自動車保険も比較・検討しよう
マイカーローンを組む際には、固定金利か変動金利のいずれかを選ぶ必要があります。それぞれにメリットや注意点があるため、自分に合ったほうを適切に選びたいところです。
ただし、車を維持するには、ローンの返済だけでなく自動車保険料や燃料代もかかります。車の購入後にかかる維持費をできる限り安くするため、加入する自動車保険も十分検討しましょう。
なお、自動車保険の保険料や補償内容は、保険会社によって異なります。自身に合った自動車保険を探すには、複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討してください。
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