俳優の横浜流星が主演を務める大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)。このたび鱗形屋孫兵衛を演じた片岡愛之助が本作出演について語った。
江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。脚本は、『おんな城主 直虎』(17)以来、8年ぶり2度目の大河ドラマとなる森下佳子氏が手掛ける。
愛之助が演じた鱗形屋孫兵衛は、蔦重の本屋商売の“師”であり、業界最大の“敵” 。蔦重が本格的に本屋業に乗り出すとライバル関係となり、激しい争いを繰り広げてきた。
――第19回の蔦重と和解するシーンがクランクアップだったそうですが?
なんだか感動しました。最初からずっと蔦重の成長の物語で、彼が何者でもないところから驚異的な存在になってくるわけですから。いろんな思いがあったということを蔦重本人に伝えられて、僕の中ではいいシーンになったと思いましたし、クランクアップがあのシーンで良かったと思いました。
――愛之助さんが思う「鱗形屋孫兵衛」とは?
鱗形屋さんはすごく先見の明があると思います。いろんなことが上手いんだけど、ただ一つ、商売が下手(笑)。ものすごいことをやるんだけど、自分の店は全然売れてないという。
やっぱりこの時代みんな生き抜くことはとても難しい。こちらから見るとものすごい悪人に見えるけど、 違う角度から見ると「この人がいるから成り立っている」みたいな感じって、今の社会でもどこでもあるわけです。彼も悪いことをやろうと思ってやっていたわけではなく、すごく人間くさい人物だったと思いました。
――印象に残っているシーンは?
牢屋に入れられたシーンですね(笑)。 捕まって、しばかれて…これはしばかれる人がうまくないと痛々しくも見えないし、難しいんです。歌舞伎でも刀で斬る役はあっても、斬られる役をやることがほぼないので、やられるということの難しさがわかって、勉強になりました。
――「べらぼう」を去ることについて。
とても寂しいですね。 これから先どうなるのか、僕も台本をもらってないので知らないんです。
蔦重がどういうふうな足がかりでメディア王になっていくのか、皆さんと一緒に楽しみながら見守りたいと思います。
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