DMM TVオリジナルドラマ『ドンケツ』(配信中)で主人公のロケマサこと沢田政寿を演じた伊藤英明にインタビュー。オファーを受けたときの心境や、「できる限り原作に近づけたい」との思いで挑んだ役作りについて話を聞いた。
たーし氏による同名の極道漫画を原作とするこのドラマは、敵対組織の事務所にロケットランチャーをぶちこんで以来、「ロケマサ(ロケットランチャーのマサ)」の異名で恐れられているヤクザ・沢田政寿の物語。自分勝手でワガママな超クズ男だが、なぜか男たちが惚れてしまう不思議な魅力を持つロケマサが、仲間と敵を同時に引き寄せ、修羅の国・北九州を舞台に日本全国を巻き込む一大抗争が勃発する。
――『ドンケツ』のオファーを受けたときの気持ちをお聞かせください。
お話をいただいて初めて作品に触れましたが、原作に力があって、一気に読むほど面白くて、ぜひ参加したいと思いました。だけどまさか、ロケマサ役でお話をいただいているとは思っていなくて、「チャカシン(山倉慎之助)なのかな?」「ゲンコ(平山元)なのかな?」と思っていました。
――なぜロケマサだとは思わなかったのでしょうか。
ロケマサは生身の人間が演じるような役ではないなと。体の大きさも迫力も、演じられるのはドウェイン・ジョンソンぐらいじゃないかなと思ったので。
――ロケマサ役と知ったときはどう思いましたか?
「できるかな?」というのが正直な感想でしたが、「やってみたい」という強い思いもありました。今年50歳を迎えますが、50代は役が変わるタイミングなのかなと思っていて、役の幅を広げるためにも新しい挑戦をしてみたいなと。そしてプロデューサーがすごく熱い方で、この座組だったらできるのではないかという思いにもなりました。
――ご自身にとって新しい挑戦だなと感じた点を教えてください。
これまでリアルに演じることが多く、キャラになりきって演じるというのはあまり慣れてなかったので、新しい挑戦だなと感じました。ロケマサはどんな声でしゃべるのか、どんな歩き方をするのか、ビジュアル的にも眉毛を剃って、剃りを入れて、丸坊主にして。できる限り原作に近づけたいという思いで体重も15キロ増やしましたが、一番悩んだのは声です。
――悩んだ末、どういう声にしようと意識しましたか?
ちょっとしゃがれていて野太い声を意識しました。
――ほかにも演じる際に大事にしていたことがありましたら教えてください。
群像劇なので、関係性をうまく演じることが大事だと監督がおっしゃっていたので、僕もそこに重きを置いていました。チャカシンや金田寛乙との関係性、親分との関係性などをしっかり演じることが重要だなと。