コンビニやスーパーの売り場で見かける「プライベートブランド」(PB)商品。同じ売場でその界隈の「定番」と並べられていることもありますよね。「えー、どっちを買うべきなんだろう」って悩んだ経験はありませんか?
そこで、PB商品と「定番」を比較してみようじゃありませんか、という当企画。
第14回(→第13回)となる今回のテーマは、ヘルシーな食生活に欠かせない、3つパックの「ツナ缶」です! ツナ缶といえばのド定番、はごろもフーズの「シーチキンLフレーク」と、ファミリーマートのPB「まぐろ油漬フレーク ライトツナ3P」、西友の「ツナフレーク まぐろ油漬 70gx3」3者を比較していきます。
なお、ツナ缶で使われる魚肉は「マグロ」だけでなく「カツオ」の場合もありますが、今回は皆さんもよく食べるであろうマグロを選んでみました。
メーカー
それでは早速、いつものごとく各商品をどのメーカーが作っているのかをみておきましょう。
・はごろもフーズ はごろもフーズ
・ファミマPB 極洋
・西友PB ニチモウフーズ
極洋は水産物を中心とした総合食品会社で、ツナやサバ、いわし、さんまなど多くの魚の缶詰を手掛けています。もしかしたら「キョクヨー」とカタカナのほうが一般認知が高いかもしれません。ニチモウフーズは水産加工品の卸売業を手掛ける企業で、スーパーマーケットなどに海産物を販売する、主にBtoB事業を展開している企業になっております。
こうしてみると、当たり前ですが海産物で勝負してきた“プロ企業”そろい踏み、ということになりますね。素材の味が重要になりそうなツナ缶だからこそ、「目利き」が重要ということか。オラわくわくしてきたぞ!
価格
続いては、気になる価格差(いずれも税込)です。
・はごろもフーズ 409円※西友価格
・ファミマPB 420円
・西友PB 376円
ああーっと、一番高額なのがファミマPB、安いのが西友PBとなりました。ちなみに価格差は44円。つまり1缶あたり14円。なるほど……そこまで大きな価格差ではなさそうです。
カロリー
続いてはカロリー(1缶70gあたり)です。
・はごろもフーズ 206kcal
・ファミマPB 150kcal
・西友PB 184kcal
あっと、先ほどとは逆にファミマが一番低いですね。これ実は、栄養成分表の「油分」の項目を確認すると、なんとなく想像がつくのですが、
油分(1缶70gあたり)
・はごろもフーズ 17.2g
・ファミマPB 10.7g
・西友PB 14.8g
きれいにカロリーと油分が相関していると分かります。ファミマ、さすが「ライトツナ」の名前を冠しているだけのことあって軽めの仕上がりにしているようです。
ちなみに、「ライトツナ」といえば、テレビCMでお馴染み「いなば食品」の「いなばライトツナ」を思い出す人も多いかもしれません。同条件(まぐろ・70g)でツナ缶を調べてみたところ、「国産ライトツナフレーク まぐろ油漬」が当てはまるのですが、こちらはカロリー224kcal、脂質は19.7gとなっていまして、「シーチキンLフレーク」よりも高いんですね。ライトの基準が難しい……。
じゃあ、はごろもフーズの「ライトツナ」は? そのものズバリな商品はないのですが、「シーチキンマイルド」が近そう。と思いきや、こちらはカツオ肉を使っているんですね~残念! ツナ缶ってラインナップが多くてややこしいんだな!
なお、気になる人は気になる「塩分」についても確認してみたところ、
・はごろもフーズ 0.7g
・ファミマPB 0.7g
・西友PB 0.6g
とほぼほぼ差はないようです。
原材料
最後は原材料です。少ないので全部書き出してみましょうか。
・はごろもフーズ きはだまぐろ(輸入または国産(5%未満))、大豆油、食塩、野菜エキス
・ファミマPB まぐろ、大豆油、野菜エキス、食塩
・西友PB きはだまぐろ、大豆油、食塩、野菜エキス
こちらもきれいにほぼ一緒なのですが、細かなところが違いますね。はごろもフーズと西友は「キハダマグロ」の表記があります。こちらは脂身が少なく、国内では「めばちマグロ」に次いで漁獲量が多いのだそうです(参考)。はごろもフーズは申し訳程度ですが国産のキハダマグロが使われていますね。
その他の違いとしては、ファミマは食塩よりも野菜エキスが多い、他2つはヤサイエキスよりも食塩が多い仕様となっています。わずかですが味への影響はあるのかな?
食べ比べ
それでは、蓋をオープン!
おややや? 明らかにファミマのツナだけ異質! なんて表現すればいいんだろう、「粒が大きい」と言いますか……。
はごろもと西友は、切り身をかなり細かく砕いてミンチに近い状態にしてあります。一方のファミマは、身をそのまま入れたら結果として崩れた、というような雰囲気です。
また、缶にミッチリと身が入っているはごろも・西友と違って、ファミマは汁っけたっぷりですね。同じツナでもけっこう違うんだなあ……。
いよいよ、実際に食べ比べてみましょう!
・はごろもフーズ
うんうん、これはいつもの慣れたツナ缶の味です。基本、淡泊で強い味はありませんが、油分がミルキーさを醸し出していますね。マヨネーズとしょう油をかけたら無限にご飯食べられるやつ。
・ファミマPB
おおっ、身が崩れておらず大振りだからか、「魚を食べているなあ」という実感が強めです。油分控えめな分、ミルキーなコクはやや控えめですが、あっさりとした味わいが好みの人にはぴったりかもしれません。
・西友PB
ふむふむ、これは……ほぼ「はごろも」に近い味わいです。もはや“ジェネリックはごろも”といっても過言ではないかもしれません。少々油分とカロリー低めなはずなんだけど、それを感じさせませんね。
まとめ
ここからは筆者の独断と偏見で、どの商品がどんな人に向いているのかをまとめていきます。
・はごろもフーズ
カロリーは多少高くても良いから油分のミルキーさをな味わいたい。国産のキハダマグロに惹かれる。
・ファミマPB
あっさりとした味わいでヘルシーさを重視したい人に。魚の身をしっかり感じられる大ぶりカットが好みの人にもおすすめ。
・西友PB
コスパ重視派に。油分やカロリーは控えめながらも、はごろもフーズに近い味わいが楽しめるバランス型。
筆者はどれを選ぶ?
ファミマはかなり“方向性”の違いが感じられて、好き嫌い分かれるかもしれません。一方の西友は、料金は抑えめ、スペックは中間、味わいははごろもフーズとほぼ同じ……ということでうまいところを突いてきた印象です。
ということで今回の筆者は、西友を推したいと思います。
読者の皆さんもぜひ「ここのツナ缶が好き」などのご意見ありましたら、SNSなどで教えてもらえると嬉しいです。