故郷の愛媛に帰るのか、東京で頑張り続けるのか――福山さんの揺れる心が映し出される後編。「最初のインタビューで、“這いつくばってでも同期に追いつきたい”と話していた彼の中で、その気持ちが続いて頑張っていけるのか、見守るような思いで見てほしいです」と呼びかける。
半年にわたる取材期間、福山さんに寄り添って「彼は愛嬌があるし、本当に憎めないんです。だからすごくかわいがってくれる先輩もいます」と、魅力を語る鴨下D。
前編の放送を受け、SNSでは心無い言葉を投稿する視聴者も散見されたが、「彼を“できない子”という目で見ないでほしいんです。自分もそうですし、新人の頃に遅刻したり、失敗したり、先輩と上手く話せなかったりという経験は誰にでもあると思います。だから、自分事に置き換えて彼を見てもらえたら、きっと皆さんに共感してもらえるはずだと僕は思っています」と胸を張った。
本当にパンが好きでないと続かない仕事
朝が早いパン店の密着取材は、最寄り駅前のネットカフェに泊まり、午前4時半~5時頃にスタート。半年間で3日に1日のペースで通ったが、「それでも結構大変だったのに、これを毎日やっているお店の皆さんは本当にすごいなと思いました」と実感した。
始発電車に乗っても出勤時間に間に合わないため、ほとんどのスタッフが店の近所に家を借りているそうで、「住みたいところに住む自由もない中で、本当にパンが好きでないと続かない仕事なのだと思いました」と、リスペクトの気持ちを抱きながら取材したという。
そんな職人たちが作るパンは「本当においしいです」と絶賛し、中でもおすすめは、クロワッサン生地にカスタードクリームを塗った「カンノンチーニ」と「カレーパン」。それだけでなく、「例えば、照り焼きチキンを挟んだパンに、レタスだけでなく、刻んだキュウリ、キャベツといろんな野菜を一緒に入れるなど、どのパンも1個1個手間ひまかけて作られているんです」と、細かいこだわりが感じられるそうだ。
その上、この物価高でも「カレーパン」が200円未満というリーズナブルな価格を守り、常に盛況を誇るこの店には、2025年も地方から新人が入社した。鴨下Dは「今後も引き続き、皆さんを取材させていただきたいです」と意欲を示している。