頭皮を健康な状態を保つ手段として「ヘッドスパ」に興味はあるが、受けると何が変わるのかがいまいちわからない……。そんな疑問を解決するため、今回は「理容御三家」の一角に数えられる高級理容室「ヘアサロン大野」で働く3人のスペシャリストに話を聞いた。

  • ヘアサロン大野のスタッフ

    多くの顧客が抱える頭髪や頭皮の悩みに向き合ってきたヘアサロン大野のスペシャリストたち

ヘアサロン大野ってどんなお店?

東京、大阪、ベトナムで12店舗を展開するヘアサロン大野は、1934年の創業以来、VIP御用達の理容室として愛されてきた。卓越した技術と心に寄り添ったサービスが同店の魅力だ。

  • ヘアサロン大野の施術の様子

    ヘアサロン大野はVIP御用達の理容室だ(写真はiki 日本橋本店)

  • ヘアサロン大野の施術の様子

    施術中の様子(iki 日本橋本店)

今回話を聞いたのは、「ホテルニューオータニ ザ・メイン店」スタイリストの佐々木卓哉さん、「BARBERING METHOD(青山店)」店長の鈴木智也さん、「ヘアサロン大野 バルビエ店」アシスタントの竹内美桜さんの3人。店舗によってコンセプトが異なり、ユーザーの年齢層もニーズも違う中で、顧客の頭髪や頭皮の悩みと向き合ってきた3人に、ヘッドスパについてのあれこれを聞いてみた。

ヘッドスパで何が変わる?

――ヘアサロン大野にいらっしゃるお客様は頭皮や頭髪にどんな悩みを持っていますか?

佐々木さん:ホテルニューオータニ ザ・メイン店は男性のお客様が8割くらいですが、「髪の毛が細くなって立ち上がりが悪くなった」「抜け毛が多い」という悩みが圧倒的に多いですね。そうした頭皮や頭髪の悩みを抱える中で、「AGA治療はちょっと高額だし、日頃から自分でケアするのも面倒だから、何かいいのない?」とご相談されるお客様が多いです。

  • ヘアサロン大野のスタッフ

    ベトナム勤務を含めキャリア13年の佐々木さん。2025年4月から「ホテルニューオータニ ザ・メイン店」に勤務している。これからの若いスタイリストたちが海外に挑戦できるよう、日本と海外を橋渡しするマネジメント業務なども担当する

鈴木さん:30~40代のビジネスマンの中でも、美容に関する意識が高い男性客の利用が多いBARBERING METHODですが、レディースシェービング(女性の顔そり)を行っていることもあって、女性のお客様にもたくさんいらっしゃっていただいています。女性の場合、薄毛の悩みはあまりないですが、「髪のボリュームが出づらくなってきた」「髪に癖が出てきた」といった髪質に関する悩みが多く、男性とは違う印象ですね。

竹内さん:4月で入社して3年目に入りますが、今はアシスタントとしてヘッドスパを担当させていただく機会も多いです。そのなかで、やっぱりお客様からは抜け毛やかゆみに関する悩みを聞くことが多いかなと思います。

――そうした悩みに対してヘッドスパは効果的なのでしょうか?

佐々木さん:血行を促進して健康的な頭皮にすることで、髪の毛が育ちやすい環境を整えてあげる、という感じです。頭皮には髪の毛を作る「毛母細胞」という細胞がありますが、血液の循環が悪いとそこに栄養が運ばれなくなってしまいます。ヘッドスパで血行を促してあげると、髪の成長を手助けすることができます。

竹内さん:毛穴の汚れをしっかり取ることで、その後につける頭皮用化粧水が浸透しやすくなります。保湿効果もあり、そういう意味でも育毛のためというところが大きいと思います。

  • ヘアサロン大野のスタッフ

    入社3年目の竹内さん。これまで、東京にある5店舗のうち3店舗をローテーションしながら技術を高めてきた。4月からは「ヘアサロン大野 バルビエ店」の配属となり、スタイリストを目指してカットも勉強中だ

鈴木さん:年齢とともに油分や水分が少なくなり、髪がパサついてしまう方が増えてきます。これも、頭皮をケアしてあげると改善されるので、美髪にもつながりますね。

ヘッドスパはどのくらいの頻度で受けるべき?

――そもそも、健康的な頭皮とはどういった状況のことですか?

佐々木さん:指で押さえてちょっと動かした時に、頭皮がしっかりと動いてくれる状態が健康な状態です。あとは、ぐっと押した後に、指を離してもその形が残っていたり、色が戻らなかったりするのは、血行がよくない状態だと考えられます。見た目としては、頭皮が青白い方がいいですね。

――健康な頭皮を手に入れるために、ヘッドスパはどれくらいの頻度で行うのがいいのでしょうか?

鈴木さん:頻度は好みにもよると思いますが、お店での施術になるので、カットの周期で大丈夫です。ただ、最低でも月に1回程度は、カットのタイミングでヘッドスパを受けるのがオススメですね。

  • ヘアサロン大野のスタッフ

    入社7年目、スタイリスト歴4年の鈴木さん。この春から、2年間店長代理を務めた「BARBERING METHOD(青山店)」の店長に昇格

――店舗で施術を受けられない場合でも、自宅でセルフケアをした方がいいですか?

佐々木さん:頭皮を揉むことは、毎日した方がいいですね。シャンプーをする際、指で頭皮を擦る方が多いんですが、頭皮をマッサージするように揉んであげた方が、毛穴の中まで泡が入って汚れをしっかり取ってくれます。

――ちなみに、ヘッドスパだけでもヘアサロン大野を利用して大丈夫ですか?

鈴木さん:ヘッドスパだけのご利用ももちろん問題ありません。当店の場合、女性の方がヘッドスパだけを受けに来られるケースも多いです。他にも、お友達同士やカップルで、ヘッドスパを一緒に受けに来られることも結構多いですね。

  • ヘアサロン大野「BARBERING METHOD(青山店)」
  • ヘアサロン大野「BARBERING METHOD(青山店)」
  • ヘアサロン大野「BARBERING METHOD(青山店)」

    ヘアサロン大野「BARBERING METHOD(青山店)」の店内はこんな感じ

――ヘッドスパを受けるお客様が多い時期はありますか?

竹内さん:各店の特徴によっても異なると思いますが、3月の終わりから4月ごろは多いかなと思います。ヘアサロン大野グループの場合、ヘッドスパが受けられるチケットをご用意しているんですが、お世話になった方などにギフトとしてチケットを送る方もいらっしゃいます。ちょうどこの時期は、チケットを使ってヘッドスパを体験されるお客様が多いです。会社の後輩や取引先などからチケットを受け取ってご来店されたのかなと想像しています。