金曜ロードショーでは5月、宮﨑駿監督・スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』と『紅の豚』を2週連続で放送する。
『風立ちぬ』以来10年ぶりに、宮﨑駿監督が生み出した本作は、2023年7月の公開時には「先入観なしで映画を楽しんでほしい」という思いから、ポスタービジュアルのみの露出だったにも関わらず、公開されるとSNSを中心に話題を呼び大ヒットを記録。全米でも週末興行ランキングで1位を獲得し、第81回ゴールデン・グローブ賞アニメーション映画賞、第96回米アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞を受賞で2度目のオスカー獲得という快挙を達成した。また世界興行収入で、スタジオジブリ作品の中でも一番の成績となった。
【5月2日放送】『君たちはどう生きるか』あらすじ
舞台は第二次世界大戦中の日本。主人公の少年・眞人(まひと)は、火事で最愛の母親を失い、父と共に東京を離れ、疎開先の大きな屋敷に引っ越す。しかし、新しい環境になじめず、複雑な感情を抱える眞人は、屋敷で出会った不思議な青サギに導かれ、大伯父が建てた古い塔へと向かい、もうひとつの世界へ迷い込む。その世界で出会ったのは、漁師の女性キリコ、火を操る謎の少女ヒミ、そして眞人を追う奇妙なインコたち。やがて眞人は大伯父と出会い世界の秘密を知ることに……。
青サギ・サギ男を菅田将暉、眞人の父・勝一を木村拓哉、継母・夏子を木村佳乃が務めたほか、柴咲コウ、あいみょん、火野正平、國村隼など豪華俳優陣が声優を担当したことでも話題となった。
『君たちはどう生きるか』制作秘話 - 宮﨑駿監督が挑んだ新しい主人公像
従来のジブリ作品では、明るく元気な女の子や、正義感の強い少年を中心に描かれることが多かったのに対し、本作の主人公・眞人は、“心の中に、複雑な感情を抱えながら生きる少年”として登場する。
最愛の母を失い、新しい母親の夏子との関係に戸惑い、新しい学校にもなじむことができない11歳の少年・眞人。宮﨑駿監督は、子どもながらに様々な感情を抱え、葛藤しながらも、まっすぐに生きようとする眞人を、自身の少年時代の記憶を参考に描いたという。そんな多感な時期の等身大の少年・眞人が、青サギに導かれ、もうひとつの世界に迷い込む。生と死が混然一体となった世界を巡るファンタジー作品だ。
【5月9日放送】『紅の豚』
5月9日放送の『紅の豚』は、第一次世界大戦後のアドリア海を舞台に、豚の姿の賞金稼ぎポルコ・ロッソを描く物語。
この作品は当初、日本航空の機内上映用の短編アニメーションとして企画されたのだそう。『風の谷のナウシカ』以来長編の劇場アニメーションを作り続けてきた宮﨑監督は、スタッフのリフレッシュも兼ねて気楽な小品を作りたいと考えていた。
原案は監督自身が模型雑誌に発表した漫画「飛行艇時代」。この趣味のつまった原案からストーリーを練るうちに、構想が膨らみ劇場公開作品になったという。宮﨑監督の趣味たっぷりの飛行機のラインナップ、空を飛んで風を感じるような緻密な動きのアニメーションなど、スタジオジブリ作品の魅力がつまった作品となっている。
『君たちはどう生きるか』初放送記念特番も放送
なお、4月29日15時55分からは、『君たちはどう生きるか』初放送を記念して、ジブリ特番を放送(※関東と一部地域)。作品のあらすじや、主人公・眞人をはじめとする個性豊かなキャラクターを、映画の映像を交え紹介するほか、これまでの宮﨑駿監督の足跡を振り返り、作品の魅力に迫る。さらに、眞人役の声の出演をした山時聡真が、話題の「ジブリパーク」を訪問。スタジオジブリ作品の世界を体験できる公園施設で、展示や貴重な資料を巡る。
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