4月1日にスタートしたNHKのドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』(総合 毎週火曜22:00~)で主演を務める桜井ユキ。薬膳料理を取り入れた本作では、食事のシーンが多く描かれるが、桜井自身も日々、食事の時間を大切にしているという。
「一緒に作って食べるという時間を大切にしています」
本作は、一生付き合わなければならない病気(膠原病)にかかったことで、会社務めから週4日のパート生活への変更を余儀なくされ、家賃5万円の団地暮らしを始めた38歳独身・麦巻さとこが、薬膳料理と団地や職場の人間関係を通して心身を取り戻し、身近にあった自分次第の幸せに気づいていく物語。主人公のさとこを桜井が演じ、隣に住む大家の美山鈴を加賀まりこ、鈴の同居人で“料理番”の羽白司を宮沢氷魚が演じる。
身体に優しい薬膳料理を味わうシーンで、桜井は「ゆっくり食べる」ことを意識しているという。
「忙しいと早く食べないといけない。何が入っているということを把握することなく、とりあえずお腹を満たすということをやってしまいますが、さとこは薬膳に出会って、この素材はどういう効能があるのかというのを理解し、何を自分が入れたのか全部把握した上で料理をいただくんです。その味わい方が原作を見ていてすごくいいなと思い、丁寧に味わって食べる大切さを改めて感じたので、そう見えるといいなという思いでゆっくり味わって食べています」
桜井自身、料理が好きで食事を大事にしているそうだが、結婚してから、より食事の時間を大切に感じているという。
「1人でパパっと済ませるより、誰かとご飯を食べると本当に豊かな時間が過ごせるので食事の時間は大事ですね。休みの日がかぶったら、家でゆっくり食事をとるように。一緒に作って食べるという時間を大切にしています」
さらに、結婚してからオンオフの切り替えができるように。
「1人のときはずっと仕事モードだったり、ずっとスイッチが入った状態でしたが、今は家に帰ったら、オンオフをなんとなく自然に作れるようになりました」
1人の時間も大切に「内側が自由でいられるという意味で欠かせない」
2021年のインタビューで、「仕事もプライベートもまったく焦りがなくて、どんどん楽になっているというか、気持ちも軽くなってきています」と話していた桜井。
今の状況を尋ねると「その変化は今も変わらず続いていますが、生きやすくなったということに浸からないようにしなきゃいけないなと感じています」と答え、「生きやすいな、楽だなというところにずっと浸かっているとよくないので、自分の中でメリハリをつけて、自分に対して刺激を与えていくということを逆にやっていかないといけないなと思っています」と語った。
また、1人の時間を作るようにしているそうで、「1人で外を歩いています」と明かす。
「日常で実践しているのは歩くこと。どんなに疲れていても、30~40分何も考えずに歩くと気持ちがスッキリするので、時間がない中でも歩く時間は作るようにしています」
1人の時間は自分の心を健やかに保つために欠かせないという。
「誰かと一緒にその時間を共有するという時間もすごく好きですし、大事にしていますが、誰かが隣にいることで無意識にその人の空気感や温度に合わせている部分があるので、内側が自由でいられるという意味で1人の時間は欠かせないです」
最後に本作について「食の大切さや人との付き合いって素敵ですよということもありますが、一番は、肩の力を抜いて、頑張らなくてもいいんだよということを伝えられたらいいなと思っています」と述べ、「作中で『社会って生産性と向上心がないといけない場所だから』というようなセリフがありますが、そういう空気ってやっぱりあるなと。でも、自分を一番に考えて大切にしたときに、別に頑張らなくても、逃げたいと思ったら逃げていいし、そういった自分をいたわることの大切さを感じつつ見ていただけたらなと思います」と視聴者にメッセージを送った。
1987年2月10日生まれ、福岡県出身。24歳のデビュー以来、演技派女優として注目を集め、話題のドラマや映画に多数に出演。2019年に放送されたNHK主演ドラマ『だから私は推しました』では、第46回「放送文化基金賞」演技賞を受賞。2021年~2022年に放送されたNTV系ドラマ『真犯人フラグ』では怪演が話題に。昨年はNHK連続テレビ小説『虎に翼』、TBS系ドラマ『ライオンの隠れ家』などに出演。映画『#真相をお話しします』が4月25日、『フロントライン』が6月13日公開予定。