南海電気鉄道は、2026年4月1日付で鉄道事業を完全子会社に承継させるため、分割準備会社との間で吸収分割契約を締結したと発表した。これにともない、同日付で自社の商号を「株式会社NANKAI」へ変更することも決定した。

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今回の分社化は、鉄道と不動産という異なる事業領域において、それぞれの特性に応じた経営体制の確立を目的に実施。鉄道事業は迅速な意思決定と現場主導の運営体制を構築することにより、持続可能な輸送サービスの提供をめざす。

一方、商号変更後の「株式会社NANKAI」は、不動産事業の拡大や新規事業の創出を通じて、グループ全体の成長を牽引していく方針だという。鉄道事業は完全子会社の「南海電気鉄道分割準備株式会社」が引き継ぐ。

現在の南海電鉄を分割会社、準備会社を承継会社とする吸収分割により、2026年4月1日付で現在の南海電鉄は鉄道事業を本体から切り離し、分割準備会社に承継させる。分割準備会社は同日付で商号を「南海電気鉄道株式会社」に変更。現行の社名は鉄道事業専業の新会社へ引き継がれる形となる。準備会社の発行済株式は200株とされ、そのすべてを親会社の現・南海電鉄が保有する。なお、今回の商号変更などは、6月に行われる定時株主総会での承認と、必要な官公庁の許認可を条件としている。