SMBCコンシューマーファイナンスは3月27日、「20代の金銭感覚についての意識調査2025」の結果を発表した。調査は2025年2月19日~21日、20歳~29歳の男女1,000人を対象にインターネットで行われた。

20代の毎月のお小遣い、平均34,605円

全国の20歳~29歳の男女1,000名(全回答者)に対し、毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、「1万円以下」(29.2%)や「1万円超~2万円以下」(13.7%)、「4万円超~5万円以下」(20.0%)に多くの回答が集まり、平均は34,605円だった。前回の調査結果と比較すると、毎月自由に使えるお金の平均は2,491円の減少(前回調査37,096円→今回調査34,605円)となった。

婚姻状況別にみると、未婚男性では1,995円の減少(前回調査35,900円→今回調査33,905円)、未婚女性では3,816円の減少(前回調査41,300円→今回調査37,484円)、既婚男性では3,464円の減少(前回調査30,541円→今回調査27,077円)、既婚女性では997円の減少(前回調査30,885円→今回調査29,888円)と、いずれの層でも減少する結果となった。

  • 毎月自由に使えるお金はいくらあるか?

  • 毎月自由に使えるお金の平均額の変化

20代の貯蓄額、平均69万円

貯蓄状況について質問した。現時点で、どのくらいの貯蓄ができているか聞いたところ、「50万円以下」(42.4%)に最も多くの回答が集まったほか、「50万円超~100万円以下」(11.5%)にも回答がみられ、調整平均は69万円だった。また、「0円」は20.4%となった。前回の調査結果と比較すると、現在貯蓄できているお金の調整平均は13万円の増加(前回調査56万円→今回調査69万円)となった。

婚姻状況別にみると、未婚者では17万円の増加(前回調査49万円→今回調査66万円)となったのに対し、既婚者では2万円の減少(前回調査94万円→今回調査92万円)となった。

職業別にみると、会社員では16万円の増加(前回調査106万円→今回調査122万円)、パート・アルバイトでは21万円の増加(前回調査24万円→今回調査45万円)、学生では2万円の増加(前回調査22万円→今回調査24万円)と、いずれも増加傾向がみられた。

  • 現在貯蓄できているお金はいくらあるか?

  • 現在貯蓄できているお金の調整平均額の変化

5年間でのお小遣い額と貯蓄額の変化

ここで、5年前の調査結果と比較すると、毎月自由に使えるお金の平均は、2020年28,760円→2025年34,605円と、5,845円の増加となった。5年間でお小遣い額は1.2倍になっているようだ。

婚姻状況別にみると、未婚男性では4,403円の増加(2020年29,502円→2025年33,905円)、未婚女性では1,992円の増加(2020年35,492円→2025年37,484円)、既婚男性では4,309円の増加(2020年22,768円→2025年27,077円)、既婚女性では12,350円の増加(2020年17,538円→2025年29,888円)となった。

  • 毎月自由に使えるお金の平均額の変化

また、現在貯蓄できているお金の調整平均は、2020年53万円→2025年69万円と、16万円の増加となった。お小遣い額と同様に増加傾向がみられ、5年間で貯蓄額は1.3倍になっていることがわかった。

婚姻状況別にみると、未婚者では19万円の増加(2020年47万円→2025年66万円)、既婚者では22万円の増加(2020年70万円→2025年92万円)となった。

職業別にみると、会社員では29万円の増加(2020年93万円→2025年122万円)、パート・アルバイトでは20万円の増加(2020年25万円→2025年45万円)、学生では3万円の増加(2020年21万円→2025年24万円)となった。

  • 現在貯蓄できているお金の調整平均額の変化

「現在の貯蓄状況に不安」20代の3人に2人

現在の自分の貯蓄状況について、不安を感じているか聞いたところ、「感じている」は68.6%、「感じていない」は31.4%と、20代の3人に2人が自身の貯蓄状況に対し不安感を抱いていることがわかった。

男女・年代別にみると、不安を感じている人の割合は、20代後半女性(74.4%)が最も高くなった。

  • 現在の自分の貯蓄状況について、不安を感じているか?

老後の生活資金は年金だけで十分か

全回答者(1,000名)に、老後資金や老後の生活に対する考えについて聞いた。

老後資金についてみると、「老後の生活資金は年金だけで十分だと思う」では「そう思う」が13.6%、「そう思わない」が86.4%となった。老後の生活についてみると、「老後が不安」では「そう思う」が69.2%、「老後が楽しみ」では「そう思う」が17.3%となった。男女別にみると、老後が不安と感じている人の割合は、女性では74.6%と、男性(63.8%)と比べて10.8ポイント高くなった。

経済の先行きに対する不透明感や老後資金に対する不安の高まりなどにより、自身の老後に明るい見通しを持てないと感じる人が多いのかもしれない。

  • 老後資金や老後の生活について、そう思うか、思わないか?

リタイア時、貯蓄がいくらあれば安心できるか

リタイア時にあれば安心できる貯蓄額のイメージについて質問した。全回答者(1,000名)に、仕事をリタイアする年齢までに貯蓄がいくらあれば安心できるか聞いたところ、「500万円以下」(24.3%)や「500万円超~1千万円以下」(15.1%)、「1千万円超~2千万円以下」(13.7%)に回答が集まり、調整平均は1,969万円だった。

前回の調査結果と比較すると、リタイア時にあれば安心できる貯蓄額の調整平均は226万円の減少(前回調査2,195万円→今回調査1,969万円)となった。

  • 仕事をリタイアする年齢までに貯蓄がいくらあれば安心できるか?

ここで、5年前の調査結果と比較すると、リタイア時にあれば安心できる貯蓄額の調整平均は、2020年2,506万円→2025年1,969万円と、537万円の減少となった。

男女別にみると、男性では423万円の減少(2020年2,948万円→2025年2,525万円)、女性では633万円の減少(2020年2,066万円→2025年1,433万円)となった。

  • リタイア時にあれば安心できる貯蓄の調整平均額の変化

金銭感覚と人間関係について

マネー意識について質問した。全回答者(1,000名)に、金銭感覚と人間関係についての意識を聞いたところ、「金銭感覚が異なる人とは友達になりたくない」では「非常にあてはまる」は14.2%、「ややあてはまる」は25.9%で、合計した「あてはまる(計)」は40.1%となり、「金銭感覚が異なる人とは恋人になりたくない」では「あてはまる(計)」は48.9%となった。

男女別にみると、女性では、金銭感覚が異なる人とは友達になりたくないと回答した人の割合が48.2%、金銭感覚が異なる人とは恋人になりたくないと回答した人の割合が57.4%と、男性(順に32.0%、40.4%)と比べて15ポイント以上高くなった。

  • 人間関係について、自身の気持ちにどのくらいあてはまるか?

また、「金銭感覚が異なる人とは夫婦になりたくない」では「あてはまる(計)」は56.0%となった。男女別にみると、女性では金銭感覚が異なる人とは夫婦になりたくないと回答した人の割合が63.6%と、男性(48.4%)と比べて15.2ポイント高くなった。

  • 人間関係について、自身の気持ちにどのくらいあてはまるか?

金銭感覚が異なる人とは夫婦になりたくないと考えている人(560名)に、夫婦になる人と同じ金銭感覚でありたいと思うのは何に関する金銭感覚か聞いたところ、「食事」(50.4%)が最も高くなった。食事に対しどのくらいのお金をかけるかという感覚に、夫婦間で大きなギャップがないようにしたいと思う人が多いのかもしれない。次いで高くなったのは、「娯楽・交際」(42.0%)、「趣味」(41.1%)、「貯蓄・投資」(38.6%)、「住宅」(25.4%)だった。男女別にみると、女性では「貯蓄・投資」が43.4%と、男性(32.2%)と比べて11.2ポイント高くなった。

  • 夫婦となる人と同じ金銭感覚でありたいと思うのは何に関する金銭感覚か?

さらに、全回答者(1,000名)に、お金と幸せの関係についての意識を聞いたところ、「幸せになるにはお金が必要」では「あてはまる(計)」は58.7%となった。男女別にみると、女性では幸せになるにはお金が必要と回答した人の割合が64.0%と、男性(53.4%)と比べて10.6ポイント高くなった。

  • 幸せになるにはお金が必要

人生を楽しむために一番大切にしたいと思うもの

全回答者(1,000名)に、人生を楽しむために一番大切にしたいと思うものを聞いたところ、1位「お金」(10.0%)、2位「趣味」(9.9%)、3位「家族」(9.5%)、4位「恋人・パートナー」(8.9%)、5位「自分らしさ」(8.5%)となった。

男女別にみると、男性では1位「趣味」(11.8%)、2位「お金」(11.4%)、3位「恋人・パートナー」(9.6%)、女性では1位「家族」(13.0%)、2位「自分らしさ」(11.0%)、3位「お金」(8.6%)だった。

男女・年代別にみると、20代前半男性では「趣味」(12.8%)、20代後半男性では「趣味」「恋人・パートナー」(いずれも10.8%)、20代前半女性では「趣味」(10.4%)、20代後半女性では「家族」(16.0%)が1位だった。

  • 人生を楽しむために一番大切にしたいと思うものは?

金銭感覚の変化について

金銭感覚の変化について質問した。全回答者(1,000名)に、これまでに自分の金銭感覚が変化したことがあるか聞いたところ、「変化したことがある」は56.8%、「変化したことはない」は43.2%となった。

  • これまでに自分の金銭感覚が変化したことがあるか?

これまでに自分の金銭感覚が変化したことがある人(568名)に、金銭感覚が変化したきっかけを聞いたところ、「一人暮らしを始めた」(23.9%)が最も高くなり、「クレジットカードを作った」(21.8%)、「アルバイトを始めた」(19.2%)、「就職した」(16.7%)、「お小遣いが増えた・減った」「恋人ができた」(いずれも15.8%)が続いた。

男女別にみると、女性では「就職した」が21.0%、「恋人ができた」が18.6%、「仕事をやめた」が13.8%と、男性(順に12.2%、12.9%、8.3%)と比べて5ポイント以上高くなった。女性には、仕事や恋愛がきっかけで金銭感覚が変わったと感じている人が多いようだ。

  • 自分の金銭感覚が変化したきっかけは?

今の生活の豊かさ満足度

今の生活の豊かさの実感について質問した。全回答者(1,000名)に、今の生活の豊かさについて、どの程度満足しているか聞いたところ、「今の生活の経済的な豊かさ」では「満足している」が7.6%、「どちらかといえば、満足している」が33.9%で合計した「満足(計)」は41.5%、「不満だ」が20.4%、「どちらかといえば、不満だ」が38.1%で合計した「不満(計)」は58.5%となり、「今の生活の精神的な豊かさ」では「満足(計)」は54.1%、「不満(計)」は45.9%となった。精神面では満足した生活を送れていると感じている人が多くなった一方、経済面では不満を抱えながら生活を送っている人が多い結果となった。また、「今の生活の豊かさ」では「満足(計)」は48.4%、「不満(計)」は51.6%となった。

  • 今の生活の豊かさについて、どの程度満足しているか?

ここで、第1回の調査結果と比較すると、「今の生活の経済的な豊かさ」で「満足(計)」と回答した人の割合は2014年33.5%→2025年41.5%と8.0ポイントの上昇、「今の生活の精神的な豊かさ」で「満足(計)」と回答した人の割合は2014年51.2%→2025年54.1%と2.9ポイントの上昇となったのに対し、「今の生活の豊かさ」で「満足(計)」と回答した人の割合は2014年59.4%→2025年48.4%と11.0ポイントの下降となった。

  • 今の生活の豊かさについて、満足している人の割合の変化

結婚しようと思える世帯年収額

ライフイベントと年収の関係について質問した。全回答者(1,000名)に、結婚しようと思える世帯年収額を聞いたところ、年収500万円でしようと思える割合(「年収500万円あれば」までの合計)は38.9%、年収600万円でしようと思える割合(「年収600万円あれば」までの合計)は48.7%、年収700万円でしようと思える割合(「年収700万円あれば」までの合計)は54.5%となり、20代の半数以上が結婚をイメージできるのは年収700万円であることがわかった。また、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」は25.9%となった。

前回の調査結果と比較すると、半数以上が結婚しようと思えるのは、前回調査では年収600万円(56.1%)、今回調査では年収700万円(54.5%)と、結婚へのハードルが上昇する結果となった。また、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答した人の割合は、前回調査21.8%→今回調査25.9%と4.1ポイント上昇した。

  • 結婚しようと思える年収(世帯年収)は?

出産・子育てしようと思える世帯年収額

出産・子育て(1人)しようと思える世帯年収額を聞いたところ、20代の半数以上がイメージできるのは、前回調査では年収700万円(51.4%)、今回調査では年収800万円(53.0%)と、ハードルが上昇した。また、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答した人の割合は、前回調査24.3%→今回調査29.0%と4.7ポイント上昇した。

  • 出産・子育て(1人)しようと思える年収(世帯年収)は?

自家用車を購入しようと思える世帯年収額

自家用車を購入しようと思える世帯年収額を聞いたところ、年収400万円でしようと思える割合は26.4%、年収500万円でしようと思える割合は38.8%、年収600万円でしようと思える割合は50.5%と、半数以上が自家用車の購入をイメージできるのは年収600万円となった。

前回の調査結果と比較すると、半数以上が自家用車を購入しようと思えるのは前回調査では年収600万円(54.3%)、今回調査でも年収600万円(50.5%)だった。

  • 自家用車を購入しようと思える年収(世帯年収)は?

また、住宅を購入しようと思える世帯年収額を聞いたところ、20代の半数以上がイメージできるのは、前回調査では年収900万円(52.7%)、今回調査でも年収900万円(50.8%)だった。

  • 住宅を購入しようと思える年収(世帯年収)は?

ここで、第1回の調査結果からの推移をみると、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答した人の割合は、「結婚」では2014年は9.5%と1割にとどまっていたものの、徐々に上昇し2021年や2024年(いずれも21.8%)では2割台となり、2025年は25.9%と2014年の約3倍となっている。

「出産・子育て」でも同様の傾向がみられ、2014年は11.9%となっていたものの、2021年(24.2%)や2024年(24.3%)では2割台となり、2025年(29.0%)では3割になった。

  • 年収がどんなに多くても、結婚/出産・子育て(1人)したいと思えない人の割合の変化

また、「自家用車の購入」では2014年は12.3%、「住宅の購入」では2014年は12.1%と1割台前半となっていたものの、2021年には「自家用車の購入」で27.1%、「住宅の購入」で26.0%とどちらも2割半を超え、2025年は「自家用車の購入」で29.8%、「住宅の購入」で28.2%と調査開始以来最も高くなった。

  • 年収がどんなに多くても、自家用車/住宅を購入したいと思えない人の割合の変化