3番目に注目されたシーンは20時39分で、注目度73.5%。うつせみ(小野花梨)と小田新之助(井之脇海)が、けん騒に紛れて2人で消えていくシーンだ。

もはや名物となりつつある市兵衛と与八の雀踊り。最終日の今日、宿敵であるはずの2人がとった思いがけない行動に、集まった見物客は沸き立っていた。そんな様子をうつせみは松の井(久保田紗友)とともに駿河屋の2階から見ていたが、祭り好きの豪商(林家三平)に、うつせみと松の井は外へと連れ出された。

表へ出て、仲ノ町通りにあふれる熱気を肌に感じるうつせみ。そのうつせみの眼前には他でもない新之助がいた。新之助はまっすぐにうつせみを見つめている。とまどううつせみの背を誰かが強く押した。松の井だった。「祭りに神隠しは付き物でござんす。お幸せに」松の井は優しくそう言って、うつせみに顔を隠すための笠を手渡す。松の井の言葉にはっとしたうつせみは、新之助のもとへ走り出した。そのまま2人は連れ添って、大門の外へと消えていってしまった。

『土スタ』での「期待して」の答えが明らかに

ここは、うつせみと新之助の再会に視聴者の関心が集まったと考えられる。

足抜けが失敗し疎遠となっていた2人だが、お互いの相手への想いは色あせることはなかったようだ。うつせみは自由になった日に備えて蔦重から借りた本で勉強を重ね、新之助は少しずつだがお金を貯めていた。そんな2人を後押ししたのは松葉屋の筆頭花魁・松の井だった。普段はツンとしている松の井だが、うつせみを送り出した際に垣間見せた優しい表情が非常に印象的だった。しかし、再び足抜けを図るとは想定外だった。

SNSでは、「うつせみちゃんと新之助くん、ここまで我慢したんだから幸せになってもいいよね」「新之助とうつせみが人ごみに消える姿がジーンときた」と、2人を見守る声が集まっている。3月8日に放送された『土スタ』での、井之脇海と小野花梨の「期待して」というコメントの答えが明らかになった。しかし、「このドラマが鎌倉殿だったら、次回の冒頭は2人の死体が川に捨てられているシーンになりそう」「ふたりには幸せになってほしいけど、うまくいかないとふたりで…ということもあり得るのか」と、2人の行く末を案じるコメントもある。このようなバッドエンドにならないように願うばかりだ。

そして、今回のMVPである松の井にも多くの投稿が寄せられている。「松の井花魁、べらぼうに粋でした」「それまで笑っていたのに、最後の松の井姐さんに泣かされてしまった」「松の井花魁がカッコよすぎてほれた」と、松の井の粋な言動に称賛が集まった。

また、2人が足抜けできるほどのけん騒を生み出した市兵衛と与八だが、この最終日にはなんと、お互いの健闘をたたえ笠と扇子を交換し、一緒に踊り出すというトンデモ展開に。「殴り合った後の夕日の河原かな?」「ユニフォーム交換みたいにさわやかに笠と扇子を交換したのは笑った」「お互いに認め合って一緒に踊るのは、まさに粋だねえ」と、2人のスポーツマンシップも称賛されており、何かと話題の尽きない俄祭りとなった。