
新車購入時には、車両本体価格やオプション費用に加えて、諸費用がかかります。諸費用には車の税金や自動車保険料などが含まれており、購入時にはしっかりと把握することが重要です。
この記事では、新車購入時にかかる諸費用の内訳と概算金額のほか、諸費用を安くする方法について解説します。高い買い物である新車の支払総額を抑えるためにも、諸費用を安くする方法について知っておきましょう。
新車購入時の諸費用(法定費用)の内訳と概算金額
新車購入時にかかる諸費用は、「法定費用」と「それ以外の費用」に大別できます。ここでは、諸費用のうち、法定費用の内訳と概算金額について解説します。
自動車重量税
新車購入時の法定費用のひとつに、自動車重量税が挙げられます。自動車重量税は車両の重量に応じて課せられ、自家用乗用車の場合、0.5tごとに1年あたり4,100円(軽減なしの場合)高くなります。新規登録時、および車検のときに次回の車検までの期間の重量税を納付します。例えば1.5tの自家用乗用車の場合、4,100(円/0.5t)×3×3年分で3万6,900円が標準税額です。軽自動車の場合は、車両重量にかかわらず1年あたり3,300円なので、3年分で9,900円となっています。
なお、新規登録・検査時は3年分ですが、以後は車検ごとに2年分を支払うことになります。
自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割
自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割(以下、環境性能割)は、新車・中古車を問わず、車を取得した際に「車の取得価額(車両本体価格とオプション費用など)×税率」で算出される法定費用です(車の取得価額が50万円以下の場合は免税)。
環境性能割の特徴として、車の環境性能に応じて税率(0~3%)が決まるということがあります。電気自動車(EV)や燃料電池車、一部のハイブリッド車(HEV)は非課税(税率0%)になったり、税額が低くなったりします。例えば、250万円の自家用乗用車を新車で購入した場合、通常ならば7万5,000円の環境性能割がかかりますが、EVを購入した場合は0円です。(2025年3月時点)
自動車税種別割
自動車税種別割・軽自動車税種別割は4月1日時点での車検証上の所有者に対して毎年課税される税金ですが、年度の途中で購入した場合、自動車税種別割は購入月の翌月から翌3月までの月割り額を支払います。軽自動車税種別割には月割りがないので、購入年度の支払いは発生しません。
自動車税種別割は、車両の種別・用途や、総排気量に応じて税額が変わるのが特徴です。総排気量2.0Lの自家用乗用車を購入した場合、年額3万9,500円の自動車税が標準税額として課されます。一方、自家用軽自動車の場合は、一律で年額1万2,900円です。
消費税
消費税は、新車購入時に必ずかかる法定費用です。2025年時点の日本では、消費税率は10%であり、車両本体価格とオプション費用に対して、消費税がかかります。
車両本体価格とカーナビやフロアマットなどのオプション費用を含めた金額が300万円の場合、消費税は30万円です。
自賠責保険料
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、車を購入した場合に必ず加入しなければならない強制保険であり、法定費用に含まれます。
自賠責保険の契約期間は、車検期間に合わせることが一般的です。自家用乗用車を新車で購入した際の車検期間は3年間のため、2025年3月時点で沖縄県と離島以外において自家用乗用車を新車で購入した場合、36ヵ月分で2万3,690円、または37ヵ月分の2万4,190円となります。
軽自動車の場合は、36ヵ月分で2万3,520円(37ヵ月分は2万4,010円)です。
自動車リサイクル料(リサイクル預託金)
自動車リサイクル料(リサイクル預託金)は、自動車リサイクル法にもとづいて、車を廃車にする際にかかるリサイクル費用です。車の購入時に、まえもって支払う(預託する)必要があります。
自動車リサイクル料は、自動車メーカーや車種のほか、グレードによって異なり、一般的に普通乗用車であれば1万~2万円程度です。軽自動車の場合は概ね7,000~1万6,000円となっています。
新車購入時の諸費用(法定費用以外)の内訳と概算金額
新車を購入する際には、税金や自動車リサイクル料など法で定められた費用以外にもさまざまな諸費用がかかります。ここでは、新車購入時に発生する法定費用以外に関して、内訳と概算金額を解説します。
登録・検査手数料と代行手数料
新車を購入する際には、車を新たに登録・検査して、自動車検査証(車検証)と自動車登録番号標(ナンバープレート)を取得するための手数料が発生します。2025年3月時点で、登録・検査手数料(印紙代)は数千円程度です。
ただし、この登録と検査は、管轄の運輸支局や自動車検査登録事務所へ直接赴いて手続きする必要があり、カーディーラーなどが代行するのが一般的です。登録・検査の代行手数料はカーディーラーによって異なり、1万~3万円が相場となっています。
車庫証明印紙代と代行手数料
車を新たに購入する際、基本的には自動車保管場所証明書(車庫証明)が必要です。車庫証明とは、車を置くためのスペースが確保されていることを証明する書類で、取得するには管轄の警察署窓口への申請が必要となります。車庫証明取得にかかる印紙代自体は、数千円で済みます。一部地域の場合は軽自動車も届け出を求められ、数百円の費用が発生するでしょう。
カーディーラーに車庫証明の取得を依頼する場合には、代行手数料が発生します。代行手数料は1万~2万円程度が目安です。
希望ナンバー交付手数料と代行手数料
新車購入時に、ナンバープレートの4桁の数字を希望のものに選ぶことができる「希望ナンバー」のサービスがあります。希望する数字にするためには、交付手数料として4,000~6,000円がかかります。ただし、発光するタイプの字光式ナンバーの場合は5,500~1万1,200円、図柄式ナンバーの場合は7,000~1万円となりますので注意してください。
希望ナンバーの取得に関しては、運輸支局や希望番号予約センターの窓口で申請する必要があります。カーディーラーに代行を依頼することもでき、手数料は5,000~1万円が相場です。
納車手数料
購入した新車を、納車時に自宅など希望の場所へ運んでくれるのが、納車手数料です。納車手数料は、「運送費」や「陸送費」とも呼ばれます。
カーディーラーからどのぐらい距離があるのかによって料金は変わりますが、一般的には7,000~1万5,000円程度が相場です。遠方への納車の場合はさらに高くなり、3万円程度かかることもあります。
下取り査定料
現在所有している車を新車購入時に下取りに出す場合には、車の状態をチェックし、価値付けをする査定が必要です。この査定をカーディーラーに依頼する場合、5,000~1万円程度の下取り査定料がかかる傾向があります。
なお、下取り査定料は、交渉次第で無料になったり、下取りに出すと決めた場合に無料になったりする場合もあるので、事前の確認が必要です。
自動車保険料
新車を購入する際は、自賠責保険のほかに自動車保険に加入するのが一般的です。自動車保険料は、車の型式や運転者の年齢のほか、使用目的などによって異なります。もし、運転者が30~60代で、車両保険なしの場合は、年間で3万円前後が相場です。車両保険ありの場合、5万~6万円程度が相場となっています。
新車購入時の諸費用を抑えるためのポイント
新車購入時にかかる諸費用を抑えるには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。新車購入にかかる全体的なコストを削減できるメリットがあります。ここでは、新車購入時にかかる諸費用を抑えるためのポイントを解説します。
エコカーや軽自動車を購入する
エコカーの新車を購入することで、諸費用を抑えることができます。これは、エコカーが「エコカー減税」「自動車税環境性能割」「グリーン化特例」といった税制優遇を受けられたり、保険料の割引を受けられたりすることが理由です。エコカーは燃費性能に優れているため、長期的に見た場合、かなりの節約になります。
また、軽自動車は普通車より税金や保険料が安い傾向があり、購入費用や維持費で大きな差がつく可能性があります。新車購入時にこれらのエコカーや軽自動車を選ぶことで、初期費用とランニングコストを大幅に削減できるでしょう。
購入のタイミングを意識する
新車の購入タイミングを意識することも、諸費用を抑えるためのポイントとして挙げられます。月初めや年度初めに購入・登録することで、1ヵ月分の自動車税(軽自動車の場合は1年分)の納付をしなくても済むというメリットがあるからです。
また、諸費用ではないものの、新車購入のセール時期(3月や9月などの決算期)を狙うことで、車両本体価格やオプション費用を下げてもらうのも、支払総額を抑える意味では効果的といえます。
各種手続きを自分で行う
車の登録手続きや車庫証明の取得申請手続きなどを自分で行うことで、カーディーラーに支払う代行手数料の数万円分が不要となります。これらの手続きを自分で行えば代行手数料を圧縮でき、結果として支払総額を抑えられるでしょう。また、納車時に自分で車を取りにいくことも可能です。
ただし、未登録車の場合は、ナンバーのついていない現車を運輸支局などへ持ち込む必要があります。また、平日の日中に運輸支局や警察署へ手続きに行ったり、書類を作成したりする手間がかかったりするので、できる人を選ぶ方法といえるかもしれません。
ダイレクト型自動車保険を選ぶ
自動車保険は、保険会社と直接やりとりして加入するダイレクト型自動車保険を選ぶことで、保険料を大きく抑えることができます。ダイレクト型自動車保険は保険代理店を介さないため、代理店を兼ねたカーディーラーで加入するより、年間で数万円単位もお得になることがあります。
また、電話やインターネットで簡単に見積もりができるため、複数の保険会社を比較して最適なプランを選ぶことが可能です。
新車購入時の諸費用を抑えるために、自動車保険を比較・検討しよう
新車を購入する場合、車両本体価格とオプション費用以外の諸費用を抑えることも、支払総額を下げるためには効果的です。税制優遇を受けられるエコカーを選んで法定費用を下げたり、自動車保険をダイレクト型にして保険料を下げたりすることで、諸費用を安くできます。
ちなみに、エコカーを購入することでエコカー割引が適用され、保険料が安くなる場合もあるのです。
ただ、一口にダイレクト型自動車保険といっても、エコカー割引の有無や割引内容は、保険会社によって異なります。自身に合った自動車保険を探すには、複数の保険会社に確認する必要があるため、複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討してください。
難点としては、各保険会社のウェブサイトで見積もり依頼はできるものの、手間や時間がかかること。そこで、自動車保険の一括見積もりサービスを利用して、手軽に見積もりを依頼しましょう。
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