大河ドラマ『べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～』(NHK総合 毎週日曜20:00～ほか)で安田顕演じる平賀源内と行動を共にする浪人・小田新之助役を務めている井之脇海にインタビュー。主演の横浜流星との共演について話を聞いた。

  • 大河ドラマ『べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～』小田新之助役の井之脇海、蔦屋重三郎役の横浜流星、平賀源内役の安田顕(左から)

江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。脚本は、『おんな城主 直虎』(17)以来、8年ぶり2度目の大河ドラマとなる森下佳子氏が手掛ける。

2日に放送された第9回「玉菊燈籠恋の地獄」で小田新之助(井之脇海)とうつせみ(小野花梨)が足抜けを試みるも失敗。新之助は暴行を受け、うつせみも連れ戻されて激しい折檻を受け、SNSでは2人を心配する声や2人の幸せを願う声が続出した。

井之脇は現場でよく、横浜とセリフ合わせをしているという。

「僕が自分のセリフをぼそぼそって言っていると、横浜さんが入ってきてくれて始まって、止められないみたいな(笑)。逆に横浜さんがセリフを言っていて、僕も横で言っていると、2人で『やりますか』みたいな感じになって、本当にずっとセリフ合わせをしています」

その際に、よりよいシーンにするためにどうしたらいいか話し合っているという。

「芝居をこうした方がいいんじゃないかと。例えば、細見を作る回で、これだとかさばって持ち歩きづらいというところで、横浜さんの懐に僕が細見を入れたんですけど、監督がどうしても横浜さんに(細見を)手に取ってほしいとおっしゃっていたので、どうやったら手に取れるかというのを2人でずっと考えていました。『1回入れてみます』『直接渡してみます』とかいろいろ試して、そのシーンの精度をより上げていくためにずっと話している感じです」

続けて、「横浜さんは僕といるときはそうですし、安田さんといるときはボクシングの話をしていますし、本当に柔軟にいろんな顔を。人によって変えてくれている感じです」と明かし、「本当に周りが見えている方ですし、根の真面目さというものが役柄にも乗っていると思います」と称賛。

また、座長としての重圧を周囲に感じさせていないと言い、「見せないようにしてくれているのだと思います。きっとものすごくプレッシャーもあるし、セリフ量、シーン数も多く、朝から晩まで同じ景色の中で長く演じなければいけないというのは大変だと思います。そんな中でも弱音や愚痴は本当に言わない方で、むしろ背負いすぎているんじゃないかなと思うときもありますが、本当に尊敬できる座長だなと思います」とリスペクトしていた。

■井之脇海
1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。映画『夕凪の街 桜の国』(07)で俳優デビュー。『トウキョウソナタ』(08)で、第82回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第23回高崎映画祭新人俳優賞を受賞。近年の主な出演作は、ドラマ『義母と娘のブルース』シリーズ、『ちむどんどん』(22)、『9ボーダー』(24)、『ブラック・ジャック』(24)、『晩餐ブルース』(25)、映画『猫は逃げた』(22)、『バジーノイズ』(24)、『ピアニストを待ちながら』(24)など。5月4日より本多劇場で舞台『リプリー、あいにくの宇宙ね』が上演予定。

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