台湾スターの系譜を継ぐ古林睿煬。スペシャルワンの先発調整開始は最高の…

1軍クラスが最後の調整段階

 開幕前、最後の調整段階である。1軍はオープン戦順位の「首位決戦」、ヤクルト戦で総仕上げだ。まぁ、オープン戦と公式戦は別物ではあるが、打線が好調だけに開幕ダッシュを期待したい。僕は3/20(祝)の越谷市民球場、イースタン西武戦を見てきた。この時期のイースタンは各球団、1軍クラスが調整のため出場することが多い。僕の目当てもそこにあった。キャンプ、練習試合、オープン戦とチームを見てきて、大体のイメージはつかめている。最終段階は何かプラスアルファの要素いうか、イメージを上積みできるスペシャルワンを探してしまう。

 

 越谷市民球場は細野晴希→玉井大翔→柳川大晟→孫易磊のリレーだった。育成の大器、イーレイはともかくとして、僕の感覚では少なくとも玉井、柳川は1軍の戦力、細野は化ければ1軍ローテの一角に食い込んでおかしくない投手だ。スペシャルワンの期待という意味では細野だったが、まだ制球が甘かった。もちろん右打者の内懐にものすごい球が決まったりするのだ。ただ安定しない。2年目の「ドラ1左腕」は開幕1軍にまだ届かないと見た。待ち遠しい。台頭すれば山﨑福也、加藤貴之と違うタイプだけに面白いのだが。

 

 玉井、柳川は持ち味を出していた。2人ともリリーフ想定で見たが、要はいかに術中にはめるかだ。リリーフは答えが早い。玉井は「内野ゴロを打たせる」、柳川は「三振を取る」、いつでもその仕事が求められる。彼らは1軍の仕事にありつけそうだ。調整を終えたら上で稼いでほしい。特に玉井の復調はチームの希望だ。またピンチの場面をゲッツーに切り取ってくれ。楽しみにしている。

グーリン先発はうれしい誤算

 ただ越谷で見た4投手はスペシャルワンというほど、強力なカードではなかった。僕の脳裏にはスペシャルワンの残像があった。3/18巨人戦で2イニング被安打1、MAX155キロの快投を見せた台湾の「火球男」、古林睿煬(以下、グーリン)だ。11日ロッテ戦も良かったが、はっきり投げるたびにインパクトが増している。ホップ成分満点のストレートがうなりを上げて捕手のミットにおさまる。新庄剛志監督は当初、去年の金村尚真のようにセットアッパーで使い、実戦に慣らしていく構想だったが、巨人戦を見て方針を一変、4月の早い段階から先発の一角に据えるつもりだ。25日からのイースタン・ヤクルト戦(鎌ケ谷)で調整登板が予定されている。やっぱり、この時期のイースタンは見どころ満載なのだ。

 

 グーリンが先発に一枚加わることが何を意味するか。開幕目前の時期に「サプライズプレゼント」なのだ。ここまでほぼチーム構想は固まっていたはずだが、2ケタ勝てるエース級のスターターが出現してしまった。すごく嬉しいことをよく「望外の幸せ」というけれど、本当に「望外のエース級」だ。いやぁ、もしかすると台湾のMVPはファイターズを日本一に導き、日本でもMVPを獲得するかもしれない。

 

 グーリンの巨人戦の投球を見て、僕は世代的に江川卓、松坂大輔を連想した。グンと伸びて、打者のバットが下をくぐるイメージ。強い球という意味では若い読者は佐々木朗希を思い浮かべるだろうが、グーリンの方がホップする。で、強い球のピッチャーというのは研究してもなかなか打てないのだ。

 

 GAORA実況の土井悠平アナがうっかり「ふるばやし」と言ってしまって、なんか狸ばやしっぽくて味わい深いグーリンである。人気沸騰に期待したい。ここまでのオープン戦、僕の研究(?)ではなぜか若林晃弘と一緒に起用されていて、「今、グラウンドのに古林と若林がいる」とXに投稿してしまったのだった。ガマンしようとしたが、自分が止められなかったのだ。巨人戦では若林楽人を打席に迎えて、「今、グラウンドに古林と若林と若林がいる」と投稿してしまった。

 

 この流れとしては当然、オリックス紅林弘太郎との「ばやし対決」を楽しみとしたい。ソフトバンク上林誠知が中日へ移籍してしまって残念だ。ていうか、考えたら梅林優貴と「ばやしバッテリー」を組む可能性も考慮しないといけないだろう。球団はぜひ「ふるばやし」(もしくは「ばやし」)応援タオルを発売してほしい。

 

 僕はグーリンは北海道の新しいスターになると予想する。それは陽岱鋼、王柏融と繋いできた台湾スターの系譜であり、ファイターズのアジアマーケティングの一翼を担うものだ。いずれ支配下登録された孫易磊がそれに続くだろう。