俳優の香川照之が20日、都内で行われたWOWOW『連続ドラマW 災(さい)』完成報告会に、演出を務めた監督集団「5月」の関友太郎、平瀬謙太朗と共に登壇した。
本作は、現代を生きる罪なき6人の主人公たちの人生を、完全オリジナル脚本で描く群像劇。香川は、各人の物語に紛れ込み、災いをもたらす"ある男"を演じている。
1人6役という難役に挑んだ香川。オファーを受けたときの印象について「前回『宮松と山下』という映画で、監督集団『5月』という3人の監督と豊かな時間を過ごさせていただいたので、作品の一番芯となる役で使っていただけたことが、ありがたいなと思いました」と語る。
関監督は、監督集団「5月」が、ストーリーやキャラクターから作品を作るのではなく、どうやったら新しい映像構造を作ることができるのか……という発想から作品を構築していくことを特徴としている集団であることを明かすと「新しい怖さ、味わったことのない恐怖をどのように作っていくか。それが見つかったとき、誰がやったらより怖くなるのか……と考えたら、悩むことはなかったです」と迷うことなく香川にオファーしたという。
そんな中、1人6役というキャラクターを演じることについて香川は「六役という部分についてあまり驚くことはなかった」と語ると「ただ衣装合わせはかなりの時間がかかりました」と振り返る。通常2時間ぐらいで決まるところ「今回のドラマでは丸々2日間衣装合わせに時間が掛かったんです。前回ご一緒した映画でも6時間ぐらい」と、本作がいかに長い時間をかけたかを強調。
しかしこうした時間は香川にとって大きかったようで「僕は、衣装合わせによって役作りが出来る部分は大きいと思っているので、2日間はとても有意義でした」と述べると「ちょうど当時、僕はかなりのロン毛だったのですが、その長い髪によっていろいろキャラクターを想像し、作ることができたんです。それも良かった」と"長髪だったこと"も大きく役を作っていく上で役立ったという。
またもうすぐ新学期になるということで「新たに始めたいこと」について聞かれた香川は「いろいろと考えたのですが、思い浮かばない。しっかりと感謝を持って生きていくことを心掛けていきたいです」と語っていた。