「理想と現実のギャップが大きすぎて苦しい」「昔思い描いていた理想の自分と今の自分の姿が違いすぎて、ストレスを感じる」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。いくつになっても、理想の自分の姿に執着してしまうのが人間。理想の自分に近づきたいなら、少しずつ理想と現実のギャップを埋めていくしかありません。
本記事では、理想と現実のギャップに苦しんでいる人に向けて、ストレスを感じたときの対処法や理想と現実のギャップを埋めるためのステップを紹介します。
理想と現実のギャップに苦しんでしまう理由
生きていくうえで、理想と現実にギャップがあるのは仕方のないことです。ただ、そのギャップが大きければ大きいほど、抱えるストレスや苦しみも大きくなるでしょう。ここでは、なぜ理想と現実の間にズレが生じてしまうのか、そしてなぜ理想と現実に苦しむことになるのか考えてみます。
理想が高すぎる
あなたが掲げる理想は、「少し前向きに取り組めば実現できる」ような内容でしょうか。理想と現実のギャップに苦しんでいるということは、おそらく「人生をかけても叶えられるかどうかわからない理想像」ばかりに目が向いてしまっているのでは?
「相当がんばらないと叶えられない理想」や「今の自分では実現不可能な理想」を思い描いている、つまり理想が高すぎると、それを成し遂げられない現実に苦しむことになります。
自分ひとりでは理想の実現が不可能
たとえば、「結婚したい」「仕事で出世したい」「賞がほしい」など、理想を実現するために、自分の努力だけでなく、他人の判断や評価が必要となる場合、理想と現実のギャップが大きくなりがちです。
理想に近づこうと自分を磨いても、必ずしも実現できるとは限りません。自分の力だけでは目標を達成できないという状況は、ストレスを感じる原因につながるでしょう。
理想がぼやけている
理想を叶えるためには、何かしら行動や努力を行う必要があります。理想像がぼんやりしていると、実現に向けて具体的に何をすればいいのかはっきりしません。願うだけでなにも行動できないといつまでたっても理想と現実の距離が縮まらず、ギャップに苦しむ結果となります。
努力が足りない
理想の自分に近づくためには、行動を起こす・努力することが必要不可欠。小説を書いたことがないのに「ベストセラー作家になりたい」と願っても難しいように、どんなに優秀な人でも、何も苦労せずに理想を叶えるというのは到底無理な話です。
また、努力するベクトルがズレている場合も、思うような結果を出せずに「努力しているのになぜ報われないんだ」とストレスを抱くことに。
自分が培ってきたものと理想像に重なる部分がない
理想を前にして特につらくなるのは、自分の長所や今まで自分が培ってきたものが、理想像に結びつかない場合。まずは今の自分を認めて自分に合った理想を描かないと、理想と現実のギャップを埋めることが難しくなってしまいます。
毎日生きるのに必死
働きながら自分の生活を維持するので精一杯な場合も、時間だけが空しく過ぎているように感じられて、精神的につらくなってしまいます。毎日数分だけでも、理想と現実のギャップを埋めるための時間を作ることができれば、心のモヤモヤは小さくなっていくはずです。
理想と現実のギャップを埋めるためのステップ
理想と現実のギャップを埋めるには、理想に近づくために行動することが重要です。そのために、なにをするべきか分析し、取り組みやすい手順を用意し、挫折しにくい状況をつくり上げる必要があります。
ここでは、理想と現実のギャップを埋める方法を4つのステップで説明します。
1. 理想と現実を書き出して今の自分に足りないものを可視化
自分が思い描く理想の姿と、ありのままの現実の自分を、文字に起こしてみましょう。書き出して比べてみると、両者の違いがわかると同時に、自分なりにがんばっていることに気づくことがあります。
ありのままの自分を客観視して認めることで、自己肯定感が上がるだけでなく、今の自分に何が足りないのかが鮮明になりますよ。
2. 足りないものを埋めるためのTO DOリストを作成
理想に近づくために具体的に何が足りないのかを的確にとらえたら、理想を現実にする、つまりギャップを埋めるために今なにをすべきかを可視化する「やることリスト」をつくりましょう。
理想を実現するためにやるべきことを箇条書きにしてみるのが、わかりやすくておすすめ。大まかな内容では行動に移しにくいので、TO DOリストの内容はできる限り具体化することが大切です。
3. 行動に移して習慣化
次に、やるべきことを行動に移します。なかなか行動を起こせなかったり、やり始めても途中で挫折してしまったりという人は、やるべきことを細分化し、簡単に取り組める内容にかみ砕く「スモールステップ」を設けましょう。「忙しくてもこれならできそう」「疲れている日でもこの程度なら続けられる」という小さな目標を設定し、一つずつクリアしていくことを習慣化させるのが重要。
毎日続けられそうなスモールステップでコツコツと取り組むことができれば、達成感が得られるうえに、着実に理想へと近づいていけますよ。
4. 理想と現実を定期的に見直す
最後に重要なポイントなのが、理想と現実を定期的にチェックし、見直すことです。月に一度でもいいので、今の自分の現状を振り返り、うまくいっている点や改善点を確認します。理想に近づけていたら、自分の努力を認めて褒めたり、ご褒美をあげたりすることも大切です。
また、必要に応じて、目標を微調整しましょう。次にやるべきことが常に明確だと、モチベーションを維持しやすくなります。
理想と現実のギャップに苦しんだら
理想と現実のギャップが生み出すストレスを和らげるにはどうすればいいでしょうか。ここでは、苦しみから解き放たれ、毎日を穏やかに暮らすための方法を紹介します。
苦しんでいる自分を俯瞰する
理想と現実のズレにストレスを感じるときは、どうして苦しいのか、自分自身を客観的にとらえてみましょう。どのような状況が自分を苦しめているのか、今の努力は理想像に近づけることにつながっているのか、今自分に何を与えたら苦しみが緩和されるのか、苦しんでいる今の自分を第三者目線で分析してみましょう。
「そもそも理想像が今の自分とかけ離れすぎているから、理想像をもう少しかみ砕いて実現可能なものに修正してみる」「努力の方向がズレているので、軌道修正が必要」など、適切なアプローチ方法が思い浮かぶかもしれません。
一度理想像から離れてみる
理想と現実のギャップがつらいのは、自分の短所にばかり意識が向いてしまっているからかも。ひとまず理想像を追いかけることから離れ、自分の長所に目を向けてみましょう。
自分の好きなところや長所を認めて受け入れることで、「今の自分のままではダメだ」と自分を責める頻度が減るはず。ギャップによるストレスが少しは軽くなるのではないでしょうか。
仲がいい人に相談
理想と現実のギャップがつらいときは、友達、家族など、身近な人に相談してみましょう。人に話すことで、自分を客観的に見られます。
また、苦しい気持ちをひとりで抱え込むとネガティブな発想にとらわれやすくなりますが、周りの人からアドバイスをしてもらうことで、理想の自分に近づけるためのアイデアが思い浮かんだり、前向きな気持ちになったりと、理想の自分を叶えるためにポジティブな方向に進むことも多いです。
理想像に近い人からアドバイスをもらう
職場の上司や先輩、友人など、あなたの理想像に近い人に、自分の弱点を指摘してもらったり、どうすれば理想に近づけるかアドバイスをお願いしたりするのもいいですね。自分では思いつかないヒントをもらえることがあります。
新しい理想像を設定してみる
理想像に近づくのが到底難しそうなのであれば、すっぱり諦めて新しい理想像を設定してみるのも一つの手です。叶わない理想像にとらわれて何も行動できないままでいては、心が苦しくなるばかり。それなら、一度その理想像を忘れて、実現可能な新しい理想像を設定し、新しい理想の自分に近づくために努力してみてはいかがでしょうか。
何もせずに苦しんでいるくらいなら、今の自分にできることから行動に移すべきです。少しずつステップアップしていくことで、気づいたら諦めたはずの理想の自分に近づいていた…ということも珍しくありません。
理想と現実のギャップとうまくつきあおう
理想と現実が違うことをつらく感じるのは、現状に満足していない、つまりまだ伸びしろがあるということ。理想と現実がかけ離れていることに気づいたら、まず自分自身を見つめ直してみましょう。
理想と現実のギャップに苦しんでいるのは、あなただけではありません。「周りも同じように理想と現実のギャップに苦しんでいる」と考えれば、「私だけではない」とホッとすると同時に、「周りもギャップを埋めるために努力しているのだから、自分もがんばらないと!」と前向きになれるのではないでしょうか。