聞こえるように悪口を言う人に悩まされている、という人もいるでしょう。本記事では、聞こえるように悪口を言う人の心理を解説したうえで対処法を紹介します。職場編と友人・知人編のシーン別に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
聞こえるように悪口を言う人の心理とは?
悪口というのは、本人のいないところかつ限られた人数で集まっているときに言うのが一般的です。それにもかかわらず、なぜあえて本人や周囲に聞こえるように悪口を言うのでしょうか。ここでは、その心理を深堀りしていきます。
間接的に不満を伝えたい
悪口を本人に聞こえるように言うのは、「自分の不満を間接的に伝えるため」です。不満を面と向かって伝える勇気はないものの、そのまま黙っていることもできないのでしょう。[ なんとかして本人に言ってやりたい!」という思いから、周囲を利用して伝えようとしています。
劣等感や自信のなさを隠したい
自分の弱さを隠すために悪口を言って、他人を攻撃する人もいます。たとえば、同僚が高評価を受けている場合に、「あの人は運がよかっただけ」と周りにも聞こえるように言うことで、相手の成功を貶め、自分の価値を保とうとするのです。自己防衛のために悪口を言っているといえるでしょう。
周囲の注目を得たい
周囲に聞こえるように悪口を言う人は、「注目されたい」という欲求を抱えている場合があります。特に、グループの中心的な人物になりたい、と思っているタイプの人に多いでしょう。たとえば、「最近、〇〇って感じ悪いよね」と話題を振ることで、自分がその場の中心になることを狙っているのです。
自分が優れていると思わせたい
「自分は他人よりも優れている」と周囲に思わせるために、聞こえるように悪口を言う人もいます。たとえば、「○○さん、あんな簡単なこともできないなんてヤバいよね」と話すことで、相対的に自分の能力を高く見せようとしているのです。自分の価値をアピールするための短絡的な方法といえます。
ストレスを解消したい
悪口は、ストレス発散の手段として用いられる場合もあります。仕事や家庭で溜まったストレスを、他人への批判として表出させることで気持ちをスッキリさせているのです。
この行為自体は決して珍しいことではありませんが、多くの人は周囲に聞こえないようにヒソヒソと言うもの。あえて聞こえるように言う人は、ヒソヒソと話しているだけでは解消できず、行為がエスカレートしているのでしょう。本人はヒソヒソと話しているつもりでも、無意識に声が大きくなってしまっている場合もあります。
聞こえるように悪口を言う人への対処法【職場編】
聞こえてきた悪口が自身に対するものだった場合は、精神的な負担が大きいものです。特に、逃げることのできない職場では、仕事へのモチベーションにも影響するでしょう。ここでは、職場で自身に対して聞こえるように悪口を言う人がいた場合の対処法について紹介します。
仕事と割り切る
職場は感情よりも仕事が優先されるべき場所です。悪口を言われたとしても、それを「その人の問題」としてとらえ、過剰に反応しないようにする、というのはひとつの方法です。たとえば、聞こえるように「〇〇さんって本当に気が利かないよね」と言われても、「自分の仕事に集中することで成果を出す」という態度を取れば、相手の言葉が気にならなくなるかもしれません。
聞こえてきた悪口を聞き返す
近くにいるのにあからさまに悪口を言われたとき、その言葉を聞き返すという方法もあります。たとえば、「〇〇さんって部長に媚びてるから気に入られてるよね」という言葉が聞こえてきたとしたら「えっ、私って○○部長に媚びてるから気に入られてるんですか?」と聞き返すのです。
聞こえるように悪口を言う人の多くは、相手が何も言ってこないだろうと思ってやっています。そのため、聞き返されると予想外の事態にうろたえてしまい、その後何も言ってこなくなることがあるのです。
ただし、この方法は相手によってはまったく通用しません。また、周囲の人を不必要に巻き込んでしまうことがある点にも注意しなければなりません。周囲の空気が悪化してしまい、場合によっては逆にあなたの立場が不利になる恐れもあるので、慎重に行動しましょう。相手の行動に周囲の人もみんな困っている状況などであればいいかもしれません。
信頼できる同僚・上司に相談する
悪口がエスカレートして仕事に支障をきたすような場合、信頼できる同僚や上司に相談するのがいいでしょう。たとえば、プロジェクトの進行が妨げられている場合、「〇〇さんの発言が気になり、業務に集中しづらい」と具体的に伝えることで、周りが解決のために動いてくれる可能性があります。上司に相談する際は、感情的にならず、事実にもとづいた報告をするのがポイントです。
転職する
どうしても環境が改善されない場合は、転職も選択肢のひとつです。たとえば、「職場のストレスで眠れない」や「会社に行くのが憂鬱」などの症状があらわれた場合、思い切って新しい職場を探すことも考えたほうがいいでしょう。悪口が横行する職場に居続けることは、心身の健康を損なう危険性があります。仕事は大切ですが、自身の健康のほうがもっと大切です。上司に相談しても改善が見込めないならば、そんな職場に見切りをつけて転職するのも悪いことではありません。
聞こえるように悪口を言う人への対処法【友人・知人編】
友人や知人のあいだで起こる悪口は、職場での悪口以上に心理的な影響を受けやすいものです。ここでは、友人・知人が集まる場で自身に対して聞こえるように悪口を言う人がいた場合の対処法について紹介します。
本人に理由を尋ねる
友人や知人であれば、話があると言って本人を呼び出し、悪口を言う理由を尋ねるという方法もいいでしょう。1対1になった状態でお互いに腹を割って話すことで、相手の不満が解決し悪口が止むかもしれません。
共通の友人・知人に探りを入れてもらう
悪口の背景を探るために、共通の友人や知人に相談するのもひとつの方法です。たとえば、「最近、〇〇さんが私について何か言ってるみたいだけど、理由があるのかな?」と軽く尋ねてみることで、悪口の原因を突き止めることができるかもしれません。
相手がなんらかの不満を感じていたり、誤解していたりするならば、それを知ることで改善の糸口が見えることもあります。ただし、話が広がりすぎてしまわないよう、相談するのは心から信頼できる人だけにしておきましょう。
距離を置くようにする
頻繁に悪口を言う人とは、適度な距離を保つことが有効です。たとえば、「用事があるから」と集まりを断る、こちらからは連絡しない、連絡が来ても必要以上のことを話さないなど、さりげなく距離を置きましょう。少人数の狭いコミュニティ内の場合は難しいかもしれませんが、大人数のコミュニティであれば直接対決を避けながらストレスを軽減できます。
縁を切る
最終的に、関係が改善する見込みがない場合は、縁を切ることも選択肢に入れましょう。悪口がエスカレートし、自分にとって害のある存在だと感じた場合には、「自分の人生を守るための決断」として縁を切るべきです。たとえば、SNSでの繋がりを切る、電話に出ない、誘われても出かけないなど、相手との関わりを断つことで、心の安定を取り戻せます。
まとめ
聞こえるように悪口を言う人に対処するには、相手の心理的背景を考えながらも、自分にとって最適な対応策を選ぶことが大切です。自分の価値観や平穏を最優先に考えることで、ストレスの軽減につながります。最終的には、「自分を守る選択」を大切にするといいでしょう。