グラフィコは3月13日、「昭和・平成・令和の初めての一人暮らしに関する意識調査」の結果を発表した。調査は2月17日~20日、20歳ごろに初めての一人暮らしを経験した男女973名と、この春から一人暮らしをする男女71名を対象にWEBで行われた。
調査では、20歳ごろに初めて一人暮らしを経験した調査対象者を、その時期によって時代を分類。1988年以前を「昭和」(217名)、1989年~2018年を「平成」(538名)、2019年以降を「令和」(218名)とし、さらに、この春に一人暮らしをはじめる「未経験者」71名を加えた全1,044名にアンケートを実施した。
初めての一人暮らしが「楽しかった(とても+まぁまぁ)」と回答した人の割合は、昭和が74.2%、平成は83.6%、令和は87.1%と時代とともに満足度は右肩上がりに。未経験者も8割以上(83.1%)が楽しみと回答しており、SNSやオンライン通話ツールの普及による孤独感の軽減や、娯楽の多様化と手軽さによって一人暮らしがより快適になっていることがうかがえた。
また、初めての一人暮らしで困ったことを聞いたところ、昭和と平成のトップ3はともに、1位「病気やケガの時にお世話をしてもらえない」、2位「部屋が汚くなる」、3位「貯蓄ができない」という結果に。しかし令和と未経験者では、「貯蓄ができない」が1位、「部屋が汚くなる」が2位に。3位は令和が「害虫の駆除」、未経験者は「洗濯物がたまる」。
令和や未経験者が「病気やケガの時にお世話をしてもらえない」ことをそれほど心配していない理由として、本当に困った経験がまだ少ないことに加え、通信手段の発達により、離れていても家族や友人に簡単に連絡を取れる環境が整っていることが要因と考えられる。
次に、初めての一人暮らしで「便利だった家電・便利だと思う家電」を教えてもらったところ、昭和は1位「冷蔵庫」、2位「テレビ」、3位「洗濯機」となり、4位に「電子レンジ」がランクイン。一方、平成と令和と未経験者は1位「冷蔵庫」、2位「洗濯機」、3位「電子レンジ」、4位「テレビ」という結果に。初めての一人暮らしで役立つ家電の“三種の神器”は「冷蔵庫」「洗濯機」「電子レンジ」といえそう。
また、日用品の購入時に重視したことをたずねたところ、昭和と平成の1位は「信頼性」、令和の1位は「時短」という結果に。Z世代をはじめ、若年層で昨今高まっている時短意識は、日用品にも求められているよう。
また、どの時代も「信頼性」に加えて「実家で使っていた」がトップ3に入っており、メーカー、ブランドに対する信頼と、実家で愛用していた、使ったことがあるなどの経験から、失敗が少ないという安心感が生まれていたことがうかがえる。
特に令和は、インターネットやSNSを駆使して商品情報を収集し、自分にとって最適な選択肢を追求する「賢い消費者」としての特徴が顕著となっており、令和の約6割が「口コミ」を重視すると回答。レビューサイトや動画レビューを参考にすることで、単に安価な商品を選ぶのではなく、価格に見合った性能や利便性を求める傾向があることが見てとれた。
次に、「洗濯」で嫌だったことをたずねたところ、いずれの時代も「洗濯物を干すのが面倒」「洗濯が面倒」が1・2位を占める結果に。また、「生乾き臭・部屋干し臭が気になる」も上位となった。
時代別の特徴としては、昭和は4位「干すスペースがない」、5位「洗濯機を置くスペースがない」と部屋の使い方に苦労していたよう。また、時代とともに「汚れが落ちない」「ニオイが落ちない」ことを気にする人の割合が増え、昭和は「汚れが落ちない」が11.5%、「ニオイが落ちない」が3.7%だったのに対し、令和は「汚れが落ちない」が28.9%、「ニオイが落ちない」は19.7%と大きな差が。
そこで、経験者に「洗濯で汚れが落ちない時どうしていたか」をたずねたところ、昭和の1位は「気にせず着用する」(29.5%)という意外な結果に。平成は「洗剤で手洗いする」(32.9%)、令和は「塩素系漂白剤を使う」(37.6%)が1位となり、具体的に漂白剤の使用率を時代ごとに比較したところ、昭和は23.6%、平成は43.4%、令和は57.8%と使用率が上昇していることがわかった。