――出演を決めた理由として、作品があまりにも素晴らしかったとおっしゃっていましたが、作品の魅力をどのように感じたかお聞かせください。
なかなか学習の機会に恵まれず文字が書けないまま大人になった方が、奥様のためにラブレターを書きたいんだという、その頑張っていく姿……純粋なエネルギーだし、愛だし、それに尽きるなと。最初に台本を読んだときも、夫婦間の愛もそうですし、それを支えていこうとする家族、教員の方や生徒さんなど、すべてが愛情で、すごく幸せな世界でした。劇的なことが起こるわけではないですが、真実だからこそ説得力もあるし、すごく美しいお話だなと思いました。モデルになった西畑さんご本人も現場にいらしてくださったのですが、本当にかわいらしい方で、「東京に出てきたからおしゃれしてきました」とにこやかに話されていて。そのお人柄が見ただけでわかるような方で、本当に素敵なご夫婦だったんだなと感じました。
――西畑さん夫妻から影響を受けて、ご自身の夫婦生活でも実践していきたいと思ったことはありますか?
手紙に書いて気持ちを伝えた西畑さんや皎子さんは素晴らしいなと感じ、命あるうちに感謝は述べるべきだなと思いました。忙しかったり、恥ずかしかったりして、夫に「ありがとう」とちゃんと目を見て言ったのはいつだろうって。夫は「ありがとう」と言ってくれることもあるんですけど、私は子供が生まれてからなぜかこっぱずかしくなってしまって、ダメですね(笑)。ちゃんとしなきゃなと気づきを与えてくれました。
――旦那さんとラブレターのやりとりをされたことは?
ないです! 子供が生まれる前は、誕生日や朝早く家を出るときに手紙を書いていた気がしますが。夫は、子供が生まれて退院したときに、お花と一緒に私と子供の分のメッセージを書いてくれたり、1歳になった時に「1年間ありがとう。お疲れ様」という手紙をくれたりしたんですけど、私は一切書けてなかったです。
――旦那さん素敵ですね。
マメなんです。私も夫に書かないとですね。もうすぐ夫の誕生日なので手紙を書こうと思います(笑)
1988年5月9日生まれ、大阪府出身。ドラマ『放課後。』(04)で女優デビュー。『放郷物語』(06)で映画初主演。近年の主な出演作に、映画『コンフィデンスマンJP -英雄編-』『犬も食わねどチャーリーは笑う』(22)、『正欲』(23)、ドラマ『恋のツキ』(18)など。NHK連続テレビ小説『わろてんか』(17~18)ではヒロイン・てん付きの女中・トキを好演した。