NHK連続テレビ小説『わろてんか』(17~18)の女中・トキ役をはじめ、数々のドラマや映画で活躍している徳永えり。プライベートでは2019年に一般男性と結婚し、2023年に第1子を出産して母に。そして昨年2月に仕事を再開し、復帰作となる映画『35年目のラブレター』が3月7日に公開を迎えた。徳永にインタビューし、本作への出演を決めた思いや久しぶりに演じた感想、現場でのエピソードなど話を聞いた。
戦時中に生まれて読み書きができないまま大人になった夫が、35年間連れ添った妻へのラブレターを書くために奮闘する心温まる実話を映画化。最愛の妻・皎子(きょうこ)への感謝を手紙で伝えようと夜間中学に通い始める主人公・西畑保を笑福亭鶴瓶、妻・皎子を原田知世が演じた。徳永は西畑家の長女・浩実(ひろみ)役で出演。保や皎子の悩みに寄り添って気に掛ける、落ち着いたしっかり者の長女という役どころだ。
――この作品で復帰しようと決めた思いをお聞かせください。
『35年目のラブレター』のときはまだ子供が離乳食の全然前なのでどうしても私が必要な時間が多く、復帰しようとは思ってなかったんです。もう少し時間が経って落ち着いてから復帰しようと思っていましたが、あまりにも脚本が素晴らしくて「やりたい!」という思いが強くて。映画なので、すでに台本ができていましたし、スケジュールもある程度出ていたので、これだったらできるかなと思い参加させていただきました。
――鶴瓶さんと原田さんの娘役という喜びもありましたか?
それも出演の決め手の一つでした。このお二人の子供なんて「絶対やる!」って(笑)。ありがたいなと思いました。
――2023年5月から産休に入られ、本作の撮影は昨年2~3月。約9カ月ぶりのお芝居となりましたが、ブランクは感じなかったですか?
初日が鶴瓶さんとの2人芝居で、私がお父ちゃんにいろいろ話しかけるシーンだったのですが、久しぶりにカメラの前に立って、すごくドキドキしました。赤子とだけ接している時間が長いのに、大勢の大人の方に囲まれて。でも、いざ撮影が始まるとやるしかないので、やってみたら普通にできて、思った以上にブランクは感じなかったです。緊張はしましたが、現場にいてくれたマネージャーも「いつも通りでしたね」と。関西弁の役というのも大きかったですし、お相手が鶴瓶さんだったという優しさもあって、自由にできてありがたかったなと思います。鶴瓶さんとも初めましてではなかったので、甘えさせていただきました。
――鶴瓶さんとはどの作品でご共演を?
20代前半の頃に鶴瓶さんの『スジナシ』という番組に出演させていただきました。『スジナシ』は全アドリブという当時私が一番苦手としていたもので、その前にご挨拶もしたらいけなくて、カメラが回っている状態でご挨拶して自分たちで設定を構築していくというスタイルでした。それから十何年ぶりにお会いしたのですが、私は原田知世さんとも妹役のぎぃ子ちゃんともご一緒したことがあったので、本読みの時点で西畑家はすごく和気あいあいとしていて、その空気感でやらせていただけたこともありがたかったです。
――演じる楽しさも感じられましたか?
楽しさも、難しさも、改めて感じました。