車内は9000系10両編成のリニューアルに伴う新デザインを採用。都会的で飽きのこないデザインに仕上げ、時代が変わっても愛される車両をめざしたという。天井から床まで内装全体をモノトーンの落ち着いた色調で統一し、スタイリッシュかつモダンな空間を演出。床から天井に向かって徐々に明るく配色することで、限られた空間を広く見せる工夫も行っている。

  • 9000系10両編成のリニューアルにともない、車内も新デザインに。内装全体をモノトーンの落ち着いた色調で統一している

長きにわたって快適に利用してもらうことをめざし、座席や床など日頃から利用する部分も刷新。座面は八王子市の伝統工芸品である多摩織物をモチーフとした生地で、繊細な手触りや感触をイメージしたデザインとした。背ずりは商業施設や高層ビルが並ぶ景観をイメージした幾何学模様の生地を採用。生地にグラデーションを用い、郊外から都心へと移り変わる街並みの明るさを表現している。袖仕切りのガラス部分も都心のビル群をイメージしたデザインに。床面はゴム製となった。

2026年初めの導入を予定している新型車両2000系の設計も生かし、一般座席の縦握り棒を増設したほか、優先座席の縦握り棒にディンプル加工(滑り止め防止)を施した。全車両にフリースペースを設置し、車いす・ベビーカー利用者をはじめ、乗客のさまざまな移動ニーズに対応する。

  • フルSiC素子を用いた新型のVVVFインバータ制御装置を導入

  • SIV装置(車両用補助電源装置)も更新された

  • リニューアルした9000系(10両編成)の運転台

9000系のリニューアルに合わせ、環境性能をさらに高める施策も実施。フルSiC素子を用いた新型のVVVFインバータ制御装置を導入し、VVVF未搭載車より約70%、現行の9000系より約20%の省エネ性能向上を図るとともに、消費電力のさらなる削減と車両の軽量化によるカーボンニュートラルの実現をめざす。省エネ性能のさらなる向上をめざし、SIV装置(車両用補助電源装置)も更新する。

10両編成の9000系は今後、3月10日から営業運転を開始するサンリオキャラクターのラッピングトレインを皮切りに、年2本程度のペースでリニューアルを進めていく予定。2編成目以降、リニューアルした車両であることが利用者にもわかるように、車両外観になんらかの変化を加える(例としてシールの貼付や帯の変更など)ことも検討中だという。なお、今回は対象外となっている8両編成の9000系についても、リニューアルを今後検討するとのことだった。

  • リニューアルした9000系(10両編成)の車内

  • リニューアルしたサンリオキャラクターのラッピングトレインの外観