国内有数のモータースポーツ競技である「全日本スーパーフォーミュラ選手権」(スーパーフォーミュラ=SF)。3月7日には2025年シーズンが開幕します。開幕戦が間近に迫る今、そもそもSFの何がすごいのかをモータースポーツ初心者の学生ライターが取材しました。
そもそも「スーパーフォーミュラ」とは?
スーパーフォーミュラは1973年に始まった「全日本F2000選手権」を前身とし、約50年間にわたり日本におけるトップフォーミュラとして進化を続けてきたモータースポーツです。それでは他のレース、例えば「SUPER GT」や「F1」とは何が違うのでしょうか? SFの魅力とは? そんなSFの楽しみ方を自分なりに3つにまとめてみました!
楽しみ方その1:F1の次に速い!? マシンのスペックは国内最高峰
他のモータースポーツと比べた時、SFの大きな特徴としてまず挙げられるのはマシンのスペックです。デザインやカラーリングなどに市販車の面影を残すSUPER GTなどとは異なり、SFは純粋なレース専用のボディを与えられています。究極の速さを求めたマシンの中央にドライバーが座り、4輪のタイヤをむき出しにした宇宙船のような見た目で走り回る様子には、他の競技では味わえないカッコよさがあります!
同じフォーミュラ・カテゴリーの「F1」とは何が違うのでしょうか? それはズバリ、マシン同士の「イコールコンディション」の実現にあると思います。
現在、SFは2023年に投入された「SF23」と呼ばれる車両に統一されており、タイヤも同じヨコハマタイヤ、ダンパーも同じオーリンズ製で統一されています。この「SF23」は空力の面で大幅にアップデートされており、より近い距離におけるマシン同士のバトルが楽しめるそうです。エンジンはトヨタ系とホンダ系の2種類ありますが、性能はほぼ同一です。そのため、他の競技と比べて、SFはドライバーのテクニックやチームの戦略、駆け引きなど、純粋な人vs人の戦い(=ヒューマン・モータースポーツ)が楽しめます!
マシンはただ速いだけでなく、環境問題にも配慮した作りになっています。性能はトップレベルを維持しながらも、ボディの一部には天然素材を使用。タイヤも再生・リサイクルした原料を活用しています。カーボンニュートラル燃料の導入も目指しているそうです。
楽しみ方その2:「推し」が見つけやすい?
SFには現時点で12チーム、20台強のマシンが参戦しています。各社あざやかなカラーリングが特徴で、ドライバーもカラフルなヘルメットやレーシングスーツを着用しています。そのため、激しいバトルの中でも「推し」のドライバーやマシンたちを簡単に見つけることができます!
車両のカラーリングが気に入った、選手の顔ファンになったなど、どんな理由でもいいので自分の「推しのマシン」が見つかれば、きっとレースが面白くなります。お気に入りの選手が、気が付いたらF1のトップドライバーに昇格……なんてこともあるかもしれません。実際、ミハエル・シューマッハやピエール・ガスリーなど、SFは多くのF1選手を輩出しています。
楽しみ方その3:多様な観戦スタイルでにわかファンも安心?
とはいえ、やはり「モータースポーツを見るのは敷居が高い」と感じる人も多いと思います。しかしSFには、忙しい人でも初心者でも楽しめるコンテンツがたくさんあります。そのひとつが公式アプリ「SFgo」です。
このアプリのすごいところは、なんといっても圧倒的な没入感です。各試合をオンデマンド配信しているだけにとどまらず、試合中は各車両のオンボードカメラや無線内容をリアルタイムで見て、聞くことができます。各車両のドライバー目線で、サーキットの景色だけでなくマシンのスピードやコンディション、タイヤ温度などの細かい部分までリアルタイムで見られるので、まるで自分がレースに参加しているかのような雰囲気を味わえます!
放送チャンネルも充実しています。試合を見たいと思ったら、前述したアプリに加えて、「J SPORTS」「ABEMA」「DAZN」「FOD」など、さまざまなメディアで観戦することが可能です。
興味が深まったら、一度は会場で生のレースを観戦してみることをオススメします。SFは日本全国5つのサーキットで行われており、場所によっては公共交通機関で訪れることも可能です。2024年度はSFとJR東海のコラボにより、お得なセットチケットの販売や東海道新幹線内における限定コンテンツなど、さまざまな取り組みが行われました。
いかがだったでしょうか? SFの初戦と第2戦は3月7日(金)~3月9日(日)にかけて「鈴鹿サーキット」(三重県)で開催されます。ご家族と、ご友人と、ぜひ足を運んでみてください!