視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、テレビ画面に視線を向けていた人の割合がわかる「注目度」の週間番組ランキング(2月24日~3月2日)を発表した。
安定した高注目度『カネオくん』
この週では、安定した注目度で上位常連の『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK)が、コア視聴層3位(61.6%)、個人全体9位(62.7%)にランクインした。
今回のテーマは駅弁と機内食。鉄道利用者数の回復とともに駅弁の需要が伸びる中、その製造過程や「冷めてもおいしい」工夫にスポットを当てた内容は、視聴者の関心を引きやすいものだった。身近な題材を深掘りしながら、軽快なトークで分かりやすく伝える番組のスタイルが、安定した人気を支えているといえるだろう。
一方、コア視聴層10位にランクインしたのは『さよなら帝国劇場 最後の1日 THE ミュージカルデイ』(日本テレビ)。114年の歴史に幕を下ろす帝国劇場の「最後の1日」を記録し、生放送で届けられた特別番組で、帝国劇場の歴史的な意義を考えると、見逃せない放送となった。
ミュージカルスターたちが集結し、名曲ランキングの発表、歴代スターの秘蔵映像、生歌唱が披露されるなど、単なる音楽番組にとどまらず、日本のミュージカル文化を振り返る場として構成。帝国劇場が持つ歴史の重みや、日本のエンタテインメントに果たした役割の大きさが、ファンだけでなく多くの視聴者の関心を引きつけたといえるだろう。
取材班に「とうとう見つかりましたか」
個人全体2位(66.5%)の『ポツンと一軒家』(ABCテレビ・テレビ朝日系)は、岡山県の山奥にある一軒家を訪問。一軒家までの道のりは過酷で、車が通れないほどの悪路。スタッフが約1kmを徒歩で登り、たどり着いたのは、養父母から受け継いだ家を守り続ける82歳の男性の家だった。
取材班を迎えた男性は、「とうとう見つかりましたか」と穏やかな笑顔で一言。その姿が視聴者の心をつかんだ。
男性は幼くして実父を亡くし、この家の養子として迎えられた。104歳で亡くなるまで男性に深い愛情を注ぎ続けてくれたという養父は、戦後まもなくこの地を開拓。山を切り開き、一人で石垣を積み、ここに家を建てたという。
現在も残る五右衛門風呂など、養父が作り上げた暮らしの跡が、この家の歴史を物語っていた。その歴史を紡ぐように、男性は今でも週に一度は2時間かけてここへ通い続けているそうだ。 亡くなる直前に養父が語ったという「お前も、わしも難儀な人生やったな」という言葉は、多くの視聴者の胸を打った。
ドラマのような人生の困難を乗り越え、ひっそりと家を守り続ける男性の姿に多くの視聴者が感動を覚えたようで、SNSでは「『ポツンと一軒家』で語られる個人史が染みるのはなぜだろう」「養父の言葉に泣いてしまった」など、多くの共感が寄せられていた。