ピン芸日本一決定戦『R-1グランプリ2025』。過去最多5,511人のエントリーの中から決勝戦(カンテレ・フジテレビ系、8日18:30~生放送)に駒を進めたのは、ヒロ・オクムラ、チャンス大城、田津原理音、ハギノリザードマン、ルシファー吉岡、吉住、さや香 新山、友田オレ、マツモトクラブの9人だ(※決勝戦ネタ順)。
ファイナリスト9人へのインタビューを、決勝戦前日まで紹介。手作りの小道具を武器に『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』2023年夏大会を制し、『R-1』では初の決勝進出を果たしたハギノリザードマンは「(過去に)ピン芸人を1年以上続けたらコンビに戻れなくなると言われて。気づいたら言われた通りになっていました」と、その魅力を語る――。
1年間『R-1』を研究しまくった
――決勝戦進出が決まった瞬間を振り返ってみていかがですか?
最初の方に決勝初進出組が呼ばれたんです。そのあと、決勝常連のルシファー(吉岡)さんたちが呼ばれて、“もうないな”って悔しすぎて泣きそうになっていたんですけど、8番目に呼ばれて。一気に顔に血がのぼって血色がよくなって、うれしさがこみ上げてきましたね。
――決勝進出者発表から時間が経ちましたが、実感はわいてきましたか?
あの瞬間はフワッとしていましたが、そのまま(決勝進出者発表)会見や決勝のネタの打ち合わせが始まって、終わってから携帯を見たらLINEが200件とか入っていました。そこから“決勝に行ったんやな”とどんどん実感がわいてきて。決勝に向けていろいろなライブに出ていますが、そこでもみんなが祝福してくれて、ようやく“ファイナリストになったんだ”と思えてきています。
――長年コンビ活動をされてきて、2021年に解散。そこからはピン芸人として再スタートを切りましたが、今年1月にはコンビ「ベルナルド」を正式に結成されました。ハギノリザードマンさんが『R-1』にかける思いを教えてください。
2021年にコンビを解散して、そこからピンでやろうって決めて。ピン芸人としてテレビに、世に出るにはどうしたらいいだろう、って考えたときに“R-1だ!”と思ったんですけど、ちょうどその年から芸歴制限ができて出られませんでした。そんなところに、コンビ時代から出させてもらっていた『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』が頭をよぎって。まずはそこでの優勝を目指そうと思い、ただただ“細かいモノマネ”を作り続け、3年かけて2023年に優勝しました。
そうしたら、そのタイミングで『R-1』が芸歴制限撤廃になって!“よっしゃ!これこれ、待ってたよ!”と思ったんですけど…その年は準備不足で2回戦で敗退。モノマネのネタはいくつかありましたが、『R-1』での戦い方はまた全然違うというか。いかに“R-1用のネタ”にしていくか、というのが分からないまま負けてしまいました。
それがめちゃくちゃ悔しかったので、その年は準々決勝と準決勝の配信チケットを全部買って、家で見ながら“この人はこういうネタ”と分析して。準々決勝から準決勝に勝ち上がった人は、準々決勝で落ちた人とどう違うんだろう、みたいなことをひたすら考えました。
そこから1年かけていろいろなパッケージやコントを試して、僕のネタの作り方も変わってきて。やっていることは変わらないものの、『R-1』に向けたネタ作りがやっと分かった気がしました。そうしたら決勝に進めるネタもできて、“間に合った”って。1年間、『R-1』を研究しまくってきてよかったですね。
小道具では誰にも負けない
――“R-1を研究しまくった”ハギノリザードマンさんが思う、ピン芸の魅力を教えてください。
ピン芸の面白いところは、“全部自分”なところ。ウケるのも、スベるのも。コンビを組んでいる期間の方が長いので、もちろんコンビの良さは知っています。ただ、ピン芸人になった当初、去年のR-1チャンピオン・街裏ぴんくに相談したんですよ。そうしたら、“ピン芸人を1年以上続けたらコンビに戻れなくなるぞ”って、“それくらいピンには魅力がある”って言われて。最初の1年は“しんどいやろうな”と思っていたんですけど、気づいたら(街裏ぴんくから)言われた通りになっていました。ドーン!とウケたら、全部自分の力。10数年のコンビ時代よりも、この4~5年のピン期間で培った自信の方が、伸び方が半端ないですね。ここ数年でとんでもない自信がついたと思います。
ピン芸は、全部自分で1から作って、練習して、結果や反応がダイレクトに返ってくるので、すごく気持ちいいです。やめられないですね。
――ファイナリスト9人を見ていかがですか?
みんな面白くて、結果を出している人ばかりだなと思います。決勝まで来た自分を褒めてやりたい気持ちはありますが、やっぱり“ここまで来たら勝ちたい”という思いもあります。コンビを解散して、ピン芸人として再スタートして…と境遇が似ているオクムラくん(ヒロ・オクムラ)は少し意識していますね。
――“これだけはファイナリストの誰にも負けない!”と誇れる強みはありますか?
自分で作った小道具です。決勝にまでなると、小道具は用意してもらうことが多いと思いますが、僕は自作の小道具でいきたいという思いがありました。そこを踏まえてネタ作りをしていたので、小道具では誰にも負けないと思います。
――優勝したらかなえたい夢を教えてください!
モノマネをやり始めたときから思っているんですけど、僕のネタは“物のモノマネ”とかで言葉がいらないので、いつか海外のお客さんに向けて大きいイベントや舞台でやってみたい夢があります。僕の“あるあるネタ”が海外でウケるのか、挑戦してみたいですね。
――決勝戦に向けて意気込みをお願いします。
2021年から5年間、モノマネネタを山ほど作ってきました。その中の一番いいところを決勝で皆さんにお見せできればと思っています。楽しんでやって、優勝できるように頑張ります!
――最後に、ハギノリザードマンさんにとって『R-1グランプリ』とは?
「ピン芸人のラスボス」です!“細かすぎて”で優勝したタイミングがピークかと思ったんですけど、21年間の芸歴で今が一番調子いいので!
決勝戦のネタ尺は4分。ファイナリスト9人が争うファーストステージは、審査員による得点審査。ファーストステージの上位3人が進むファイナルステージは、審査員による決選投票が行われ、その結果で、優勝者が決定する。
決勝戦のMCを務めるのは、5年連続のタッグとなる霜降り明星&広瀬アリス。審査員は、4年連続の顔ぶれとなる陣内智則、バカリズム、小籔千豊、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、ハリウッドザコシショウに加え、新たに2人を迎えた7人体制となる。この2人の詳細は、決勝戦当日の8日(15:00~ ※一部地域除く)に放送される『霜降り明星のR-1グランプリを100倍楽しく見るTV』内で発表予定。